DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

「Best I faced」:ジュニア ジョーンズ(02‐28‐21)

2021年02月28日 05時27分04秒 | ボクシングネタ、その他雑談

*米国のリング誌が不定期的に行っている「Best I faced」というコーナーがあります。これまで自分が対戦した相手で誰が一番強かったか、というインタビュー形式のものです。特に引退した選手のものになると、その選手を含めた当時の記憶と記録が蘇るため、非常に重宝しています。

今回は1990年代中盤にバンタム級とスーパーバンタム級の2階級で世界王座を獲得したジュニア ジョーンズ(米)。初めて世界王座を獲得する前は、「軽量級のトーマス ハーンズ」と恐れられ、将来を期待された選手でした。IBFバンタム級王座を16度防衛したオーランド カニザレス(米)や、当時のスーパースター、マルコ アントニオ バレラ(メキシコ)を破るなど、随所にその強さを見せたジョーンズ。しかし思わぬ敗戦を喫したり、肝心な試合で白星を逃すなど、あと一歩何かが足りなかった選手でした。

(長く鋭い左(毒針)が得意だったジョーンズ)

「Poison(毒)」の異名を持ったかつてのスター候補生。ジョーンズは下記に挙げた各項目の名選手として誰を選んだのでしょうか。

ジャブの名手(Best Jab):
ケネディー マッキニー(米)。ジョーンズと対戦する以前に、IBFスーパーバンタム級王座を獲得し、安定政権を築いていた選手。ジョーンズとは1997年の師走に対戦し、ジョーンズを4回逆転TKOで破りWBOスーパーバンタム級王座を獲得しました。マッキニーはジョーンズ同様、スナップのきいたきれいなジャブを的確につく中々の選手でした。

防御の技術(Best Defence):
トム ジョンソン(米)。IBFフェザー級王座の11連続防衛に成功した名選手。1999年2月にジョーンズと対戦した時は、すでに無冠に。ジョーンズとはマイナー団体IBAのスーパーフェザー級王座を賭け対戦。その試合では、ジョーンズが明白な判定勝利を収めています。勝利を収めたジョーンズですが、ジョンソンはとても難しい対戦相手だったそうです。

頑丈なアゴ(Best Chin):
オーランド カニザレス(米)。バンタム級の最多連続防衛記録保持者。1996年3月にスーパーバンタム級のマイナー王座(確かIBCだったと思います)を賭け対戦しました。結果は2対1の判定でジョーンズが勝利を収めています。ジョーンズは何度もその強打をクリーンヒットさせたそうですが、カニザレスはケロッとしていたそうです。興味深いのはその試合で出された判定。二人のジャッジは118対111、117対111でジョーンズの勝利を支持しましたが、残る一人は119対109の大差でカニザレスの勝利を支持。この試合に関しては、うっすらと覚えていますが、試合内容はどちらに転んでもおかしくない接戦だった記憶しています。

出来れば「ジョーンズ対カニザレス」戦は、両者はバンタム級の世界王者だった時に実現させてほしかったですね。

パンチのスピード(Fastest Hands):
カニザレス。自分と同等のスピードがあったそうです。

足の速さ(Fastest Feet):
該当者なし。実戦、スパーリングを含め、思い当たる選手はいなかったそうです。ちなみにジョーンズは、フットワークを駆使するスタイルのボクサーではありませんでした。

賢さ(Smartest):
エリック モラレス(メキシコ)。1998年9月に対戦。マッキニーにWBO王座を奪われた後、3度目の世界王座獲得を目指し、モラレスの保持していたWBCスーパーバンタム級王座に挑戦。当時、一戦ごとに評価を高めていたモラレスから見ると、ジョーンズは名前のある元世界王者で、名前を売るには格好の相手(踏み台/ステッピングストーン)だったでしょうね。実際にモラレスの評価と勢いというものは、ジョーンズ戦後に飛躍的に増していきました。

ジョーンズ曰く、「モラレスはパンチを当てるのがうまかった」そうです。

強さ(Strongest):
マルコ アントニオ バレラ(メキシコ)。1996年11月、1997年4月と2戦続けて対戦。初戦でジョーンズが、限りなくTKOに近い失格勝利を収め、WBOスーパーバンタム級王座を獲得。ダイレクトリマッチでは、僅差の判定でバレラを返り討ちにしています。

