京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【啓蟄】

2018-03-06 | Weblog
「艶陽の気に誘はれて諸虫地上に出ずるなり」
本日より十五日間が、二十四節気の[啓蟄]。そのあと[春分]、いよいよ桜の季節となります。

この時期は、花粉等々で大変ですけど、近頃は有効なお薬もあって、ほんまに助かります。

毎年の大相撲春場所観戦も楽しみですし、プロ野球の開幕も、もうじきですね。中央競馬も春のクラシック戦線に向けたレースが始まってますし、古馬たちのG1含めワクワクします。初めて本馬場へ行ったのは、テンポイント、トウショウボーイ、グリーングラス、たちが当時でいう四歳の時代。もう何十年も本馬場には行けてないですど…。

さて、料理は桜がテーマとなって、食材・器も含め、如何に春らしさを表現するかが焦点となります。

季節感やストーリーは大切ですけど、やり過ぎて、えずくろしい感じにならへんように気いつけて、常に'さりげなく上品に'を心がけて料理せなあきません。

【上巳の食】

2018-03-06 | Weblog
上巳の節供は三月三日ですけど、京都では旧暦でしはるとこもございます。
今年は四月の十八日が旧雛祭り。

お雛さんの日の食卓には、蛤のお汁、赤貝・鳥貝のてっぱい、蜆の炊いたん なんかの貝類をいただいて、笹がれえの焼いたん、だし巻き、かまぼこ、ばら寿司 なんかが並んで、「ひちぎり」というお菓子をいただきます。

今回の伝統料理勉強会は、
〇ぼんぼりの蓋物に粟麩の赤味噌と蓬麩の白味噌田楽の二種に桃枝を添え

〇口取は黄交ちの菱皿に、菱餅豆腐・出汁巻き・筏白魚雲丹焼き・蕗の薹衣揚げ・タラの芽・一寸豆・大白豆・捏芋桜羊羮・花びら百合根・かしわ八幡巻き を盛り込み、蛤の香合に車海老・螢烏賊・蛇腹胡瓜の黄身酢かけを盛りました。

〇螺鈿桜椀には、鯛に道明寺をきせかけ、桜の葉で包んで蒸し上げて餡かけにし、蕨を添え、桜の花・花びら独活を散らし、山葵を添えた「桜蒸し」。

〇春告魚と山城竹の子の炊いたんに蕗と桜麩を添え、木の芽を香りに。赤絵蓋物に盛り合わせました。

〇お漬けもんは萩焼手塩皿に菜種漬、菜種を一晩昆布押しにしたもんです。粕汁は蕗の薹蒔絵椀に芹をたっぷり添えて。

〇ご飯は、穴子蒸し寿司。寿司飯には椎茸・蓮根・牛蒡・金時人参・煎り胡麻を混ぜ、たっぷりの錦糸玉子と穴子の炊いたんをのせ、絹莢を添えました。

〇水物は、硝子器に莓ムースとマンゴームースとレモンゼリーを層に重ねて流し、サンドマングカカオのチョコレートとミント添え。

床は雛祭りに沿う掛物。桃と菜の花を信楽焼の手付花入にいれました。