京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【食の体感キャンペーン】

2015-03-30 | Weblog
昨日は【食の体感キャンペーン 和食の真髄を体験!京の老舗料亭による料理教室】にて講師をやらせていただきました。

京都中央市場による年一回の開催で、応募者の方々の中、抽選でご参加いただいくキャンペーンです。

場所は、中央市場内のあじわい館です。朝9時からの開催にも関わらず、たくさんの方々がお出座しくださり、厚く御礼申し上げます。

〇芽ひじきと三度豆の白和え
〇山城筍の若竹汁
〇目鯛と蕗と桜人参の炊き合わせ
〇五目ごはん・香の物

以上のメニューで、ぼくが筍掘りなどのお話を交えながら、デモンストレーションをした後、参加者の皆様に作っていただき、お召し上がりいただきました。

食後の質疑応答にもたんとご質問賜り、皆様のお楽しみいただいた御様子に、安堵致すと同時に、嬉しく有難く思いました。

今後とも機会がございましたら、季節の食材のお話や料理レシピをお伝えしてまいりたいと存じております。

【桜】

2015-03-29 | Weblog
川端沿いの枝垂桜が満開となりました。鴨川に沿ってズラリと並ぶ枝垂桜は圧巻の眺め。自転車で毎日通る度に、陽当たりのええとこから日毎に蕾が膨らみ、一気に開花し、サッと散って葉桜となる。その時々の姿に大いに感動するんです。

枝垂桜は別称糸桜ともいうて、平安の昔からその優美な姿態は大層好まれ、歌に詠まれ、絵に描かれてきました。
利休が秀吉を招いた際に、釣舟の花入に糸桜の大枝を入れ、一畳半の席いっぱいに垂らしてあったと言われてます。そこには、心震える空間が存在したことでしょう。

茶席には、桜は用いないとされてますが、なんとゆうても昔から国花として日本人に愛されてきた花、わずかの期間のみの美しさゆえ、ぼくは茶席以外では、時折用いるようにしてます。

古事記には、天孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と木花之佐久夜毘売(このはなのさくやひめ)とが結ばれる話があります。

日本人は、心はずむ満開のときから、散りゆく儚さ寂しさまでも心に受けとめます。これは、日本人の心の奥で古くから受け継がれてきた特有の美意識なんですね。

【最終回 感謝】

2015-03-27 | Weblog
今回のぼちぼちおやつどきは胡麻のブランマンジェです。
フランス語で「白い食べ物」を意味するブラン・マンジェ。本来は、アーモンドを用いますけど、胡麻には質のええたんぱく質がたんと含まれていて薬効も高く、おすすめです。

“週間トマト&テレビ京都”での連載も、今回をもって最終回となりました。

「道楽料理外伝 うちでの料理」を2年間、「飯田知史のぼちぼちおやつどき」を半年間、2年半に渡り務めさせていただきました。

「大切な食のひとときと健康維持」をテーマに掲げ、美味しく、ご家庭で作り易く、平行して食材に含まれる栄養面・薬効についてもお伝えしてまいりました。

読者の方々より、時折お便りを頂戴致しましたこと、大変心強く、大いに励みとなりました。

長きに渡り、御愛読いただきました方々には、只々偏に心よりお礼申し上げます。

また、京都新聞出版センターの岡本様、村岡様、カメラマンの山下様、関係者の皆様、連載にご尽力くださり、誠にありがとうございました。

【桜餅】

2015-03-21 | Weblog
今回の‘ぼちぼちおやつどき’は「桜餅」。

桜餅は、上方と関東では作り方が違てます。
上方の桜餅は、道明寺粉で作った餅で餡をくるんで、桜の葉で巻いたもん。関東のは、小麦粉の焼き皮で餡をくるんで、桜の葉で巻いたもんで、江戸の桜の名所、隅田川堤のねきの長命寺が発祥とされてます。

道明寺粉とは、水に浸けといたもち米を蒸してから、乾燥さして干飯にし、小そう割ったもんで、目の粗さで分けられてます。

作り方のポイントは、砂糖と塩は、少しずつ加えて、均等に行き渡らせること。
あと、桜の葉っぱの軸の固い部分を切り取ってから包んだら、皮ごと食べても口に残らしませんね。

【お彼岸】

2015-03-19 | Weblog
本日は「彼岸の入り」。毎年、春は3月18日か19日、秋は9月20日か21日で、4日目が「彼岸の中日」、所謂「春分の日」「秋分の日」です。7日目が「彼岸の明け」となります。
「春分の日」「秋分の日」は、太陽が真西に沈むので、西方浄土と関係づけられたとされてます。彼岸の中日は、昼と夜の長さが同じで、春のお彼岸は、この日以後昼間が段々長おなっていって、夏至が最長となります。

お彼岸の名称は、仏典の「波羅蜜多(はらみつた)」という梵語を漢訳した「倒彼岸」に由来するもんで、「生死の此岸(しがん)を去って涅槃に至る」というて、現世の煩悩から解脱し生死を超越した涅槃の世界へ至るという意味。