初戦での失格勝利というのは、バレラ陣営が試合のストップを要請するためにリング内に入ってきてしまいました。この試合が行われた米国・フロリダ州のルールだと、それは違反行為とみなされTKOではなく失格という結果になっています。

バレラからは特に接近戦で肉体的強さを感じたそうです。

パンチ力(Best Puncher):
バレラ。

技術者(Best Skills):
バレラ。

総合(Overall):
カニザレス。ジョーンズは特にカニザレスとバレラを賞賛しており、また、彼らに勝利を収めた事を誇りにしているようです。

*ジョーンズのキャリアの流れをまとめて見ると、まずWBAバンタム級王座を獲得。王座から転落後、スーパーバンタム級に転向。カニザレスとの元王者同士のサバイバル戦に勝利した後、バレラに挑戦、そして勝利。バレラを返り討ちにするも、マッキニーに逆転負け。再起戦ではモラレスに一蹴されるも、ジョンソンに勝利を収め一安心。その後IBFフェザー級王座に挑戦するもTKO負け。最後は2002年まで戦い続けました。

ジョーンズの終身戦績は50勝(28KO)6敗(5KO負け)と立派なものです。獲得した主要団体の王座は、WBAバンタムとWBOのスーパーバンタム。辰吉 丈一郎(大阪帝拳)と同時代に活躍した選手で、専門誌では両者の対戦話で盛り上がりを見せた時期もありました。しかし辰吉は怪我と敗戦を重ね、他団体王者に目を向ける余裕はナシ。ジョーンズもバンタム級時代、伏兵のジョン マイケル ジョンソン(米)に敗れた後、上の階級に去っていきました。

(スーパーバンタム級時代のジョーンズ)

引退後のジョーンズは、自らボクシングの会場に足を運ぶなど、熱烈なボクシングファンであり続けているようです。また、ボクシングのパーソナルトレーナーとして後進の指導にもあたっているそうです。

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今週末の試合予定

2021年02月27日 05時30分12秒 | 世界ボクシング

2021年2月最終週末の主な試合予定です。

27日 土曜日
ニュージーランド
WBOオリエンタル・ヘビー級戦(王座決定戦):
元WBO王者ジョセフ パーカー 対 ジュニア ファ(共にニュージーランド)

比国
IBFミニマム級戦:
王者ペドロ タドゥラン 対 挑戦者レネ クアルト(共に比)

米国・フロリダ州
WBA/WBCスーパーミドル級戦:
王者サウル アルバレス(メキシコ)対 挑戦者アブニ イユリディン(トルコ)

WBCフライ級戦:
王者フリオ セサール マルティネス(メキシコ)対 挑戦者マクウィリアムス アローヨ(プエルトリコ)

3月5日 金曜日
フランス
EBU-EUヘビー級戦(王座決定戦):
トニー ヨカ(仏)対 ジョエル タンブウェ ディジェコ(ベルギー)

*今週末/今月末から来月頭にかけ、上記に挙げた興行以外でも、様々な国と地域で大中小のボクシングの興行が予定されています。確か一年前のこの時期には、次々に予定されていた興行が中止されていきましたよね。今後も中止になる試合、または興行が出てくるでしょうが、もうあの時期にような状況には戻ってほしくないですよね、本当に。

今週末もまた、この2ヶ月余り定期的に興行を提供してくれているアルゼンチンで複数の試合が予定されているようです。また、ボクシング界では馴染みの薄いインドでもいくつかの興行が決行される見通しです。

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続「ボクシング 10年」PartⅨ(新興階級)

2021年02月26日 14時37分17秒 | ボクシングネタ、その他雑談

このDaispo Boxingを始めた当初、不定期ながらも数回に渡り「ボクシング10年」という、自分(Corleone)がボクシングに興味を抱いてからの約10年の間のボクシング界について、ザっとしたものを書いていました。第一弾は2004年6月23日。当時引退したばかりのリカルド ロペス(メキシコ)がどれだけ凄いボクサーで、軽量級、特にミニマム(旧ストロー、105ポンド/47.63キロ)とそのひとつ上のライトフライ(旧ジュニアフライ、108ポンド/48.97キロ)のその後の課題はロペスの後継者を生み出すことであると強調しました。

昨年の9月にSuperchamp1991というものを購入。そこには私がボクシングに惹かれる直前、1991年春先の世界王者たちの顔ぶれが掲載されています。その顔ぶれを見てみると懐かしさと同時に、自分にとって新鮮味がある王者たちが載っています。

