京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【アンズのココアケーキとチョコレート】

2015-01-31 | Weblog
今回のぼちぼちおやつどきは「アンズのココアケーキ」。
アンズは梅に似た白または薄紅色の花で、可憐に春の訪れを告げます。種子は咳止めの漢方薬「杏仁」。干しアンズは、ミネラル・食物繊維などが凝縮され、生より高い薬効があって、がん・貧血・便秘・老化の予防や疲労回復に有効。あんまりよおけ食べたら吹きでもんがでることもあるんで気ぃつけましょう。干しアンズは出来れば漂白してへんもんを選んでください。

ココアはカカオ豆を煎って皮をとってすりつぶし、相当量のカカオバターを除いて(脱脂)、粉状にしたもんです。ココアを飲用にしたんは、オランダのバンホーテン社です。

さて、百貨店ではバレンタイン商戦真っ只中。2月14日は、ローマ時代のキリスト教殉教者ウァレンチヌス(英語名バレンタイン)の祝日。
一説には、皇帝クラウディウス2世に司祭ウァレンチヌスが処刑された日とされてますが、贈り物をする慣わしは元来ウァレンチヌスとは無関係でローマの豊穣祈願祭ルペルカリアと関連したものとも言われてます。
女性が男性に愛の告白をしてチョコレートを贈るという習慣は日本だけのもんやそうですね。

【鰯】

2015-01-30 | Weblog
鰯いうたら普通真鰯のことをいいます。実に素朴な味わいの魚で、獲れたてやったらお造りもええし、酢味噌やつみれにしたり、しっくりと炊いたりもしますけど、やっぱり塩焼きに大根おろしをたっぷり添えたんが一番でしょう。

片口鰯は、稚魚は白子干しやお正月に欠かせへん祝肴のごまめに、成魚は13~14cmと真鰯や潤目鰯と比べたら小ぶりで、目刺し・煮干しにします。

潤目鰯は、干物が珍重され、鯖節や宗太節と合わして、おうどんやおそばのお出汁をひいたら美味。天日で干した丸干しは磯の香りの中に日溜まりの匂いがします。平安時代の延喜式に乾いわしの名が見られ、昔から日本人に親しまれてきた魚です。

【底冷え】

2015-01-28 | Weblog
昨日は春の陽気であったかい一日でしたけど、今日は打って変わって京の底冷え。雪もチラチラ降ってきました。

季節は晩冬 大寒の次候 七十二候は以下の通り。
◇大衍暦・宣明暦「鷙鳥勵疾(しちょうれいしつす)」=鷹や隼などの荒々しい鳥が、空高く速く飛び回る時節
◇貞享暦「水沢腹堅(すいたくあつくかたし)」=寒さで沢に氷が厚くはりめぐらされる時節
◇宝暦暦・寛政暦「水沢腹堅(すいたくふくけん)」
◇略本暦「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」
◇上田秋成「寒梅開(かんばいひらく)」=早咲きの梅が咲く時節

一年で最も冷たい砌、うららな春の訪れが待ち遠しいです。

【初不動】

2015-01-28 | Weblog
毎月28日はお不動さん。1月28日は初不動で各地の不動尊にたんと参詣に行かはります。

不動明王は大日如来の化身で五大明王の主尊。怒りの形相をしたお不動さんは右手に降魔の剣、左手に縛の縄(羂策)、背には火炎光背、岩の上に座って、一切の煩悩を焼き払い、魔を鎮め、長寿を与えてくれはります。

本日、一乗寺の狸谷山不動院では、三回の大護摩供養が行われ初護摩が焚かれます。長い青竹に入った御神酒をいただいて、長寿 厄除け 無病息災を祈念します。

【にしんそば】

2015-01-27 | Weblog
カチコチの身欠きにしんをもどして、本日7~8時間かけてジックリと炊き上げました。

にしんそばのお出汁は、宗太節・鯖節・潤目鰯の丸干し節をブレンドして、真昆布とともに煮詰めてひいたんを用い、そばは信州更科。

明日から一週間、京都高島屋の「きょうの味どころ」。献立は京野菜を中心とした懐石料理で、永楽焼をはじめとする京焼、時代の蒔絵などに盛り込みます。にしんそばも供しますんで、ぜひともお楽しみくださいませ。

【伝承京料理勉強会】

2015-01-26 | Weblog
今日は平成27乙未年 初めての伝承京料理勉強会です。
内容は以下の通り。

〇菊菜の胡桃和え
〇糟汁
〇鰤照り焼き
〇海老芋の蟹餡かけ
〇千枚漬・壬生菜・奈良漬
〇河豚御飯
〇苺のムース・ストロベリーティー

鰤は伊根の寒鰤、旨味とされるヒスチジンはアミノ酸の一種。天然もんは顔つきが精悍で身体はシュッとしてスマートです。

河豚は活けの虎河豚を用い、おろしてからも2時間くらいは身はピクピク動いてます。アラでとった出汁にお昆布と針生姜を入れてお米を炊いて、吹き上がってきたら皮と身を加えます。

