DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

プエジョ、ドミニカン・ダービーを制す(WBAスーパーライト級:暫定王座)

2019年07月31日 00時31分37秒 | 世界ボクシング

先週末27日、ドミニカで行われた試合結果です。
WBAスーパーライト級王座決定戦(暫定王座):
アルベルト プエジョ
(ドミニカ)判定3対0(115-113x3)ジョナサン アロンソ(スペイン/ドミニカ)

*16戦全勝(9KO)のプエジョと、18戦全勝(7KO)のアロンソの両者全勝、しかもドミニカ出身者同士の対決となった暫定王座決定戦。序盤戦はスペインに主戦場を移したアロンソがリードしましたが、プエジョが5回あたりから徐々に反撃を開始。最終的には僅差ながらも逆転に成功し、暫定ながらもWBAスーパーライト級王座獲得に成功しています。

毎年この時期に行われるWBAのドラック撲滅を目指す興行の一環として行われた今回の王座決定戦。興行自体は続けてほしいのですが、やはり暫定王座となるとちょっとね~。

 

先週末、『プエジョ対アロンソ』、『ラミレス対フーカー』と2つの世界戦が行われたスーパーライト級戦線。2019年7月最終日現在の同王者たちの顔ぶれを見てみましょう。

WBA(スーパー):レジス プログレイス(米/防衛回数0)
WBA(暫定):アルベルト プエジョ(ドミニカ/0)
WBC:ホセ カルロス ラミレス(米/3)
IBF:ジョシュ テーラー(英/0)
WBO:ラミレス(米/0)
OPBF(東洋太平洋):内藤 律樹(E&Jカシアス/2)
日本:井上 浩樹(大橋/1)

不思議な事に現在WBAレギュラー王座は空位となっています。WBAのゴールド、WBCのダイヤモンドとシルバー王座はあえて載せませんでした。

10月に英国でプログレイスとテーラーの対戦が予定されています。2団体統一王者となったばかりのラミレスの次戦は、WBOの指名防衛戦となるとの情報があります。一時は同級で4階級制覇を目指していたホルヘ リナレス(ベネズエラ/帝拳)ですが、体格と打たれ脆さを考えるとライト級に逆戻りでしょうね。

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ラミレス、激戦を制し王座統一に成功(2団体スーパーライト級)

2019年07月30日 00時24分06秒 | 世界ボクシング

先週末27日・土曜日、米国・テキサス州で行われた試合結果です。
2団体スーパーライト級王座統一戦:
WBC王者ホセ カルロス ラミレス TKO6回1分38秒 WBO王者モーリス フーカー(共に米)

*王者同士がそれぞれのタイトルを賭けて臨んだ王座統一戦。試合前の掛け率が非常に競っていた実力拮抗者同士の一戦は、その予想を裏切らない激しい試合を展開していきます。

初回、ラミレスに足を踏まれたところにパンチを貰い、バランスを崩してしまったフーカー。不運な形でダウンを取られてしまったWBO王者ですが、3回から得意の中間距離での打ち合いに持っていき主導権を握り始めます。

体格で劣るラミレスは、体を振りながら相手の懐に入り連打を見舞うという持ち前のスタイルでフーカーに対抗。一進一退の攻防戦が続きます。そんな中6回、ラミレスが左フックからの連打でフーカーをロープに追い詰め一気にTKO勝利。これまで保持していたWBC王座に加え、WBO王座の吸収にも成功しました。

 

IBFスーパーフェザー級戦:
王者デビン ファーマー(米)判定3対0(119-108、116-111x2)挑戦者ギヨーム フレノワ(仏)

*12回に渡り、上下へのパンチを繰り出し挑戦者を圧倒し続けたファーマー。1年前に豪州で獲得した王座の4連続防衛に成功しています。

指名挑戦者に快勝し防衛記録を更新したファーマー。目標は、同日別会場で見事の防衛戦を果たしているWBAスーパー王者ジェルボンテ デービス(米)との王座統一戦。年内にもその試合が実現する可能性があるそうです。

 