今回は、当時新設されたばかりのスーパーミドル級となります。主要4団体別に、同級で行われた初の世界戦を主要4団体別に見てみましょう。IBFが先陣を切って1984年3月28日に同級史上初の世界戦を開催しています。それから3年半後の1987年12月6日にWBAが続き、WBOが1988年11月4日に、そしてその3日後にWBCが団体初の世界戦を決行しました。1991年の春先の時点で、スーパーミドル級がどれだけ新しい階級かうかがい知れますね。

では、その真新しかったスーパーミドル級の、1991年春先時点での王者たちの顔ぶれを見てみましょう。防衛回数は当時のものになります。

WBAスーパーミドル級:クリストフ ティオーゾ(仏/防衛回数2)
WBCスーパーミドル級:マウロ カルバノ(伊
/0)
IBFスーパーミドル級:リンデル ホームズ(米/2)

...。馴染みのない選手たちの名前がズラリと並んでいます。唯一知っている事は、ティオーゾの実弟ファブリが、後のWBCライトへいー級、WBAクルーザー級の王者だったという事。1984年に開催されたロス五輪の銀メダリストでもあったティオーゾ。基本に忠実なボクシングを展開し、それなりの選手だったようです。しかしティオーゾは、この本が発売されていた時点で、ビクトル コルドバ(パナマ)に敗れており、すでに王座から陥落していました。

(フランスの生んだティオーゾ世界王者兄弟。WBAのベルトを巻いているのが兄のクリストフ)

地味さなら、ティオーゾの上を行くのがカルバノ。前年の1990年師走に、あのシュガー レイ レナード(米)が返上した王座の後釜争いに出場し同王座を獲得。王座獲得時の戦績が16勝(4KO)1敗2引き分け。しかし予想以上に長持ちし、翌年1992年10月にナイジェル ベン(英)に王座を譲るまで2度の防衛に成功しました。その後、1997年まで戦い続けますが、4度欧州王座に挑戦するも王座獲得ならず。実力的には欧州レベルの選手だったと言っていいでしょうね。

(イタリアの生んだ世界王者カルバノ)

伝説の「ヒットマン」トーマス ハーンズ(米)のスパーリングパートナーとして実力を蓄え、3度目の正直で世界王座を獲得したホームズ。彼の政権もティオーゾ、カルバノのものと同じく長続きせず。この年の5月には王座から転落しています。

(「ヒットマン」に鍛えられ、世界王者まで成長したホームズ)

新しく設立された階級の特徴というべきでしょうか、3選手ともスーパーミドル級が新たに設置されていなければ、世界王座を獲得する事は出来なかったでしょうね歴史あるミドル級とライト級に挟まれたスーパーミドル級ですが、1980年代を牽引したスーパースター、レナードやハーンズの影響力がまだまだ残っていた1990年代初頭の同級。時代を感じます。

この時期、同級に限って言えば、まだまだマイナー団体だったWBOの王者が一番存在感がありました。同王座を保持していたのはあのハーンズ。ハーンズはこの年の6月にバージル ヒル(米)を破りWBAライトヘビー級王座を獲得。そのためWBOスーパーミドル級王座を返上すると共に、同級を去っていきました。

(偉大なる「ヒットマン」。やはり輝きが違う!)

当時、どれだけWBOがマイナー団体として見られていたかというと、ハーンズが出場した1988年11月にハーンズが出場したWBOスーパーミドル級王座決定戦には、WBCの北米地域タイトルであるNABF王座も同時に賭けられていたいた事が何よりもの証拠ではないでしょうか。

ハーンズの後継者に就いたのは、現WBAミドル級暫定王者クリス ユーバンク2世(英)の実父であるクリス ユーバンク。この年の9月にこの王座を獲得すると、その王座を1995年3月に手放すまで14連続防衛に成功しました。ユーバンクが創世記のスーパーミドル級とWBOを支えた選手の一人であったことは間違いないでしょう。

ユーバンク、同級で4団体の王座を順次獲得し、一番初めに獲得したWBOタイトルを22度防衛したジョー カルザゲ(ウェールズ)。カルザゲ同様、同級王座を22度防衛したスベン オットケ(独)。北欧の雄ミッケル ケスラー(デンマーク)、アンドレ ワード(米)、カール フロッチ(英)、ルシアン ブテ(カナダ)、そして現役のサウル アルバレス(メキシコ)と、次々と名選手たちが出現したスーパーミドル級。各団体に王者が誕生してから約30年経ちますが、スーパーミドル級もようやく安定した地位を築き上げたようです。今週末予定されるカネロ(アルバレスのニックネーム)の試合もそうですが、今後もボクシング界の中心的階級になっていきそうなだけに、目が離せないでしょう。