なお、彼岸会は崇道天皇の霊を慰めるため、大同元年806年より始まったとされてます。

【金魚玉図】

2015-03-16 | Weblog
本日、高島屋に行った際に、7階グランドホールで開催中の「細見美術館 琳派のきらめき」に行きました。

宗達・光琳の合作も数点あり、抱一と其一、その弟子達、そして神坂雪佳の「金魚玉図」の実物を初めて拝見しました。

宙に浮く硝子鉢の中の金魚と真正面に向かい合う構図の掛軸です。太陽の光と水の揺らめきが金魚に映って、妙にリアルで、ユーモラスで、不思議な感覚に包まれました。
周りの釣忍ともちょっと重なって、表装には葦簀の柄が描かれ、如何にも涼しげです。

尾形光琳と俵屋宗達から始まった琳派。今年で400年を迎え、京都の至る所で琳派に纏わるイベントが開催されてます。

【のどやか】

2015-03-13 | Weblog
【古池や 蛙飛びこむ 水のおと】

〈春ののどかな午後、静寂(しじま)の中、古池に蛙が飛び込んで、突然「ポチャン」と音が聴こえ、また元の静けさに戻った。〉

蛙の鳴く声ではなく、水に飛び込む音に美を見いだし詩情をもたせた、ご存知の芭蕉の画期的な名句です。

【春の海 終日(ひめもす)のたり のたり哉(かな)】

〈うららかな春の日差しを受けて、海がのたりのたりとうねっている。〉

ゆったりとのどやかな春の海を見事に表現した、与謝蕪村の名句です。

昨日、寝台特急トワイライトエクスプレスが札幌駅を発ちラストラン。本日、大阪の河川敷には無数のカメラ、JR大阪駅に集った年齢 性別を問わない、ものすご大勢のファンに見守られ、25年の歴史にピリオドを打ちました。多くの人々が様々な想いを胸に、最後の別れに感慨深く涙したはりました。

これまでの数十年、新幹線・リニアモーターカーなど、速さ、利便性、収益を追及してきた鉄道ですんで、車窓の景色を眺めながらのゆったりとした旅は、忙しい現代人の心にふかぶかと染み入るもんがあったんですね。
今後も九州の‘ななつ星’のような、豪華で優雅な高額観光列車が続々登場するようです。

ただいま、大相撲春場所が大阪で行われてますけど、館内に流れる時の流れは、実に心地のええもんです。

あわただしい日々、時間がゆったりと流れてた清貧な良き時代が、懐かしく味わい深く思われます。

【りんごのコンポート】

2015-03-12 | Weblog
日本でコンポート言うたら、果物をシロップで炊いたんのことです。

江戸時代、「煮梅(にうめ)」という料理があって、料理書によっていろんな作り方がありますけど、その一つに、梅干しの塩を抜いて砂糖と酒で甘お炊いたがあります。ぼくは、これが日本のコンポートの始まりやないかと考えます。

リンゴ・ビワ・モモ・イチジク・洋ナシなど、季節の果物を使おて作るんですけど、まだ熟れてんと硬いもんや、甘さが足らんもんでも大丈夫。ワインは赤でも白でもええし、ワインを多くしたら日持ちがよくなって、清潔な容器に煮汁ごと入れて冷蔵庫に入れといたら、1週間ほどは美味しく食べられます。

作り方のポイントは、煮崩れへんように紙蓋をして弱火で炊くこと。ショ糖含有量が多い白双糖やグラニュー糖を用いたらサラッとした甘さとなり、アクを丁寧にすくいとることで、色よくクセのない味わいに仕上がります。煮汁ごと冷まして、半日ほど味を含ませてからいただきましょう。

【啓蟄】

2015-03-10 | Weblog
3月6日は二十四節気の啓蟄でした。
冬の間、土中で冬籠もりしてた虫たちが、穴のふたを開いて出て活動を始める時分 という意味です。昔は、春雷の音にびっくりして虫が這い出してくると考えてたようで、「虫出しの雷」と言われてました。

またこの日は、まんまるのお月さんが、ものすご綺麗で、実に詩的で趣深い光景でした。

本日3月10日は、日本列島が猛烈な寒さに被われ、京都も冷たい風が吹いて、雪が降りました。低気圧が台風並みに発達した為やそうです。

【御手洗団子】

2015-03-06 | Weblog
今回の‘ぼちぼちおやつどき’は「御手洗団子」です。

下鴨神社の御手洗社(みたらししゃ)で行われる御手洗祭は、土用の丑の日に行われる例祭。境内の御手洗池に足をつけて、罪や穢れを祓(はろ)て、万病を水に流し、無病息災を祈念する神事です。

その際、厄除けに人形(ひとがた)を模して、米粉の団子を五つ竹串に刺し、あまじょっぱい餡を絡めたもんを境内で売ったんが、御手洗団子のはじまりでその名の由来です。