ファーマーが頂点の一角に君臨しているスーパーフェザー級。2019年7月30日現在の同級王者たちの顔ぶれは次のようになります。

WBA(スーパー):ジェルボンテ デービス(米/防衛回数2)
WBA(レギュラー):アンドリュー カンシオ(米/1)
WBC:ミゲル ベルチェル(メキシコ/5)
IBF:デビン ファーマー(米/4)
WBO:ジャメル ヘリング(米/0)
OPBF(東洋太平洋):三代 大訓(ワタナベ/2)
日本:末吉 大(帝拳/4)

デービスとベルチェルが他を一歩リードしていますが、どの対戦も好試合が期待できる顔ぶれと言っていいでしょう。是非実現してほしいですね、『デービス対ファーマー』による王座統一戦。

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ガンボア、久々に怪物ぶりを発揮(ライト級ほか)

2019年07月29日 01時46分08秒 | 世界ボクシング

現地時間の昨夜(27日・土曜日)、米国・メリーランド州で行われた試合結果です。
ライト級10回戦:
元3階級制覇王者ユリオキシス ガンボア(キューバ)KO2回2分 元WBOスーパーフェザー級王者ローマン マルティネス(プエルトリコ)

*2010年代初頭の中量級の代表格だったガンボア。階級を上げていくごとにその怪物性が失われ、最近は接戦続き。すでに過去の存在と思われていました。今回ガンボアが対戦したマルティネスは、WBOスーパーフェザー級王座を3度獲得したしぶとい実力者。しかし2016年に、あのワシル ロマチェンコ(ウクライナ)に3度目の王座を奪われた後は引退状態に。今年3月に約3年ぶりのリング復帰戦を行っています。

昨年11月以来の実戦となったガンボアですが、この試合で見せたボクシングは全盛期を思わせるもの。動きに全く無駄な動きがなく、そのハリケーンと呼ばれたパワフルな連打は復活。フットワークもスムーズで、体全体にスピードが溢れていました。

以前からスロースターターの傾向のあったマルティネスですが、この日はエンジンがかかる前にガンボアの強打の餌食に。キューバ人の左フックで先制のダウンを奪われたマルティネス。試合再開後、ガンボアの見事なコンビネーションからの右でテン・カウント聞くことになってしまいました。

久々にその実力を披露することに成功したガンボア。KO勝利は2014年11月以来のものとなっています。試合前からメインイベントに出場したデービスとの対戦を希望していたガンボア。今回のようなコンディションを作れれば、デービス攻略も可能でしょう。

 

WBAスーパーフェザー戦(スーパー王座):
王者ジェルボンテ デービス(米)TKO2回1分33秒 挑戦者リカルド ヌネス(パナマ)

*この興行の主役はこのデービス。しかしガンボアのパフォーマンスの前に少々影が薄らいでしまいました。しかしそれでもこの試合のデービスは素晴らしい試合を披露しています。

中米の実力者ヌネスもKO率95パーセントのデービスに臆することなく堂々と打ち合いに挑みます。しかしデービスの強打を食ってしまえばそこで終わり。米国人が2回半ばに左フックからの連打で挑戦者を捉えると、レフィリーは迷わず試合をストップ。デービスが圧倒的な強さを見せつけ、保持する王座の2度目の防衛に成功しています。

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寿以輝、不満の12連勝(スーパーバンタム級)

2019年07月28日 03時07分11秒 | 強いぞジョーさん

先日26日・金曜日、エディオンアリーナ大阪・第2競技場で行われた試合結果です。
スーパーバンタム級8回戦:
辰吉 寿以輝(大阪帝拳)判定3対0(79-74、78-75、77-75)藤岡 拓弥(VADY)

*2015年4月にプロ・アマを通じて初の公式試合に臨んだ寿以輝。今回が実戦12戦目。年内にも希望する日本ランカーとの対戦のための試金石というか、調整試合的なものとなる筈でした。

今回寿以輝が対戦した藤岡は9勝1KO9敗1引き分けという戦績の持ち主。寿以輝は試合前から左拳を痛めていたそうですが、タイトル挑戦を狙うなら、片手でも大勝していい相手でしょう。しかしこのレベルの選手を相手に、KO云々は別として、そのボクシングにつきあってしまうとは。日本ランキングでは前回の試合での21位から18位に上がってきましたが寿以輝ですがプロ入りしてから4年。ほとんど成長してないのではないでしょうか。いくらアマチュア経験がないとはいえ、現状では世界はおろか、日本王座獲得する難しいと言わざるを得ないでしょう。