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結果色々(色々:02‐25‐21)

2021年02月25日 05時33分13秒 | 世界ボクシング

最近(2021年2月25日ごろ)のニュースです。

1)これまでにWBOスーパーフェザー級、WBCライト級、WBAウェルター級、そしてWBAスーパーライト級とやや不順ながらも4つの階級で世界王座を獲得してきたエイドリアン ブローナー(米)。先週末20日、2019年1月以来の実戦を行っています。中堅のジョバニ サンティアゴ(プエルトリコ)と無冠戦12回戦で対戦したブローナーは、無難な判定勝利(3対0:117-110、116-111、115-112)を収める事に成功。実に4年ぶりの勝利を収める事に成功しています。

2)同日、元IBFライト級王者ロバート イースター(米)が米国・コネチカット州のリングに登場。常連世界ランカーのライアン マーティン(米)に明白な判定勝利(3対0:118-110x2、117-111)を収めています。

3)10年前のWBAフェザー級王者で、2016年10月に来日し、細野 悟(大橋)に判定勝利を収めた経験を持つジョナサン バロス(亜)。世界王座転落後、3度の世界戦出場の機会を得てきましたが、世界のベルトまであと一歩届かない状態が続いてきました(試合内容は完敗が多かったですが)。そのバロスが20日、同胞で元WBOスーパーフェザー級王者のホルヘ バリオスと元世界王者同士のサバイバル戦で対戦。ダウンを喫してしまいましたが、大差の判定勝利(3対0:98.5-91、98-91.5、98-93)を収める事に成功しています。

4)ここ数年、黒星が先行している元WBAウェルター級王者ディエゴ チャベス(亜)。今月13日、同国人で格下のマルセロ ブゾウスキー(Bzowski)相手に、無難な8回判定勝利を収める事に成功しています。

5)2019年師走に、テオフィモ ロペス(米)の強打の餌食となった元IBFライト級王者リチャード コミー(ガーナ)。今月13日、ロペス戦以来となる実戦に登場し、粘るジャクソン マリネス(ドミニカ)に6回KO勝利を収めています。

6)元ライト級、ウェルター級、そしてスーパーウェルター級王者シェーン モズリー(米)の実子、モズリー2世が今月13日、米国・カリフォルニア州のリングに登場。クリスチャン オリバス(メキシコ)に5回終了TKO勝利を収めると共に、空位だったNABOスーパーミドル級王座を獲得しています。この試合後のモズリーの戦績は17勝(10KO)3敗。実力的には偉大なる父には及ばなそうですが、果たしてどこまで上り詰める事が出来るのでしょうか。

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バルデス、予想外のワンサイド勝利(WBCスーパーフェザー級)

2021年02月24日 17時52分22秒 | 世界ボクシング

先週末20日・土曜日、米国・ネバダ州で行われた試合結果です。
WBCスーパーフェザー級戦:
挑戦者オスカル バルデス KO10回2分59秒 王者ミゲル ベルチェル(共にメキシコ)

*減量苦のため、それまで保持していたWBOフェザー級王座を返上し、同級に進出してきたバルデス。ここまでの戦績が28戦全勝(22KO)でしたが、現役最強のスーパーフェザー級と言われていたベルチェル相手では、如何せん分が悪いと予想されていました。しかし蓋を開けて見れば、バルデスがライバルから3度もダウンを奪う圧勝劇を演じてしまいました。しかもダウンがなかったラウンドも、新王者がコントロールしていたというほぼワンサイドマッチ。試合というものは、やって見なければ分からないものなんですね。

2階級制覇を果たすと共に、全勝記録も一つ伸ばしたバルデス。今後は同級での王座統一を目指していくそうです。これまでの圧倒的強さが見られなかったベルチェル。KOシーンが痛烈だっただけに、そのダメージが気になるところです。

 

今年に入り、グティエレスとバルデスが新王者に就いたスーパーフェザー級。その他にもIBF王座が空位となったり、WBO戦が延期となったりと同級は状況が目まぐるしく変わっています。また、坂も王座の防衛に成功しています。そういえば、デービスが同級の王座に復帰したのも、コルバートが初防衛に成功したのも昨年末でした。

