京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《八十八夜》

2012-04-30 | Weblog
「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る」
立春から数えて八十八日目の雑節“八十八夜”は、例年なら五月二日ですが、閏年の今年は二月が一日多い分、五月一日となります。
「八十八夜の別れ霜」といわれるように、芽を出して成長を始めた作物に、遅霜の注意が必要な時期とされてます。

《晩春から初夏へ》

2012-04-27 | Weblog
筍も名残の時節となり、本日は山城の白子の筍を20kg茹でました。筍も名残の時節となり、春の象徴の筍を仕込むのもあと僅かです。

このところ、暑いくらいの気温が続いており、八百屋さんの店先には、花山椒・枝豆・新生姜が出始めて、果物も枇杷・さくらんぼ・マンゴー・西瓜なんかが店先に並び、いよいよ初夏の雰囲気となってまいりました。

《料理教室・花見》

2012-04-23 | Weblog
「先付:車海老 紋甲烏賊 独活の木の芽和え」
「椀盛:あぶらめ 胡麻豆腐 蕨 花びら独活 葱 露生姜」
「焼物:厚焼き玉子」
「煮物:はまちおろし煮 菜種」
「和え物:芽ひじき 空豆の白和え」
「香の物:白菜人参巻 昆布」
「小吸物:袱紗仕立 湯葉 蓬麩」
「御飯:筍飯 三つ葉」

以上が本日の料理教室御献立でした。
参加人数も少なめでしたので、ゆったりとレクチャーでき、どれも大変お喜びいただき、熱心に沢山のご質問を賜り、嬉しく思います。

料理教室終了後、造幣局の通り抜けに行ってきました。毎年欠かさず往ってますが、今年は最終日となってしまいました。
天満橋から京橋までのライトアップを通り抜けた後、ぎょうさん並んだ屋台で、人気のB級グルメなんかをあれこれ食べながら、賑やかな電飾を放つ舟が行き交う川を暫くボーっと眺めて、只今京阪電車で帰宅途中です。

通り抜けの花見は、葉桜となってる樹も結構あって、里桜の一種「関山」などの牡丹桜が多い中、「数珠掛桜」がかっこよかったですね。
一重桜はほとんど散ってましたが、「鍾馗」というやけに気品のある品種が、はんなりと咲いてるのがとても印象的でした。

《真味倶楽部》

2012-04-22 | Weblog
昨日夕方は、真味倶楽部でした。

先付=丹後の鳥貝と赤貝のてっぱい。
前菜=蟹小巻卵・小松菜のおしたし・車海老トリュフチーズ射込・鴨ロース・帆立貝昆布〆・アスパラ味噌漬・一寸豆艶煮・鶉付焼き・蒸し鮑・南京茶巾・オクラ・飯蛸・蛇腹胡瓜・海胆しんじょ・鯛の子・唐墨・干無花果・凍蒟蒻・蓮根黄身詰め・諸子・人参葡萄酒羊羹・湯葉・粟麩オランダ・土筆・烏賊蝋焼・スモークサーモンキャビア巻・炙りこのこ
造り=明石鯛・戸井黒鮪とろ・淡路あぶらめ 菜種 岩茸 山葵
椀盛=丹後ぐじ あおさ 蕨 花びら独活 木の芽
焼物=鰆巻繊焼 丹波大黒占地 万願寺唐辛子
炊合せ=塚原白子筍 にしん 蕗 桜人参
蒸し物=丸茶碗蒸し 丁字麩 葱 露生姜
香の物=紫蘇巻白菜 かくや 椎茸昆布
小吸物=胡麻豆腐 からし
御飯=生姜飯 三つ葉
水物=静岡メロン 紅ほっぺ マハチャノ
御菓子=渦巻ずんだ百合
薄茶

料理、器とも大変お喜びいただき、誠に幸甚に存じます。

《渦巻百合》

2012-04-19 | Weblog
道楽では、この時分のお菓子に、枝豆と百合根を裏漉して渦巻きにしたものを作ります。

これは、江戸時代の「渦巻百合」をもとに考えたお菓子で、渦巻ずんだ百合根というて、御好評賜ってます。

渦巻百合は百合根の裏漉しを四分六分に分け、六分を青海苔を混ぜ緑色にしますが、ぼくは緑色の部分に枝豆の裏漉したんを用います。
和三盆で上品な甘味を入れて、薄板(経木)に薄く塗り重ねて巻き込み、蒸し上げます。
冷めたら切って、緑と白色のきれいな渦巻きを上にして盛り付けます。

