京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

夏越祓(なごしのはらい)

2009-06-30 | Weblog
今日水無月晦日(みそか)は、ちょうど一年の半分の節目の日にあたり、京都の各神社で夏越祓の神事が行われ、茅輪(ちのわ)をくぐって半年間の穢(けがれ)を祓い、残り半年間の厄除や無病息災を祈願します。
京の町は、明日文月朔日(ついたち)から晦日まで祇園祭一色となります。

古清水(こきよみず)

2009-06-29 | Weblog
一般的に江戸時代中頃迄に、京都で焼かれた陶器を「古清水」と呼びます。肌色の貫入の入った地釉に青と緑に金彩を加え、七宝や青海波などの有職文様と草木を施したものが多く、落ち着いた色調で時代が漂っており、ぼくはとっても好きです。
印銘は、江戸時代初期には「粟田口」「岩倉」「音羽」「清水」「清」「清閑寺」「御菩薩池(みぞろがいけ)」、後期には「岩倉山」「錦光山」「帯山」「宝山」などがあって、時折骨董屋さんで目にする度に、実に京都らしい焼物やなぁと感じます。

「柴漬け」

2009-06-28 | Weblog
今日は柴漬けを仕込みました。うちの柴漬けは塩分が少なくサラダ感覚でいただくような感じの実にさっぱりしたもんです。
胡瓜・茄子・青唐・茗荷・生姜、全て地の野菜を用います。野菜は乱切りし生姜は薄くへぎます。これに藻塩をまぶし三日間程重石をかけて塩漬けにし、上がってきた水けをきって、伝承の調味液に浸しておきます。翌日から美味しくいただけて、結構日持ちもするのですが、5kg程仕込んでも一週間も経たないうちに無くなってしまいます。
蒸し暑いときでも、このあっさりと漬けた柴漬けは、なんぼでも食べられて最高です。

出版記念祝賀会

2009-06-27 | Weblog
今夕は、ホテルオークラ神戸の平安の間で開かれた、吉田泰巳(ひろみ)先生の「花かぶきの美学」(淡交社)出版記念祝賀会に参席させていただきました。
かなり盛大な会で先生のいけ花はもちろんのこと、親しみ易く面白いお人柄に魅せられた多くの方々がお集まりでした。
少し早めに着いたので、先生と久しぶりにしばらくお話させていただきました。豪快かつ愉快でもって繊細なお心遣いは、以前と些かも変わっておられなかったです。
兵庫県知事、神戸市長をはじめ、錚々たるお歴々が御祝辞を述べておられました。
吉田先生の御挨拶もいつも通り実にユーモラスで楽しく聞かせていただきました。
先生も御歳七十。神戸ビエンナーレ2009総合ディレクターはじめ様々な方面で御活躍ですが、御無理なさらずにじゅうぶん御自愛の上、いつまでもお元気でいて欲しいなぁと心より願っております。

‘必携ハンドブック’

2009-06-27 | Weblog
里文出版より、日本の文化がよくわかるシリーズ「必携 茶の湯 ハンドブック 辻宗龍 編」が刊行されました。
九流派の歴代家元について、花押と共に解説があります。茶の湯人物名鑑や歴代楽家・永楽家を始めとする主な陶工名鑑、歴代中村宗哲家を始めとする主な塗師・蒔絵師名鑑、主な釜師名鑑などもあります。茶道具・懐石・茶室・露地に関する用語の説明。禅語・茶掛全般に関する説明。月毎の茶の湯歳時記、………等々茶の湯に関するあらゆる事が満載です。
とにかく持っていると大いに役立ち、大変重宝する一冊なのです。

“こち”

2009-06-27 | Weblog
ぼくは、夏の白身魚で「こち」を好んで用います。あらいは如何にも涼しげで、サッパリといただけますし、お椀にしてもまた、ええもんです。
あんまり小さいのより、大きめのが身が締まって美味しいですね。まず三枚におろしてから、かまを外し腹骨を削ぎ取ります。適当な大きさに包丁して、アラと共に塩をあてておきます。しばらくしたら、霜降りして冷水にとり、ウロコや血合いをきれいに除いて、水けを切っておきます。鍋に昆布を敷いて、こちの身とアラを入れ水を張ってお酒を加え火にかけます。丁寧にアクをとりながら、途中で昆布を引きあげ十五分程炊いて、お加減を整えます。身をお椀に盛り、だしは濾してはります。細く打った針葱を洗って絞り、たっぷりフワッとのせ、露生姜をちょこっと入れます。お椀の蓋に露を打ってお出ししましょう。
酒蒸しや塩焼、煮付けにしても美味しいお魚です。
頭の両側にある身は「こちの頬身」と呼ばれ、絶品と言われています。

腰痛

2009-06-24 | Weblog
今日は、ぎっくり腰で動けへんようになってしまい往生しました。
いつも前かがみの姿勢で仕事をしてますので、疲労がたまると時折なることがあります。何とか家にたどり着いて湿布を貼りサラシを巻いたものの、なかなか起き上がれず、冷蔵庫や雪隠まで辿り着くのにさえ難儀するほどです。とんだ誕生日となりました。

牡丹鱧

2009-06-23 | Weblog
今日は500~600gの鱧を20本仕入れ、葛たたきにしました。骨切りしたのを適当な大きさに切って、薄塩をあて、しばらくおいてから、骨切りした身の一枚一枚に刷毛で葛粉を打っていきます。これが、結構大変で肩がこってカンカンにつまってきます。
鱧の他に、甘鯛も大きいのが10尾あって、終日仕込みに追われたなが~い1日でした。
鱧の頭を割って、中骨と共にこんがり焼いてから、コトコト煮だして、先程ようやく鱧のおだしをとって終了です。

御家庭の料理

2009-06-22 | Weblog
今日の料理教室は、つくね芋羹、鱸の椀盛、焼鮎、桂瓜昆布押し、茄子煮浸し、新甘藷御飯、水無月豆腐、薄茶です。
うちの料理教室では、料亭の仕事を御教授するのではなくて、デパートやスーパーなどでも入手できる素材を用いて、実際に御家庭で作り易いようにレシピを考えてレクチャー致しております。
受講者の皆さんには、御家庭で熱心に実践していらっしゃいますので、とてもやりがいがあり嬉しく思います。
本日も皆さん、大変お喜びいただきまして、幸いに存じ御礼申し上げます。また、毎回ご参加いただいております方々には、いつも心より感謝いたしております。
合掌

50の料理

2009-06-21 | Weblog
若い頃は、休みなしで朝早ようから夜遅うまで、クタクタになるまで頑張っても大丈夫でしたが、50にもなりますと、さすがに体力的にキツうなってまいりました。
近頃、ようやく京料理の奥深い味わいなんかが、少しだけわかってきたように思います。
日々運動もしもって、いろいろと体調管理もせなアカン歳になってきたなぁと考えます。
明日は、夏越しの祓いがテーマの料理教室です。ぼくが今まで身につけたもんが、御家庭での一助になればと、毎月二回続けております。