DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

一翔、リング復帰へ(スーパーフライ級)

2018年07月22日 00時08分04秒 | 世界ボクシング
9月8日、米国・カリフォルニア州で予定される試合です。
スーパーフライ級戦:
前WBAフライ王者井岡 一翔(井岡>>>SANKYO)対 対戦相手未定

*昨年4月のWBAフライ級王座の防衛戦を最後に、実戦から遠ざかっていた一翔。その後防衛戦の目途が立たないまま王座を返上。大晦日には勢い余って現役からの引退を発表していました。

その時から現役復帰は時間の問題だろうと見られていた一翔。今回、予想通りにリング復帰を発表。当初から噂されていた米国のリングを新天地としていく方針です。

現在までに決定しているのは、一翔が9月8日にスーパーフライ級のリミットでリング復帰戦を行うということのみ。その日の対戦相手が誰か、またその試合が世界戦になるのか、無冠戦になるのかは全くの未定状態。ただ、春先からトレーニングを再開している一翔。新たな階級のウェートに適合すれば、同級の世界王者たちを脅かす即戦力となるのは間違いなしでしょう。

さて、一翔の新天地になるスーパーフライ級王者たちの顔ぶれを見てみましょう(2018年7月22日付)。

WBA:カリ ヤファイ(英/防衛回数3)
WBC:シーサケット ソー ルンビサイ(タイ/2)
IBF:ジェルウィン アンカハス(比/5)
WBO:空位
OPBF(東洋太平洋):アンドリュー マロニー(豪/0)
日本:久高 寛之(仲里/0)

王者たちの顔ぶれを見てみると、中々の選手たちが揃っているようです。早く一翔との対戦が見てみたいですね。
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今週末の試合予定

2018年07月21日 00時39分15秒 | 世界ボクシング
2018年7月第3週末の試合予定です。

21日 土曜日
タイ
10回戦:
WBCスーパーフライ級王者シーサケット ソー ルンビサイ(タイ)対 ベ ヨンキル(韓国)

ロシア
4団体クルーザー級王座統一戦:
WBO/WBC王者アレクサンデル ウシク(ウクライナ)対 IBF/WBA王者ムラト ガシエフ(露)

米国・ネバダ州
WBOスーパーウェルター級戦:
王者ハイメ ムンギア(メキシコ)対 挑戦者リーアム スミス(英)

WBAスーパーフェザー級戦(レギュラー王座):
王者アルベルト マチャド(プエルトリコ)対 挑戦者ラファエル メンサー(ガーナ)


23日 月曜日
後楽園ホール
日本フライ級戦:
王者黒田 雅之(川崎新田)対 挑戦者星野 晃規(MT)


27日 金曜日
後楽園ホール
日本スーパーバンタム級戦:
王者久我 勇作(ワタナベ)対 挑戦者和氣 慎吾(FLARE山上)

エディオンアリーナ大阪第2競技場
スーパーバンタム級10回戦:
辰吉 寿以輝(大阪帝拳)対 ノルディ マナカネ(インドネシア)

中国
WBOフライ級戦:
王者木村 翔(青木)対 挑戦者フローイラン サルダール(比)

WBAミニマム級戦:
王者ノックアウト CP フレッシュマート(タイ)対 挑戦者熊 朝忠(中)
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呂、2戦目で世界王座奪取ならず(WBAライトフライ級ほか)

2018年07月20日 01時56分07秒 | 世界ボクシング
今週15日・日曜日、マレーシアで行われた試合結果です。
WBAライトフライ級戦(レギュラー王座):
王者カルロス カニザレス(ベネズエラ)TKO最終回2分59秒 挑戦者呂 斌(中国)

*挑戦者呂がプロデビューを果たしたのは昨年9月。そして今回がプロわずか2戦目とリングとなりました。いくら呂にアマチュアの実績があり、カニザレスが3流の世界王者とはいえ、挑戦者からすれば無理なマッチメークでした。11回、そして最終回にダウンを奪われた呂。11回終了時までの採点でも、大差の3対0(108-100、107-111、109-99)でカニザレスが支持されていました。

今回の敗戦は致し方ないとはいえ、その負け方、試合でのダメージ/後遺症がきになります。3月に神戸のリングで当時空位だった同王座を獲得しているカニザレス。1位には久田 哲也(ハラダ)君臨しているWBAライトフライ級戦線。近い将来に再来日する可能性が高そうです。


