京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【アユ獲れない】

2017-05-30 | Weblog
琵琶湖のアユが記録的不漁ということで、安曇川町の人工河川に放流する親アユの量を例年の2倍の18トンに増やすそうです。

今秋の産卵ですんで、来季以降の資源量確保を目指すこととなります。

不漁の原因は、外来魚や水温・水質の変化などいろいろと考えられます。

京料理では、ハモと並んで夏場に最も用いるお魚です。塩焼をはじめ、アユ寿司・お造り・煮浸し・アユ飯・揚物 などなんせよお使いますね。

先代より、昔は琵琶湖の湖岸が、アユで黒おなるくらいやったと聞いてます。

これ以上、生態系が崩れんと、いつまでもホンモロコやビワマスやウナギ、イサザやタニシが獲れる琵琶湖であってほしいと願ってやまないのです。

【小満】

2017-05-22 | Weblog
「純陽気満ちて万物充満し草木枝葉繁る大満と云はず小満と云へるは万物充満する初め故なり」万物がしだいに長じて、天地に満ちる始まりの頃なので「大満」とは云わずに「小満」という。

今日はものすごくええお天気でした。オークスもパンパンの良馬場。ソールスターリングやっぱり強かったですね。

板場は火を使い出したら、えらい暑さになります。
お昼と夕席の間に、お風呂に入らんとアカン季節。朝と夜と合わせて三回汗を流さんと、気持ちわるい時節到来で、洗濯機・乾燥機もフル稼働。

五月場所、白鵬・日馬富士が中日で勝ち越し、稀勢の里もケガの影響か心配な出だしでしたけど、なんとか二敗で続いてます。いつも大阪場所は観に行くんですけど、先場所は久しぶりの日本人横綱登場で大いに盛り上がって、二回出向きました。名古屋も行ける時は、なるべく行くようにしてます。

食材も夏のものとなり、本日は今年初めて鱧をやりました。新蓴菜と牡丹鱧の煮物椀。お造りもフッコやアコウを洗いに。胡瓜もみやおなすやオクラも献立に加えました。

今からこの暑さやと、この先えらいことですネ。

【味覚形成】

2017-05-15 | Weblog
食べ物に関する嗜好は、幼小期に食べるものによって大きく影響されます。

濃厚な味付けのものばかりを食べてると、素材本来の旨味を引き出す薄味の料理は水くさいと感じるし、化学調味料の味に慣れていたら、それがないと頼りなくなります。

鯛もかしわも養殖しか食してないと、天然鯛や地鶏の肉をいただくと、本来の滋味を味わう以前に、とても硬いと感じてしまうでしょう。

おそらく昆虫や爬虫類なんかも、幼い頃より食べてると、なんの抵抗もなく食べるでしょうし、苦手な食材にしても、最初に美味しく料理されたものを食べてたら、嫌いになることもなかったでしょう。

幼小期に口にするものが、その後の味覚を形成することとなるので、なかなか難しい時代ではありますが、子達にはなるべく安全でホンマモンの食材を、余計なものを入れずに食べさせてあげてほしいなぁと常々思います。

【あらめ炊き】

2017-05-09 | Weblog
今回の京料理勉強会では、あらめの炊き方についてあれこれお話いたしました。

あらめは、たんぱく質・カルシウム・リン・ナトリウム・カリウム・ビタミンA・カロテン・ビタミンB1 B2・鉄・食物繊維などの栄養素が含まれた大変優れた健康食で、京都では十日に一遍あらめを食べると病気にならないなどと言われるほど。

末広がりの八の付く日に、新たな良い芽がでるようにとの願いを込めていただきます。

【藤】

2017-05-02 | Weblog
「咲く花のしたにかくるゝ人を多みありしにまさる藤のかげかも」
伊勢物語百一段、在原行平が藤原良近を主客に招き、酒宴を催した際、三尺六寸(おおよそ50cm)の花房がある大藤をいけ、招かれた人達はこの見事な大藤を和歌や詩に詠みました。そこへ藤原業平が遅れて来て、詠んだ歌が「咲く花の…」です。
〈立派に咲き誇る藤の下に入り込んでいる人が多く、以前よりもさらに藤の花蔭が増している〉皆はけったいな歌と貶しましたが、藤原一族の栄華を見て詠んだと聞き、誰も謗(そし)らなくなります。

春日大社には藤原氏ゆかりの藤がたんとありまして、以前は毎年五月になると訪れておりました。

今年は鳥羽の水道局に行き、その見事な素晴らしい藤棚を目の当たりにし、感動です。

藤の花は、高潔にして秀麗、かつ高貴な色香を漂わせます。

「あゆ」

2017-05-01 | Weblog
新緑の頃、五月朔日は和歌山県有田川での、鮎釣り解禁日。

川によって解禁日はマチマチで、有田川を皮切りに五〜六月にかけて次々と全国の各川で鮎竿が並んでいきます。この長い竿の放列は、夏の風物詩ですね。

鮎は、古事記に登場するほどの昔から今日に至るまで、日本人に大いに愛され親しまれてきました。一年で生涯を終えるので「年魚」、苔を喰み特有の香り宿すので「香魚」などとも書きます。

生まれた鮎の稚魚は、海に下り沿岸部で冬を越し、三〜五月頃に群れを成して河川を遡上、下流では虫や甲殻類を食べ、上流に向かうにつれて石に付いた珪藻類を食するようになります。それにつれて歯の形も変化してきます。
縄張りを持つ鮎が、近づいてくる鮎を追い出す習性をうまく利用した「友釣り」は、日本独特の釣法で、太公望達の腕の見せどころ。

篝火を焚いて、飼いならした鵜に寄ってきた鮎を捕獲させる「鵜飼」も伝統の漁法。

鮎は、夏の京料理には欠かすことができないお魚で、背越し・姿寿司・山椒煮・焼き浸し・天婦羅・魚田・鮎ごはん・雑炊…いろんな料理にされます。そやけど、やっぱり塩焼きが一番ですね。

シュッとした姿、清麗な香りは、季節感を大切に暮らす日本人の嗜好そのもの。

鮎は、育った川によって味が全然異なり、全国でご当地自慢の鮎を楽しむ季節がやってきました。