戦績を12戦全勝(8KO)とした寿以輝。本人は今回の試合内容に大いに不満だったようですが、ファンからすれば今後の道のりは大いに不安でしょうな。

会場にはいつものように実父丈一郎、お母さんのるみ夫人、寿以輝の奥さんと娘さん、そしてお兄さんの寿希也さんがみえられてました。ちなみに丈一郎氏はプロ12戦目に初の日本国外での試合を経験。ハワイのリングでホセフィノ スアレス(メキシコ)と対戦。3回KO勝利を収めています。

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今週末の試合予定

2019年07月27日 00時10分13秒 | 世界ボクシング

2019年7月最終週末の試合予定です。

27日 土曜日
後楽園ホール
OPBF(東洋太平洋)スーパーフェザー級戦:
王者三代 大訓(ワタナベ)対 挑戦者竹中 良(三迫)

日本バンタム級戦:
王者齊藤 裕太(花形)対 挑戦者鈴木 悠介(三迫)

WBOアジア太平洋ミニマム級王座決定戦:
重岡 銀次朗(ワタナベ)対 クライデ アザルコン(Azarcon/比)

ドミニカ
WBAスーパーライト級王座決定戦(暫定王座):
アルベルト プエジョ(ドミニカ)対 ジョナサン アロンソ(スペイン/ドミニカ)

米国・メリーランド州
WBAスーパーフェザー戦(スーパー王座):
王者ジェルボンテ デービス(米)対 挑戦者リカルド ヌネス(パナマ)

米国・テキサス州
2団体スーパーライト級王座統一戦:
WBC王者ホセ カルロス ラミレス 対 WBO王者モーリス フーカー(共に米)

IBFスーパーフェザー級戦:
王者デビン ファーマー(米)対 挑戦者ギヨーム フレノワ(仏)


8月2日 金曜日
タイ
WBAミニマム級戦:
王者ノックアウト CP フレッシュマート(タイ)対 挑戦者アルアル アンダレス(比)

米国・フロリダ州
WBOスーパーフライ級挑戦者決定戦:
江藤 光喜(白井・具志堅)対 ジェイピエール シントロン(プエルトリコ)

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試合結果やその他(色々:07‐26‐19)

2019年07月26日 00時17分18秒 | 世界ボクシング

最近(2019年7月26日ごろ)のニュースです。

1)先週19日、OPBF(東洋太平洋)ライト級王者中谷 正義(井岡)が米国・メリーランド州のリングに登場。世界ランカー・テオフィモ ロペス(米)とIBFライト級王座への挑戦権を賭け戦いますが大差判定負け(3対0:119-109、118-110x2)。しかし試合内容自体はかなり競ったもので、見方によっては中谷がその評価を上げたものになりました。

2)今年2月に日本フライ級王座を獲得していた中谷 潤人(MT)がその王座の防衛戦を行うことなく返上。10月5日に、日本でも馴染みのある元IBFライトフライ級王者ミラン メリンド(比)と無冠戦で対戦します。

3)フェザー級からライト級までの3階級を制してきたホルヘ リナレス(ベネズエラ/帝拳)が9月7日、後楽園ホールに登場。リナレスが日本のリングで試合を行うのは、2014年12月30日以来の事となります。またリナレスが後楽園ホールで試合を行うのは2005年2月以来。今回がちょうど10度目の同地での試合となります。

4)本来なら先週末20日に、マゴメド クルバノフ(露)とWBAスーパーウェルターのレギュラー王座を争っている筈だったミシェル ソロ(仏)。クルバノフがフランスでの労働許可書を取得できなかったため、代わって同国人のアンダーソン プレストと対戦。5回TKO勝利を収めています。どうやら今回の試合には、WBAの世界王座は争われなかった様子です。

5)同日、元WBCバンタム級王者ルイス ネリ(メキシコ)が元WBAバンタム級スーパー王者ファン カルロス パヤノ(ドミニカ)と対戦。9回KO勝利を収め、世界王座奪回に向け大きく前進しています。