WBAフェザー級王座決定戦(暫定王座):
ジャック テポラ(比)TKO9回2分38秒 エディバルト オルテガ(メキシコ)

*現在のWBAフェザー級には、レギュラー王者だったアブネル マレス(メキシコ)との激戦を制したスーパー王者レオ サンタクルス(メキシコ)が3つあったWBA王座を2つにし、ヘスス マヌエル ロハス(プエルトリコ)が暫定王者として君臨中。だったはずですが、同団体はロハスをレギュラー王者に無条件で昇格させ、新たに第3の王者を誕生させるとは。いくらテポラが今回の興行の目玉だったマニー パッキャオ(比)の同胞だとはいえ、少々やりすぎでしょう。


IBFフライ級王座決定戦:
モルティ ムタラネ(南ア)判定3対0(114-113x2、116-110)モハマド ワシーム(パキスタン)

*内容の濃い35戦のキャリアを誇るムタラネと、今回がプロ僅か9戦目のワシームの対戦。結果は南アフリカ人がそれまでの貯金で逃げ切った形になりましたが、ワシームは11回にダウンを奪うなど格上選手に大いに肉薄。パキスタン国外でキャリアを積んでいるワシームにとり、敗れたとは言え今後が期待できる試合だったのではないでしょうか。
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ツォイゲ、王座から陥落(WBAスーパーミドル級:レギュラー王座)

2018年07月19日 00時59分26秒 | 世界ボクシング
先週末14日、ドイツで行われた試合結果です。
WBAスーパーミドル級戦(レギュラー王座):
挑戦者ロッキー フィールディング(英)TKO5回2分30秒 王者タイロン ツォイゲ(独)

*一昨年の11月に、2度目の挑戦で世界王座を獲得しているツォイゲ。これまでに3度の防衛に成功してきましたが、世界王者としては、ドイツ国外ではかなり知名度が低い選手になるでしょう。今回ドイツ人が迎えたのは、26勝(14KO)1敗と中々の戦績の持ち主であるフィールディング。しかしこの英国人は以前、同国人のカラム スミスに初回で粉砕された経験の持ち主のため、王者が無難に防衛を果たすと思われていました。

出だしは好調だったツォイゲですが、3回、4回と回を重ねるごとにフィールディングが試合を支配していくようになりました。完全に挑戦者のペースとなった5回、左アッパーでドイツ人にダメージを与えた英国人はボディーブローでツォイゲをキャンバスに送ります。試合はそこで、ツォイゲ陣営がストップを要請したために終了。フォールディングは新王者の座に就くと同時に、同国人のライバルであるWBAスーパー王者ジョージ グローブスと、宿敵スミス戦の勝者への挑戦権を獲得しています。
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久田、ダウン挽回の判定防衛に成功(日本ライトフライ級)

2018年07月18日 02時09分28秒 | 日本ボクシング
現地時間の一昨夜(16日・月曜日)、エディオンアリーナ大阪で行われた試合結果です。
日本ライトフライ級戦:
王者久田 哲也(ハラダ)3対0(96-93x2、96-94)挑戦者小野 晃輝(筑豊)

*久田がプロデビューを果たしたのは2003年11月。ベテランの域に入る久田が初の王座に挑戦したのは実に自身39戦目、昨年4月の事になります。その試合がひょっとしたら最初で最後のチャンスだったかもしれない久田ですが、その機会を見事にものにし王座奪取に成功。これまで3度の防衛に成功するとともに、主要団体の世界ランカーとして君臨するようになりました。

16戦目で王座初挑戦となった小野は、3回にカウンターでダウンを奪い中々の滑り出しを見せました。しかし久田はそこから地力を発揮。徐々に徐々にと試合を自分の流れに持っていきゲームセット。最終的には僅差ながらも明白な判定勝利を収め、保持する王座の4度目の防衛に成功。防衛記録のさらなる更新、そして上のベルト挑戦への期待が高まりつつあるようです。
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日本最軽量級、ゴロフキン付近など(色々:07‐17‐18)

2018年07月17日 02時26分11秒 | 世界ボクシング
最近(2018年7月17日ごろ)のニュースです。

1)来月24日、日本国内最軽量級王座を賭けた新旧対決が、ボクシングの聖地後楽園ホールで行われます。4月に、日本王座挑戦4度目で国内ミニマム級王座を獲得している35歳の小野 心(ワタナベ)が、20歳ながらもすでに世界挑戦を経験している加納 陸(大成)を相手に初防衛戦を行います。

