京料理 道楽のブログ

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和の料理

2009-06-07 | Weblog
もともと『食』とは生命を維持するためのものですが、和の料理には、季節感が漂い、詩が聴こえ、絵画があります。
屋形の佇(たたず)まい、庭、部屋の雰囲気、掛け物、花、お香なんかを楽しみもって、料理をいただきます。
陶磁器や漆器、それらと料理との調和を目で楽しみ、料理の香り・食感・味覚・献立の流れ全てを味わいます。
料理を拵(こしら)えるときに用いる道具たちには、それぞれの役割つまり使命があり、陶磁器や漆器にもまた使命があります。勿論それらに生命は無いのですが、水に浸けておいた楽や焼締めの器をサッと拭い、料理を盛りつけたときに、新たな命が吹き込まれます。食材そのものも生命は無くなったかも知れませんが、料理され器に盛りつけられる事で、生まれかわり新たな命をうけます。
ぼく自身も、料理家という役割・使命を果たすべく日々精進しております。