6)WBOスーパーバンタム級王者エマヌエル ナバレッテ(メキシコ)が来月17日、同国人フランシスコ デ バカを相手に保持する王座の2度目の防衛戦を行います。

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パッキャオ健在!!!(WBAウェルター級ほか)

2019年07月25日 01時14分38秒 | 世界ボクシング

先週末20日、米国・ネバダ州で行われた試合結果です。
WBAウェルター級王座統一戦:
レギュラー王者マニー パッキャオ(比)判定2対1(115-112x2、113-114)スーパー王者キース サーマン(米)

*昨年の今頃はすでに過去の存在と思われていたパッキャオ。しかしマレーシアで世界王座に返り咲き、今年の1月にはラスベガスで問題児エイドリアン ブローナー(米)を撃退。まだまだ現役であることを誇示していました。

今回パッキャオが拳を交えたのが、2013年7月に同暫定王座を獲得して以来、強豪相手に防衛回数を伸ばしながらレギュラー王者、スーパー王者にとその地位を上げていったサーマン。2017年にはWBC王座も吸収しています。

そんな強豪を相手にパッキャオは、初回からダウンを奪い試合をリード。中盤以降サーマンの反撃もありましたが、最後は明白なリードを保って試合終了。保持する王座の2度目の防衛に成功すると共に、WBA内の王座統一に成功しています。


IBFスーパーミドル級戦:
王者カレブ プラント TKO3回1分29秒 挑戦者マイク リー(共に米)

*今年の1月、番狂わせで同王座を獲得した当時無名だったプラント。今回の初防衛戦では、名前のあるリーから4度のダウンを奪う快勝劇を演じることに成功。英国勢がトップ戦線を牛耳っているスーパーミドル級で、どこまで生き残ることが出来るかに注目です。

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この階級、この選手(ロイ ジョーンズ:ライトヘビー級①)

2019年07月24日 00時13分11秒 | ボクシングネタ、その他雑談

1990年代初頭からこれまでの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を各階級3人ずつ挙げていっています。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級の実力№1とは限りません。個人的に思い入れのある選手、または印象に残った選手が中心となります。

今回から新しい階級ライトヘビー級になります。同級第一弾はライトヘビー級はおろか、ボクシング史に残る名選手ロイ ジョーンズ(米)が主人公となります。


(今回の主人公は、ボクシング史に残る名選手ロイ ジョーンズ)

アマチュア時代からその名を知られていたロイ ジョーンズ。彼がオリンピックに出場し、非運の銀メダリストに終わったのは1988年のソウル五輪まで遡る事になります。ロイのプロデビューはオリンピックに出場した翌年の1989年5月。


(ソウル五輪非運の銀メダリスト・ロイ ジョーンズ)

ロイのキャリアを振り返る前に、1988年がどのような年だったか簡単に振り返ってみましょう。

1988年はまだ昭和時代、昭和63年にあたります。日本経済はバブル崩壊前の超好景気。ソビエト連邦や、西ドイツ、東ドイツという2つのドイツが存在していました。日本ではこの年に東京ドームが完成し、青函トンネル、瀬戸大橋も開通しました。


(東京ドームと旧後楽園球場)

『金八先生』の第3シリーズ、松ヶ崎中学編や大河ドラマの『武田信玄』、ドラマの『トンボ』、『教師ビンビン物語』が放送された年でもあります。同年には『となりのトトロ』や『機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』も上映されました。たしかアンパンマンの放送開始もこの年だったかと。『ドラゴンクエストIII』の発売日に、ゲームショップに長蛇の列ができ、社会現象となった年でもあり、音楽ではオフコースや尾崎豊も健在。野球の南海や大洋といったチームもありました。

  








(1988年、すべてがなつかしい)

早い話、ロイがアマチュアからプロに転向したのは、かなり昔ということになります。


1989年にデビュー果たしたロイですが、彼が最後に実戦を行ったのは2018年2月。僅か1年数ヵ月前の事。しかもロイのキャリアを振り返ると、驚くことに一切のブランク期間はなく、毎年必ず試合を行っていました。2004年以降は、主要団体の王座とは無縁だったジョーンズですが、30年現役で戦い続けたことだけでも偉業だったと言っていいでしょう。