野菜類や苺などは全て京都のもんを用い、漬けもんも全て手作りです。

脈々と受け継がれてきた伝承の料理は、時代の流れとともに少しずつ進化を遂げ現在に至ります。

いつも受講者の皆様方には、ご遠方よりお運び賜り、誠に有り難く存じ心より感謝申し上げます。

【初天神】

2015-01-25 | Weblog
毎月25日は「天神さん」。菅原道真の命日に因む天満宮の縁日で、1月25日は「初天神」です。

周知のとおり道真公は学問の神として崇められ、合格祈願によおけの人がお参りにきはります。

「天神」は菅原道真の神号で、北野天神が創建され、道真公を祭神とする天満宮を天神といいます。

菅原道真は左大臣 藤原時平に妬まれて大宰権帥に左遷され、その地で没しました。間も無く京で雷電・天変地異がよお起こったんで、非業の死を遂げた道真公の怨霊が天に響いて雷電を起こしたにちがいない、人々は道真公の祟りやと怖れました。朝廷は慰霊に尽力し、以後、道真公を火雷天神とする信仰が起こり、いつしか天神は文道の大祖として祀られるようになりました。

初天神は仰山の露店が並んで、ものすごい人出となります。

【二の寅】

2015-01-25 | Weblog
1月24日は二の寅にあたります。

もともと十二支は、十二か月の順序を示す数詞でした。
中国の夏・殷・周 それぞれの時代で正月は異なります。
夏は立春に近い「寅」、殷は「丑」、周は冬至を含む「子」を正月としました。三つの正月で「三正論」といわれてます。
漢時代以降は、夏の正月建寅(立春正月)が採用されて現在に至り、日本の旧暦においても正月は寅月。

寅は、虫ヘンに寅と書く「うごく」の意をもち、草木が春の初めに芽吹き成長する状態を表し、旧暦において一月は立春の季節となります。

日本において寅の日は、「虎」にかけて「千里行って千里戻る」ことから、婚礼の忌み日、旅の出発日には吉日にあたるとされました。

【おやき】

2015-01-23 | Weblog
今回の‘ぼちぼちおやつどき’は「おやき」です。

「おやき」は信州の郷土料理で、小麦粉をねって厚手の鍋で焼いてから蒸したもん。皮の材料・中に挟む具・大きさ・形など実にさまざまです。

残りもんのおかず、たとえば「菜っぱと豚肉の炊いたん」や「きらずいり(おからの炊いたん)」や「せんぎり(切り干し大根の炊いたん)」なんかを包んでも美味しいですし、カボチャやお芋さんやえんどう豆・一寸豆(そら豆)の餡でおやつがわりにしてもええですね。

生地は中力粉をもちいても、薄力粉と強力粉を合わせてもOK。生地を寝かすことでしっとり落ち着いてあつかいよおなますし、モッチリと仕上がります。

【生活の炭】

2015-01-22 | Weblog
小学生の頃、学校には‘だるまストーブ’があって、その日の当番が石炭をくべてました。給食の食パンを上にのせて焼いたんはほんまにおいしかったです。石炭は太古の植物が地下にうずもれて、地熱と地圧によって分解して炭化した岩石です。

冷たい時分には、よおお母ちゃんが焜炉に炭団を入れ、鍋をかけて善哉を炊かはりました。

炭団は木炭の粉にコークスや無煙炭の粉を混ぜて、布海苔やデンプンなどを粘結剤として球形に固めたもんです。一定の温度を一定時間保つ性質があるんで、とろ火で長時間煮炊きするのに重宝したんですね。土製のこんろ七輪は「七厘」とも書きますけど、これは食材を煮たり焼いたりするのに炭の価格が七厘で(安く)すむこという意味です。燃料に用いる練炭は、無煙炭・木炭・コークスなどの粉を石灰・パルプ廃液・布海苔なんかを結合剤として円筒形に練り固めたもんで、燃えやすうするために縦に10本前後の穴があいてます。練炭の一種で鶏卵大の豆炭というのもあって、行火や焜炉や炬燵などに用いてました。

小店ではお香を焚くこともあって、火入や手焙や火鉢などに毎日お炭を入れてます。
昔は大抵の家で火鉢があって、鉄瓶にお湯がたぎってましたけど、これらの燃料は風通しのええ家でないと使えへんので、時代の流れとともにあんまり見かけへんようになってしまいました。