デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

「満洲の情報基地ハルビン学院』

2010-09-30 23:53:00 | 買った本・読んだ本
書名 「満洲の情報基地ハルビン学院』
著者 芳地隆之
出版年 2010年 出版社 新潮社
魅惑的なテーマではあったのだが、満洲という時代をも描こうとしたために寄り道が多くなり、焦点がぼけてしまった感じがする。
何故このロシア語専門学校ができたのかというところから語り起し、さらには卒業生の戦後の働きまで目配せをするとなると仕方がないのかもしれない。
これだけ時間が経てば、生き証人たちもわずかになり、そういった意味ではぎりぎりのところでまとめた証言だということはいえる。情報基地というタイトルに沿うかたちで書くのであれば、戦後の卒業生の多岐にわたる活動をもっと書き込みながら、過去に遡るみたいな書き方もできたのではなかったか?ちょっと肩に力が入り過ぎたような気がした。
拙著「虚業成れり」の時にお世話になった、神彰の満洲時代の上司上野破魔治さんが出てくるのだが、1940年ロシアとの国境満洲里駅の旅行代理案内所の主任をしていたという。そしてこの時例の杉原が許可したユダヤ難民たちが続々と押し寄せ、上野は彼らのパスポートにビザの印を押しまくっていたという。満洲を書いているのだから、満映のことを「甘粕正彦が設立した映画制作組織だ」と書いてはいかんと思う。ケアレスミスとはいえない、かなりやばいミスだと思う。
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