書名 「ニコライ遭難」
著者 吉村昭 出版社 岩波書店 出版年 1993
前半は皇太子ニコライが長崎に到着して、大津で津田に襲撃されるまで、後半はこの犯人津田の裁判をめぐって、ロシアとの関係悪化を危惧した内閣が死刑を要求するのに対して、あくまでも司法にのっとり裁判しようとした大審院や判事たちとの対立、葛藤を描く。意外だったのは吉村さんがこの事件をとりあげたきっかけとしているのが、津田三蔵の死の周辺という網走で発行された地方誌に発表された記事だということ。こんな小さな論文に目を留めるというのもすごいけど、それをもとに調べ尽くしているのには完全に脱帽。長崎に着いてからのニコライの小さなエピソードのビビットな積み重ね、刺青を彫ったこと、一晩ロシア人相手の料理屋で女性と共に過ごしたことなどがあとあと生きてくる。
ニコライは長崎に来航したとき、予備知識としてレザーノフ長崎来航のことはインプットされていたのだろうか、ちょっとそんなことも気になった。
著者 吉村昭 出版社 岩波書店 出版年 1993
前半は皇太子ニコライが長崎に到着して、大津で津田に襲撃されるまで、後半はこの犯人津田の裁判をめぐって、ロシアとの関係悪化を危惧した内閣が死刑を要求するのに対して、あくまでも司法にのっとり裁判しようとした大審院や判事たちとの対立、葛藤を描く。意外だったのは吉村さんがこの事件をとりあげたきっかけとしているのが、津田三蔵の死の周辺という網走で発行された地方誌に発表された記事だということ。こんな小さな論文に目を留めるというのもすごいけど、それをもとに調べ尽くしているのには完全に脱帽。長崎に着いてからのニコライの小さなエピソードのビビットな積み重ね、刺青を彫ったこと、一晩ロシア人相手の料理屋で女性と共に過ごしたことなどがあとあと生きてくる。
ニコライは長崎に来航したとき、予備知識としてレザーノフ長崎来航のことはインプットされていたのだろうか、ちょっとそんなことも気になった。
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