デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

仙台学 2010年10号

2011-02-02 14:44:58 | 買った本・読んだ本
書名 『仙台学』2010年Vol.10
出版社 荒蝦夷

大好きな雑誌の記念すべき第10号。いつもと比べるとちょっとスリムになり、特集も「ようこそ「みちのく怪談」の世界へ」といつもとはちょっと毛色の変わったものとなっている。正直怪談ものは自分の性にあっていないので、わりと読み流ししたかもしれない。怪談コンテストを行っているが、怪談の定義とはどうなるのだろうと思いながら受賞作を読んでいた。それだけいろいろな切り口の作品が多かった。中学生ぐらいの時の愛読雑誌「ボーイズライフ」に1000字コント公募コーナーがあり、よく応募したものだ。起承転結をはっきりさせることがポイントだろう。そういう意味ではいい稽古の場であった。本屋さんの特集もあった。仙台学おなじみの聞き書きなのだが、出版業界が激変しようとしている真っ只中、いまは消えつつある街の小さな本屋さんの経験話の中に、なにか本が生きていく活路が見出せるのではないだろうか。ここでとりあげられている本屋さんを経営するのはお年寄りの方が多い、時代の激変を耐えるということではなく、対応しようとしているその前向きな姿に元気づけられたような気がする。考えてみたら小さな本屋さんこそ外商が腕の見せ所でもあったわけだ。思えばあれだけ本屋さんがあった仙台も、いまや老舗は金港堂だけになってしまった。丸善、紀ノ國屋、ジュンク堂と大型書店の進出で、タカヤマ、アイエ、宝文堂などの老舗が消えてしまった。いまの出版界と同じ寡占化が進んでいる。その中でこうしたここでとりあげられた小さな街の本屋さんの対応ぶりのなかに生き延びるための知恵が隠されているような気がする。
次号からはリニュアルするとのこと、楽しみである。

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