ライトウェルター級(プロで言うスーパーウェルター級)で銀メダルを獲得したロイ。121勝13敗というアマチュアでの戦績を残しています。アマチュア時代には、元WBCミドル級王者ジェラルド マクラレン(米)や、元WBAスーパーミドル級王者フランク ライルズ(米)と対戦しています。

不運の銀メダリストはオリンピックでのうっ憤を晴らすが如く、連勝連続KOの道をひたすら歩んでいきます。1992年1月に元WBCスーパーウェルター級王者ホルヘ バカ(メキシコ)に大差判定勝利を収めるまでに築き上げた全勝全KO記録は15。同年師走には、初のタイトルであるWBC米大陸スーパーミドル級タイトルを獲得しています。

ジョーンズが世界初挑戦を迎えたのは1993年5月、アメリカの首都ワシントンDC。ジョーンズの生涯のライバルの一人と目される(と言っても両者が対戦したのは2度のみ)バーナード ホプキンス(米)と、当時空位だったIBFミドル級王座を賭け対戦。その頃、ほぼ無名だったホプキンスが予想外の実力者だった事に加え、すでに囁かれていたミドル級での減量苦が祟り予想以上の苦戦を強いられたジョーンズ。しかしそこは後のスーパースター。僅差ながらも明白な判定勝利を収め、世界のベルトを腰に巻く事に成功しました。


(まだまだ若かったロイ ジョーンズとバーナード ホプキンス)

念願の世界王座に到達したジョーンズですが、すでにミドル級の体重を作るのは非常に苦しい状況にいました。ジョーンズがIBFミドル級王座の初防衛に成功するのは、何と王座奪取後1年後。しかしその1年間、3度の無冠戦を行っています。当然の如く3連勝を飾ったロイですが、その中には後に2度WBCスーパーミドル級王座を獲得する南アフリカの強豪スラニ マリンガを6回で仕留めた試合も含まれています。ちなみのジョーンズが返上したミドル級王座を獲得したのがホプキンスとなります。そしてその後、ホプキンスは長期政権を築きながら、その過程でWBC、WBA、そしてWBO王座を順次統一していく事になりました。

1994年11月、スーパーミドル級での世界王座挑戦の機会を得たロイ。ジョーンズのターゲットは当時、全階級を通じて屈指の実力者をして謳われていたジェームス トニー(米)。


(1990年代半ばのドリームカード実現)

トニーがその技術を生かせば、勝負は5分5分、もしくは「ロイが初黒星を喫するのでは?」とまで言われてたドリームカードでした。しかしそんな実力拮抗者同士の対戦は、ジョーンズがそのスピードを生かし切り大差の判定勝利。難なく2階級制覇達成に成功しています。

  
(強豪ジェームス トニーに圧勝したロイ)

強豪トニーに快勝したことにより、その評価が確実のものとなったジョーンズ。この時期からリング上では、やりたい放題(いい意味で)のパフォーマンスを見せはじめました。まずは1995年6月に行ったIBFスーパーミドル級王座の2度目の防衛戦。人気者、元IBFライト級王者ビニー パジエンザ(米)を一蹴。次に1996年6月に行った後のWBCスーパーミドル級王者エリック ルーカス(カナダ)との防衛戦では、何とその試合の午前中のプロ・バスケのマイナー・リーグの試合に出場。そして夜にプロ・ボクシングの世界戦の防衛戦を行っています。流石に午前中の疲れが残っているのか、動きが少々鈍かったロイ。それでもルーカスに何もさせずに最終的にはTKO勝利を収める離れ業を披露しています。しかしその後、このような愚行はしていませんが。


(一日にバスケットボールとボクシングの試合を行ったロイ)

他団体のスーパーミドル級王者たちとの実力差がありすぎるため、統一戦の機会が訪れなかったロイ。一階級上のライトヘビー級へ触手を伸ばしていきます。手始めに、1980年代、1990年代前半に活躍。スーパーウェルター級、ミドル級、そしてライトヘビー級の3階級で世界のベルトを巻いたマイク マッカラム(ジャマイカ/米)を大差判定に退け暫定ながらもWBC王座を難なく獲得したロイ。マッカラムは非常に息の長い選手で、1980年代には、当時のミドル級絶対王者だったマービン ハグラー(米)の打倒候補選手の一人として挙げられた正真正銘の実力者でした。

