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今年もやってるやってる~

あの試合から30年(IBF/WBCジュニアフライ級:1994年2月19日)

2024年02月19日 05時40分15秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の今日にあたる1994年2月19日、米国カリフォルニア州で行われた試合結果です。
IBF/WBCジュニアフライ級戦(現ライトフライ級):
挑戦者ウンベルト ゴンザレス(メキシコ)判定2対1(117-113、115-113、114-115)王者マイケル カルバハル(米)

*この試合から遡ること11ヶ月。軽量級史上最高の激戦を演じた両雄が再び拳を交える事になりました。

(11ヵ月ぶりに再び拳を交えたカルバハル(左)とゴンザレス)/ Photo: KO Fight Posters

前回の試合では、カルバハルが2度ダウンを奪われ、ポイントでも大きくリードを許していました。しかし7回、「小さな石の拳」の異名を背負ったカルバハルは、その強打で大逆転劇を演じる事に成功。IBF王座の防衛回数を伸ばすと同時に、ゴンザレスが保持していたWBC王座も吸収。この時代の最強選手の一人である事を証明すると同時に、本場アメリカで軽量級のステータスをグッと上げる立役者という称号も手に入れています。

カルバハルはゴンザレス戦後行った2つの防衛戦も、順当にKO/TKOで勝利。一試合ごとにその名声を高めていました。カルバハルが防衛回数を伸ばす中、ゴンザレスも中堅選手相手に2連勝を飾り無事に再起路線を歩んでいます。ただ両試合とも大差判定勝利を収めたとはいえ、カルバハルと比べてしまうとどうしても「過去の選手」という地位に甘んじる事になりました。

11ヶ月前に行われた第一戦があまりにも激しかったため、その反動からかカルバハル、ゴンサレス共に慎重な立ち上がりを見せたこの再戦。スイッチヒッターのゴンザレスが、右構えのボクシングでアウトボクシングで丁寧に試合を組み立てていきます。

中々盛り上がらないこの試合。うっすらとではありますが、会場からは常にブーイングが聞こえるようになりました。そんな中3回、両者の頭部が激突するアクシデントが発生し、メキシカンが左眉のど真ん中を負傷してしまいます。4回にはドクターチェックが入るなど、挑戦者サイドには不穏な空気が流れ始めます。並の選手なら「いつ、レフィリーに試合を止められるのか?」と不安がるもの。しかし百戦錬磨のメキシカンは、精神的動揺など微塵も見せず、逆に自身の柔軟さ、幅の広いボクシングを展開していきます。

打っては離れ、打っては離れと、追い足の鈍いカルバハルを相手に見事なヒット・アンド・ラン戦法を披露。身長、リーチ共にライバルに劣る中、絶妙な距離感とポジショニングでカルバハルを翻弄していきます。ポンポンと回転の良い左右の連打でポイントを奪っていくゴンザレス。打ち合いに迫られる時もカルバハルを圧倒していきます。

第一戦のような激しい打ち合いは見られませんでしたが、ゴンザレスがその技術を如何なく発揮。判定は2対1と割れましたが、ゴンザレスのほぼワンサイドマッチだったといっていいでしょう。

約1年ぶりにWBC王座の奪回に成功すると同時に、新たにIBF王座も手に入れたゴンザレス。強さに加え、巧さも大いに見せつける結果となりました。

「チキータ(Chiquita)」という愛称で知られるゴンザレス。いつも不思議に思うのですが、チキータというのは小さな女の子/お嬢さんという意味です。小さな/小柄な男の子は「チキート(Chiquito)」の筈なのですが。

また米国には「Chiquita」という大手のフルーツ(特にバナナ)を扱う巨大な会社があります。この会社とゴンザレスは何ら関係はないようです。

(全米では超が付くほど有名な「チキータ」バナナ)/ Photo: chiquita.com

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