《舞鶴》

2012-04-17 | Weblog
昨日は舞鶴へ花見に行ってまいりました。
湾沿いに車を走らせ、海をバックにして立ち並ぶ桜並木を見つつ、先ずは近畿百景第一位の五老スカイタワーへ。上がらずに向かう途中の見処で、海と空のパノラマを楽しみます。

それから、早めのお昼に超新鮮な舞鶴湾の魚を存分に味わった後、エル・マールまいづるへ。

ここのプラネタリウムは、一日三回の上映内容が全て異なるのがええですね。昨日は他にお客さんが無くて貸切状態。司会のおねえさんと直接やりとりしながら、「スペースシャトル」と「舞鶴の星」と贅沢なひとときを二回楽しみました。
展望デッキに上がると、心地よい海風に吹かれながら眺める舞鶴湾。海自の艦が行き来する風景は、かなり素晴らしくて最高。

海軍記念館へ立ち寄って、夕方、吉田の枝垂れ桜を見に瑠璃寺へと向かいます。
近代歌学の祖と称される武将、細川幽斎ゆかりの樹齢三百年を超える枝垂れ桜。ライトに照らされ、その姿は闇夜に浮かび上がり、一種異様な雰囲気を醸しながら、物凄い迫力を放ってます。毎年、感動して身震いを覚えるほどの美しさです。

《お花見弁当》

2012-04-15 | Weblog
本日は、実に気持ちのええお天気となり、絶好のお花見日和です。

本日お昼前より、JR伊勢丹さんにて、道楽の行楽弁当を販売致します。

京都の筍や蕨や蕗を始め季節の御料理を35品程華やかに盛り込み、雅な京都らしいお弁当に仕上がりましたので、お花見のお食事にでも御賞味賜りますれば幸いに存じ上げます。

《板場》

2012-04-11 | Weblog
今から三十余年前の四月、某料亭の門をくぐり、丁稚として御厄介になりました。
大都会東京にそびえ立つビル群、スクランブル交差点、地下鉄網、物凄い人の波…驚きばかり。桜並木が美しかったです。

料理人の見習いとか板場修行とかいうカッコのええもんとは、ちょっとニュアンスが違って、やっぱり「丁稚」という言葉がピタッとくるように思います。
ぼくの丁稚生活いうのは、坊主頭で裸足で板場を駆けずり回ってました。働いてるというよりも、まさに「追い回し」。一日二十四時間、一年三百六十五日が「料亭の丁稚」という生き方そのものやったですね。

ほんまにいろんな事がありました。当時の恩師の言葉や厳しく辛かった生活は、今でもしっかりと記憶しており、鮮明に蘇ってきます。あの頃に鍛えられた精神が、ぼくの人生において魂の礎ともなっており、心より感謝しております。ただただ、がむしゃらにひたむきに頑張っていた貴重な歳月は、これからも決して忘れることはないでしょう。

《筍》

2012-04-10 | Weblog
京都には、最上質な筍の産地がいろいろとありますが、福知山城の北東にあたる報恩寺地区も、昔から孟宗竹の産地で、やらこうてエグミの少ない誠に美味しい筍の産地です。

今朝は福知山の報恩寺筍がたんと入荷しましたので、糠茹でして鍋のまま冷まし、そうじして一晩水に晒しときます。

明日、お酒を加えてお昆布と一緒にとろ火でじっくりと長時間煮含めて、薄口醤油で味を決め炊き上げます。

《料理教室》

2012-04-09 | Weblog
本日は料理教室の日でした。
「蛍烏賊酢味噌」「沢煮椀」「鯛田夫」「若竹煮」「ぐぢとろろ蒸し」「胡麻豆腐袱紗仕立」「ばら寿司」という御献立でした。
皆様、お楽しみいただけた御様子で、良かったと思います。

このところ、御世話になっておりました御方が、相次いで泉下に旅立たれ、気も沈みがちでした。
そんな中、とても嬉しいお知らせがありました。というのも、先日落とした財布が見つかったとの御連絡を高島屋外商さんからいただいて、下京警察署まで、受け取りに行ってまいりました。
早速、お届けいただきました御方には、御電話にて感謝の意をお伝えし、礼状を書き添えて心ばかりのお品をお贈りいたしました。

日本人も、まだまだ捨てたもんやないなぁ と改めて思いました。