順風満帆に見えたロイのキャリアに思わぬ落とし穴がありました。1997年3月に、地味ながらま中々の技巧派モンテル グリフィン(米)を相手に思わぬ苦戦を強いられていたロイ。9回にようやくダウンを奪い、あとはフィニッシュだけと思いきや、ダウン中のグリフィンに勢い余ってパンチを浴びせてしまい完全にKOしてしまいました。もちろんロイの行為は反則。グリフィンが試合続行不能となったため、ロイは予想外の形、反則負けという形でプロ初黒星を喫してしまいました。

自身の不注意から敗戦を経験したジョーンズですが、5ヵ月後のグリフォンとの再戦は僅か151秒で決着。あっという間に世界王座に返り咲くと共に、ライトヘビー級で一時代を築いていく事になります。WBA、IBF王座を圧倒的な強さで順次吸収していったロイ。数々のマイナー団体もジョーンズを世界王者として認定していきます。2003年まで続くライトヘビー級でのジョーンズ王朝。ロイが下した選手の中には、WBAミドル級、IBF同級王座を獲得したテクニシャン・レジー ジョンソン(米)、WBA暫定王座を獲得したリチャード ホール(米)、後のWBO王者フリオ ゴンザレス(メキシコ)、こちらは後のIBF王者クリントン ウッズ(英)等数多くの実力者がジョーンズの生贄になりました。そしてそのほとんどの選手が何もできないまま、ジョーンズの軍門に下っています。正直、当時のロイの試合を見ていた時、「これはボクシングではなく、いじめや虐待だな」と思いました。

ちなみにゴンザレスは後に、ライトヘビー級王座の23連続防衛に成功していたダリウス ミハエルゾウスキー(ポーランド/独)を下して世界タイトル奪取に成功しています。またジョーンズは、グリフィンに雪辱を果たした後、ライトヘビー級で一時代を築き、クルーザー級でも2度世界のベルトを腰に巻いたバージル ヒル(米)をボディー一発でKOしています。


(実力者ヒルを一蹴したロイ)


ロイ ジョーンズが獲得した王座(獲得した順):
WBC米大陸スーパーミドル級:1992年12月5日獲得(防衛回数0)
IBFミドル級:1993年5月22日(1)
IBFスーパーミドル級:1994年11月18日(5)
WBC暫定ライトヘビー級:1996年11月22日(0)
WBCライトヘビー級:1997年8月7日(11)
WBAライトヘビー級:1998年7月18日(10)
(WBCとの統一王座)
IBFライトヘビー級:1999年6月5日(7)
(3団体統一王座)
IBOライトヘビー級:2000年9月9日(4)
(統一王座の付属)
IBAライトヘビー級:2001年7月28日(2)
WBFライトヘビー級:2001年7月28日(2)
(統一王座の付属その2、その3)
WBAヘビー級:2003年3月1日(0)
WBCライトヘビー級:2003年11月8日(0)
IBFライトヘビー級:2003年11月8日(0)
IBOライトヘビー級:2003年11月8日(0)


(ベルトに巻かれているロイ ジョーンズ)

上記までがジョーンズの全盛期に獲得した王座になり、この下はオマケのようなものでしょうね。

NABOライトヘビー級:2006年7月29日(0)
IBCライトヘビー級:2007年7月14日(0)
NABOライトヘビー級:2009年3月21日(1)
UBOクルーザー級:2011年12月10日(0)
WBUクルーザー級(ドイツ版):2013年12月21日(2)
WBFクルーザー級:2017年2月17日(0)
WBUクルーザー級(ドイツ版):2018年2月8日(0)

NABOはWBOの北米団体として認知度の高い地域団体。WBFも、まあそれなりにメジャーなマイナー団体といっていいでしょう。IBCは1990年代に比較的頻繁に名前を聞きました。WBUはドイツ版と記載しましたが、これ以前にも同じ名前ですが、英国を勢力圏とした団体が存在していました。リッキー ハットン(英)がコンスタンチン チュー(露/豪)を破りIBFスーパーライト級王座に就く前に、長らく保持していたのが初代WBU王座になります。それよりもUBOってなんでしょうかね?