その活気あふれるスーパーフェザー級の、2021年2月24日現在の王者たちの顔ぶれは下記のようになります。

WBA(スーパー):ジェルボンテ デービス(メキシコ/防衛回数0)
WBA(レギュラー):ロジャー グティエレス(ベネズエラ/0)
WBA(暫定):クリス コルバート(米/1)
WBC:オスカル バルデス(メキシコ/0)
IBF:空位
WBO:ジャメル ヘリング(米/2)
OPBF(東洋太平洋):三代 大訓(ワタナベ/4)
WBOアジア太平洋:ジョー ノイナイ(比/2)
日本:坂 晃典(仲里/1)

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サルダール、世界王座返り咲きに成功(WBAミニマム級:レギュラー王座)

2021年02月23日 05時02分50秒 | 世界ボクシング

先週末20日・土曜日、比国で行われた試合結果です。
WBAミニマム級王座決定戦(レギュラー王座):
ビック サルダール 判定2対1(116-112、115-113、110-118)ロベルト パラデロ(共に比)

*ノックアウト CP フレッシュマート(タイ)がスーパー王者に昇格したため、空位となったレギュラー王座を賭け比国人同士が対戦。これまでに日本のリングで3度の世界戦に出場してきた元WBO王者のサルダールが、18戦全勝(12KO)のパラデロに勝利。約1年半ぶりの世界王座の座に復帰しています。

フレッシュマートはこれまでに、同王座を12度も守ってきた実績のある選手です。同団体を代表する選手ではありますが、いとも簡単にフレッシュマートの格下王座を公認するというのには納得がいきませんね。数年前に、この老舗団体の会長が、「各階級一人の王座体制を目指す」と公言していたことが夢のようですね。

 

2021年2月23日現在の、ミニマム級王者たちの顔ぶれは次のようになります。

WBA(スーパー):ノックアウト CP フラッシュマート(タイ/防衛回数12)
WBA(レギュラー):ビック サルダール(比/0)
WBC:パンヤ プラダブスリ(タイ/0)
IBF:ペドロ タドゥラン(比/1)
WBO:ウィルフレド メンデス(プエルトリコ/2)
OPBF(東洋太平洋):リト ダンテ(比/0)
WBOアジア太平洋:重岡 銀次郎(ワタナベ/1)
日本:谷口 将隆(ワタナベ/0)

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カスターニョ、WBO王座への鞍替えに成功(WBOスーパーウェルター級)

2021年02月22日 05時54分20秒 | 世界ボクシング

今月13日、米国・カリフォルニア州で行われた試合結果です。
WBOスーパーウェルター級戦:
挑戦者ブライアン カスターニョ(亜)判定3対0(120-108、119-109、117-111)王者パトリック テシェイラ(ブラジル)

*2016年にWBA同級の暫定王座を獲得しているカスターニョ。その後、レギュラー王者に昇格しながら同王座を3度の防衛に成功。しかし何にないして不満だったのか、突然と老舗団体のベルトを返上。今回、他団体のベルト獲得を目指し、第3国でテシェイラの持つ王座に挑戦しました。

試合前から、掛け率では6対1で挑戦者の有利とアルゼンチン人の世界王座への返り咲きが予想されていた一戦。実際の試合も、その予想通りの内容で終始進んでいきました。常にその強打でブラジル人を脅かし続けたカスターニョ。最終回にはストップ寸前にまでライバルを追い込んでいます。

大差の判定勝利を収め、2度目の世界王座に就くことに成功したカスターニョ。一つの引き分けがあるとはいえ、いまだに負け知らずです(17勝1引き分け)。いいところなく敗れたテシェイラ。この試合が2019年11月に獲得した王座の初防衛戦でした。

 

2021年2月22日現在のスーパーウェルター級王者たちを見てみましょう。

WBA(スーパー):ジャーメル チャーロ(米/防衛回数0)
WBA(レギュラー):エリスランディー ララ(キューバ/1)
WBC:ジャーメル チャーロ(米/1)
IBF:ジャーメル チャーロ(米/0)
WBO:ブライアン カスターニョ(亜/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:井上 岳志(ワールドスポーツ/1)
日本:松永 宏信(横浜光/2)

