今から30年前の昨日となる1995年5月6日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
2団体ライト級戦(王座統一戦):
WBO王者オスカー デラホーヤ(米)TKO2回1分43秒 IBF王者ラファエル ルエラス(米)
*この年の2月にデラホーヤとの対戦のためIBFジュニアライト級(スーパーフェザー級)王座を返上し、階級を上げてきたジョンジョン モリナ(プエルトリコ)との大激戦を制し、プロとして筋金を入れる事にも成功したデラホーヤ。今回はIBFタイトル保持者のルエラスとの王座統一戦に臨む事になりました。
(デラホーヤとルエラスによる王座統一戦が実現)/ Photo: Wikipedia
デラホーヤ、ルエラス共に細身の長身選手。しかしこの日のボクシングスタイルは対極的なものでした。IBFタイトルホルダーであるルエラスは、試合開始のゴングと同時にガードを高く上げWBO王者に肉薄していきます。デラホーヤはそれに対し左ジャブで応戦し、激しい攻防が繰り広げられることに。
初回同様、ルエラスが攻めデラホーヤが迎え撃つという展開が続いた王座統一戦。デラホーヤは2回中盤、右からの見事な左ショートフックで先制のダウンを奪います。実質、このダウンで試合が決まったと言っていいでしょう。試合再開後、これまた見事な右ストレートでダウンを追加したデラホーヤ。今回もルエラスはカウント内に立ち上がりましたが、その後の連打でレフィリーは躊躇することなく試合をストップ。僅か5分弱の攻防ではありましたが、見応えのある攻防に終止符が打たれました。
(見事な左フックでダウンを奪ったデラホーヤ)/ Photo: Youtube
2月のモリナに続け、現役世界王者を破り王座統一戦に成功したデラホーヤ。当時のデラホーヤは、一戦ごとに勢いと存在感を増していました。
(WBO王座に続き、IBFタイトルを吸収したデラホーヤ)/ Photo: Daily Mail
なおこの試合を放送したHBO局は、この試合が行われた時点では「WBOを主要団体として認めない」としています。まだまだマイナー団体として扱われていた当時のWBO。ということはこの勝利により、デラホーヤが世界初戴冠となり、トーマス ハーンズ(米)の偉業も、5階級制覇ではなく4階級制覇として見られていたということになりますね。
WBCスーパーフェザー級戦:
王者ガブリエル ルエラス(米)TKO11回25秒 挑戦者ジミー ガルシア(コロンビア)
*ラファエルの実兄ガブリエルも同興行に登場。好戦的なガルシアを迎え保持する王座の2度目の防衛戦に臨みました。
試合はガブリエルが打ち続けるワンサイドマッチとなりましたが、ガルシアも挑戦者らしく奮戦。しかし試合が長引くにつれ、テレビ解説者も危惧するほど一方的な試合展開に。迎えた11回、主審をようやく試合をストップしましたがガルシアの被ったダメージは甚大なものでした。
(試合はまったくのルエラス(右)のワンサイドマッチに)/ Photo: the New York Times
ストレッチャーで運ばれ病院に直行したガルシアでしたが、残念ながら13日後の5月19日に帰らぬ人に。重い十字架を背負うこととなったルエラスですが、悲しみを乗り越えて力強く現役生活を続ける事となりました。