ライトヘビー級でも圧倒的な強さを見せつけていたロイ。1990年代半ばから2000年代半ばまで、誰もが認めた実力No1選手でした。しかしその強さがあまりにも圧倒的過ぎたため、ライバルに恵まれませんでした。その不運なスーパースターが次に目指したのが、何とヘビー級王座挑戦。ロイのターゲットとなったのは、ヘビー級王者としては3流のジョン ルイス(米)。しかし3流とは言え、元ミドル級の世界王者がヘビー級の王座に挑戦し、しかも明白な判定勝利を収めてしまうのですから凄いものです。現在のミドル級のトップ選手であるサウル アルバレス(メキシコ)や、ゲナディー ゴロフキン(カザフスタン)には不可能な事でしょう。


(ヘビー級まで制覇したロイ)

1989年にプロデビューを果たしたロイにとって、ヘビー級王座を獲得した2003年が輝かしいキャリアの最終年になるとは、本人は勿論の事、だれも予想していなかったでしょうね。その年の11月、ライトヘビー級に戻ったジョーンズは、当時WBCとIBF王座を保持していたアントニオ ターバー(米)に挑戦。ヘビー級から体重は再び元のものに戻した影響からか、それまでのジョーンズには見られないシャープさの欠けたボクシングで何とか勝利。ライトヘビー級の王座の3度目の獲得に成功。しかし翌年5月に行われたターバーとの再戦では、まさかの一発KO負け。4ヵ月後にはIBF王者グレン ジョンソン(米)に挑戦しますが、この試合でも体が以前の様に動かず。技術のあるファイター・ジョンソンの前に終盤TKO負けを喫してしまいました。


(ターバーの一発に沈んだロイ ジョーンズ)

翌2005年10月、雪辱を誓いターバーとの第3戦目を行いましたが明白な判定負け。まさかの3連敗(2KO負け)を喫してしまいました。その後中堅選手や、ウェルター級からミドル級の3階級を制したフェリックス トリニダード(プエルトリコ)に勝利を収めるなどして再起路線を歩んでいたジョーンズ。2008年11月に、スーパーミドル級で一時代を築いたジョー カルザゲ(ウェールズ)のラストファイトの相手を務めますが大差の判定負け。2009年から2011年にかけては、豪州の英雄ダニー グリーンに速攻TKO負け。17年ぶりの再戦となったホプキンス戦でも老獪なライバルの前に手も足も出ず。現WBAクルーザー級スーパー王者デニス レべデフ(露)には、試合時間残り2秒を残したところで手痛いKO負けを喫してしまいました。

   
(ロイ、衰えを隠せず)

   
(南太平洋の地に散るロイ)

   
(スーパーミドル級の帝王カルザゲからダウンを奪うも大差判定負け)


あれまあれまという間に、2度目の3連敗(ここでも2KO負け)を喫してしまったジョーンズ。2010年代になると「一体、ロイはいつまで戦い続けるんだ?」、そして「何で戦い続けるんだ?」という疑問が過りました。現在でも経済的には何ら問題のないロイ。ボクシング関連のテレビ取材でも比較的彼の姿を見かけます。日本的な考えで言う“燃え尽きるまで”戦うつもりなのでしょうか?昨年2月の試合(10回判定勝利)以来、試合を行っていないロイ。今年1月に50歳の誕生日を迎えています。


(新旧比較(?)ロイ ジョーンズ)

引退のタイミングの難しさというのでしょうか。本来ならボクシング界はおろか、世間一般でも「ボクシング=ロイ ジョーンズ」といわれていいほどの実績を残した選手です。フロイド メイウェザー(米)やまだ現役のマニー パッキャオ(比)は凄い。しかし少なくとも彼らと同等の評価を受けるべき選手。本当にしかしタラタラと現役生活を続けたため、正当な評価を得られないままここまできてしまった感じがあります。


(昨年2018年2月に行われたロイの最終戦? 結果は無事に大差の判定勝利)