*カスターニョの戦績に、白星以外の結果を残した相手はララ。今後カスターニョは、チャーロとの王座統一戦を目指すのでしょうか。それともララとの再戦か。カスターニョに代わってWBOの最上位ランカーに昇格するティム チュー(豪)の存在も大いに気になりますね。

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続「ボクシング 10年」PartⅧ(辰吉の足音)

2021年02月21日 05時24分51秒 | ボクシングネタ、その他雑談

このDaispo Boxingを始めた当初、不定期ながらも数回に渡り「ボクシング10年」という、自分(Corleone)がボクシングに興味を抱いてからの約10年の間のボクシング界について、ザっとしたものを書いていました。第一弾は2004年6月23日。当時引退したばかりのリカルド ロペス(メキシコ)がどれだけ凄いボクサーで、軽量級、特にミニマム(旧ストロー、105ポンド/47.63キロ)とそのひとつ上のライトフライ(旧ジュニアフライ、108ポンド/48.97キロ)のその後の課題はロペスの後継者を生み出すことであると強調しました。

昨年の9月にSuperchamp1991というものを購入。そこには私がボクシングに惹かれる直前、1991年春先の世界王者たちの顔ぶれが掲載されています。その顔ぶれを見てみると懐かしさと同時に、自分にとって新鮮味がある王者たちが載っています。「ボクシング10年」ではなく、「30年」と言った方が妥当ですが、思い出に浸りながら、当時の世界王者たちを振り返ってみましょう。

今回は「黄金のバンタム」となります。下記が当時の世界バンタム級王者たちの顔ぶれとなり、防衛回数は当時のものになります。

WBAバンタム級:ルイシト エスピノサ(比/防衛回数2)
WBCバンタム級:グレグ リチャードソン(米
/0)
IBFバンタム級:オーランド カニザレス(米/5)

伝統の階級の一つであるバンタム級。そのバンタム級史を代表する選手に成長していくカニザレスの名前が見られます。カニザレスは1994年の秋までIBF王座を保持し、同級史上最多防衛記録である16度の防衛に成功。その後、減量苦のためその王座を返上し上の階級に去っていきました。日本では比較的最近に認定されたIBF。万能型とはいえ、ボクシング・スタイルがどちらかというと玄人受けをするものだったため、一般にはあまり知られていない選手です。ただ、当時からボクシング関係者、選手たちからは非常に高い評価を受けていた選手です。出来る事なら他団体王者たちとの統一戦を実現させてほしかったですね。

(「黄金のバンタム」を代表するボクサーに成長していったオーランド カニザレス。腰に巻かれているのは、以前のIBFのベルトです)

後にWBCフェザー級王座も獲得し、2階級制覇を達成するルイシト。フェザー級時代は、ジョー小泉氏のサポートを受け、成功を収めています。この「Superchamp1991」に載せられている記事も、ジョーさんが書かれていました。当時からその将来の成功を期待されていたルイシトですが、前年にはタイに乗り込んで、後のWBAジュニアバンタム級(現スーパーフライ級)王者鬼塚 勝也(協栄)を2度も苦しめた、タノムサク シスボーベー(タイ)に圧勝しています。しかしバンタム級としては大柄だったルイシト。かねてから減量苦が心配されていましたが、その心配が見事に的中してしまい、同年10月には保持していたWBA王座を明け渡してしまいました。ルイシトの活躍が再び見られるようになったのは、数年後、フェザー級の水に慣れ、加えてジョーさんの支えを得てからになります。

(天賦の才を持っていたルイシト。写真はフェザー級時代のもの)

カニザレス、ルイシトの戦績を振り返って見ると、世界王座獲得後も定期的に無冠戦のリングに登場していました。当時と今日現在では、興行の運営方法が違うかもしれません。しかし現役の世界王者たちは見習うべきでしょう。ボクサーというのはあくまで、実戦を行ってこそボクサーだと思います。

上記で挙げた王者たちの中で、ひょっとしたらリチャードソンが一番の注目選手ではないでしょうか。ご存知の通りこの選手は、同年9月に来日し、辰吉 丈一郎(大阪帝拳)に王座を明け渡しています。今回、リチャードソンの戦績を見て面白い事に気がつきました。リチャードソンの世界初挑戦は1987年7月まで遡ります。その時、バンタム級の一階級上のスーパーバンタム級王者ジェフ フェネック(豪)に挑戦しますが、全くいいところなくKO負け。その後本来のバンタム級に戻り、念願の世界のベルトを腰に巻くことに成功しました。辰吉に敗れた後リチャードソンは、何と一階級落としてWBC王座に挑戦。王者文 成吉(韓国)を大いに苦しめましたが、残念ながら世界2階級制覇なりませんでした。珍しいですよね、体重を落としながら3つの階級の世界王座に挑戦していくというのは。

(辰吉に王座を明け渡したリチャードソン)

最後はまだまだマイナー団体として見られていたWBO。当時のバンタム級の第4の王座には、カニザレスの実兄で、元WBA王者でもあるギャビーが君臨していました。強打のギャビーは中々の実力者でしたが、安定度では5歳年下のオーランドには遠く及びませんでした。だからまあ、WBO王者に収まっていたのですがね。

(WBAとWBOの王座を獲得したオーランドの兄ギャビー)

現在では、バンタム級といえば、辰吉、薬師寺 保栄(緑)、長谷川 穂積(真正)、山中 伸介(帝拳)、そして井上 尚弥(大橋)の活躍もあり、日本では馴染みのある階級でした。しかし1990年代前半では、まだまだ近そうで遠いクラスでした。

歴史もあり、また、軽量級の中心的階級でもあるバンタム級。今後も数多くの名選手を輩出していく事になるんでしょうな。

このSuperchamp1991が発売された数ヶ月後に、「浪速のジョー」がプロ8戦目で世界王座を奪取する事になります。

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今週末の試合予定

2021年02月20日 05時41分46秒 | 世界ボクシング

2021年2月第三週末の主な試合予定です。

20日 土曜日
比国
WBAミニマム級王座決定戦(レギュラー王座):
ビック サルダール 対 ロベルト パラデロ(共に比)

米国・ネバダ州
WBCスーパーフェザー級戦:
王者ミゲル ベルチェル 対 挑戦者オスカル バルデス(共にメキシコ)

*今週末から来週にかけ、上記の2つの世界戦の他にも、様々な国と地域でボクシングの興行が行われる予定です。年始から定期的に国内、地域、主要団体のインター王座戦を開催してきたアルゼンチンでは、この週もいくつかの興行が予定されています。また、コロナウィルスの再拡大により、ボクシングの興行が中止されていた英国でも複数の試合が決行されます。

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体重超過のディアス(2度目)、ラヒモフと痛み分け(IBFスーパーフェザー級)

2021年02月19日 05時57分24秒 | 世界ボクシング

先週末13日、米国・カリフォルニア州で行われた試合結果です。
IBFスーパーフェザー級戦(王座決定戦):
前王者ジョセフ ディアス(米)引き分け(1対0:115-113、114-114x2)シャフカッツ ラヒモフ(タジキスタン)

*2018年8月に行われたWBAフェザー級戦でも、前日計量で体重超過という失態を演じているディアス。その後一階級上げ、念願の世界王座獲得を果たしました。今回が昨年1月に獲得した王座の初防衛戦となりましたが、再び体重超過という失態を演じてしまいました。ディアスが保持していた王座は当然の如く空位に。

ラヒモフが勝利したのみに新王者が誕生するという変則的な形で行われた世界戦。一階級上のライト級のリミットに近い体重で前日計量に上ったディアスが好スタートを切ります。今回が米国でのデビュー戦となったラヒモフも、中盤に盛り返し試合を大いに盛り上げていきます。しかし体重の差が出たためか、後半になって失速。最終的には引き分けという採点が下り、両者痛み分けという結果となりました。

一度ならず二度も世界戦での計量に失敗したディアス。厳しい処罰が科されるべきでしょう。残念ながら世界王座獲得ならなかったラヒモフ。IBFからは尾川 堅一(帝拳)と空位の王座を争うよう指示が出されています。

 

一つの王座が空位となったスーパーフェザー級。2021年2月19日現在の、同級の王者たちの顔ぶれは下記のようになります。

WBA(スーパー):ジェルボンテ デービス(メキシコ/防衛回数0)
WBA(レギュラー):ロジャー グティエレス(ベネズエラ/0)
WBA(暫定):クリス コルバート(米/1)
WBC:ミゲル ベルチェル(メキシコ/6)
IBF:空位
WBO:ジャメル ヘリング(米/2)
OPBF(東洋太平洋):三代 大訓(ワタナベ/4)
WBOアジア太平洋:ジョー ノイナイ(比/2)
日本:坂 晃典(仲里/1)

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