ここ数年は、現役を続けながらプロモーションなど、ボクシング関係の仕事に携わっているロイ。現在もちょくちょく元気な姿を公に見せています。

全盛期のジョーンズは本当に強かった。まさに手をつけられない状態でした。出来ればロイと、彼のライトヘビー級3冠王時代にWBOライトヘビー級を23度防衛に成功したミハエルゾウスキーとのライトヘビー級4団体王座統一戦を、ミハエルゾウスキーの本拠地であったドイツで実現してほしかったです。また、ジョン ルイス攻略後、ライトヘビー級ではなく、クルーザー級にターゲットを絞り、WBCクルーザー級王座を10度守り、ヘビー級でも世界挑戦まで漕ぎつけたファン カルロス ゴメス(キューバ)への挑戦試合も見てみたかったですね。

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ホワイト、暫定ながらも世界ヘビー級王者に(WBCヘビー級暫定王座)

2019年07月23日 00時29分30秒 | 世界ボクシング

先週末20日・土曜日、英国で行われた試合結果です。
WBCヘビー級戦(暫定王座):
ディリアン ホワイト(英)判定3対0(115-112x2、116-111)オスカル リベス(コロンビア)

*長らくWBCヘビー級の1位にランキングされていたホワイト。その実力は認められているのですが、どうしてか中々世界初挑戦が実現せず。現在WBC王座に君臨しているディオンディ ワイルダー(米)も、まるでホワイトとの対戦を避けるように他の挑戦者たちとの防衛戦を続けています。

王者と指名挑戦者が対戦をしないという状況に業を煮やしていてWBCはついに暫定王座設置を決意。今回の試合の直前に世界王座戦として決行されることが発表されています。

9回に不覚のダウンを喫したホワイトですが、そのほかの回は予想通りにリベスをリード。明白な判定勝利を収め、暫定ながらも世界ヘビー級の頂点に立つ事に成功しました。

 

ホワイトが一角を担うことになった世界ヘビー級の頂上。2019年7月23日現在の世界ヘビー級王者の顔ぶれを見てみましょう。

WBA(スーパー):アンディー ルイス(米/防衛回数0)
WBA(レギュラー):マヌエル チャー(独/0)
WBA(暫定):トレバー ブライアン(米/0)
WBC:ワイルダー(米/9)
WBC(暫定):ホワイト(0)
IBF:ルイス(0)
WBO:ルイス(0)

今後のヘビー級戦線の注目はまず、9月に行われるワイルダーとルイス オルティス(キューバ)の再戦と、ルイスとそのルイスに王座を明け渡したアンソニー ジョシュア(英)によるリマッチになります。それらの試合の勝者に、元統一王者でいまだに無敗のタイソン フューリー(英)と、無敵のクルーザー級王者アレクサンデル ウシク(ウクライナ)がいつ頃対戦するかという事になるでしょうね。

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和毅、正規王座獲得ならず(WBCスーパーバンタム級ほか)

2019年07月22日 00時47分32秒 | 世界ボクシング

今月13日、米国・カリフォルニア州で行われた試合結果です。
WBCスーパーバンタム級王座統一戦:
王者レイ バルガス(メキシコ)判定3対0(117-110x3)暫定王者亀田 和毅(協栄)

*12年前になりますが、アマチュア時代にも拳を交えた経験のある両者。その時もバルガスが勝利を収めています。今回、前回の雪辱と共に、正規王者への昇格を目論んでライバルとの再戦に臨んだ和毅。強豪相手に堂々のボクシングを展開。時折放つ右でバルガスを後退させますが、全体的に見てポイント重視のボクシングを展開したメキシカンに若干劣る形に。

最終回に減点1を科され、出された判定は試合内容以上に差のつく形に。残念ながら正規王者への昇格はなりませんでした。敗れたとはいえ評価を上げることには成功した和毅。まだまだ今後の活躍が期待できるでしょう。


北米(NABF)・WBAゴールドスーパーバンタム級戦:
ロニー リオス TKO6回1分17秒 ディエゴ デラ ホーヤ(共に米)

*この試合の主役はデラ ホーヤになるはずでしたがどうしてどうして。2年前に上記のバルガスに挑戦しているリオスが意地を見せました。パワーに欠けるデラホーヤが不用意な打ち合いに挑み、最後はリオスの見事なボディーブローの餌食に。かつてのスーパースター・オスカーの甥っ子は22戦目にして初の黒星を喫してしまいました。

そういえばオスカーが初めて敗戦を喫したバーナード ホプキンス(米)との一番でも、最後はコンビネーションからのボディーで仕留められましたね。

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