2)同じ興行ではミニマム級のOPBF(東洋太平洋)王者小浦 翼(E&Jカシアス)も登場。対戦相手は未定ながらも、保持する王座の3度目の防衛戦を行います。同じ階級に複数の日本人世界王者が存在する事はあまり好みませんが、日本や日本人OPBF王座保持者がこのように共演するというのは、中々好意が持てます。

3)そして今月29日には世界王座への返り咲きを目指す元WBOミニマム級王者福原 辰弥(本田フィットネス)もリングに登場。日本5位の春口 直也(橋口)と8回戦で対戦します。

4)4月に、アルビン ラガンベイ(比)相手にまさかの2回KO負けを喫し、保持していたWBOアジア太平洋王座から陥落した小原 佳太(三迫)。来月9日にラガンベイへの雪辱戦が組まれました。今回は確実な勝利を収めてもらいたいものです。

5)同国人で、先日IBFスーパーミドル級王座を返上したジェームス デゲール(英)との対戦話が噂に上っているWBOミドル級王者ビリー ジョー ソーンダース。WBOはソーンダース陣営に対し、元WBO、WBAスーパーウェルター級王者のデメトリアス アンドラーデ(米)との防衛戦を行うよう指示を出しています。

6)ゲナディー ゴロフキン(カザフスタン)が剝奪されたIBFミドル級王座は、セルゲイ デレイビャンチェンコ(ウクライナ)とダニエル ジェイコブス(米)の間で行われることが大筋まとまっているそうです。

7)ゴロフキンのWBA格下王者である村田 諒太(帝拳)が10月20日、米国ネバダ州ラスベガスで保持するWBAレギュラー王座の防衛戦を行う予定です。挑戦者は正式発表されていませんが、WBAから大戦の支持が出されているロバート ブラント(米)との防衛戦になる模様です。
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パッキャオ、予想外の快勝(WBAウェルター級)

2018年07月16日 03時52分00秒 | 世界ボクシング
現地時間の昨日(16日・日曜日)、マレーシアで行われた試合結果です。
WBAウェルター級戦(レギュラー王座):
挑戦者マニー パッキャオ(比)TKO7回2分43秒 王者ルーカス マッティーセ(亜)

*この試合が決定した時、打ち合い好きな両選手なだけに「好試合は間違いないだろう」と予想していました。そしてパッキャオが勝利は収めるだろうと読んでいましたが、まさかここまでワンサイドの試合になるとは想像していませんでした。

パッキャオは昨年7月、豪州に渡り当地の期待の星ジェフ ホーン(豪)と対戦。パッキャオの衰え以前に、目に余るような調整不足の中で試合に臨み、案の定判定負け。保持していたWBO王座から陥落してしまいました。ホーン戦からちょうど1年。勝敗は勿論のことパッキャオがどのようなコンディションでリングに上がるかにも注目されていました。結果はパッキャオの現在の戦力を疑問視する声も多数ありましたが、ものの見事にその声を黙らせることに成功しています。

試合は初回からパッキャオの一方的なペース。ホーン戦とは打って変わって、上体も足もよく動いたこの日のパッキャオ。右ジャブを気持ちのいいぐらい付き、それに続く左は思い切りよく放たれ、加えて多彩。マッティーセは全くその動きについていくことが出来ませんでした。


(この日、冴えわたったパッキャオの右ジャブ)

3回、勇敢にも打ち合いに臨んだアルゼンチン人。パッキャオは待っていましたとばかりに強打で応戦し、左アッパーでダウンを奪います。

5回終了間際、パッキャオの右ジャブに打たれ疲れたのか力なくキャンバスに座り込んだマッティーセ。試合はいよいよ比国人の一方的なペースとなっていきました。

   
(試合は回を重ねるごとにパッキャオのワンサイドマッチに)

最後は7回、ここでも左アッパーでライバルからダウンを奪ったパックマン。レフィリーはカウント中に試合をストップしています。

戦前の不安視する声に見事な形で答えたこの日のパッキャオ。意外な事にKO/TKO勝利は2009年11月に行わたミゲル コット(プエルトリコ)戦以来となりました。また同時に、パッキャオがWBAのベルトを腰に巻くのはこれが初となります。これまでにパッキャオは、2004年5月にファン マヌエル マルケス(メキシコ)が保持していたWBA/IBFフェザー級王座に挑戦するも引き分け。2005年5月には、WBOウェルター級王者としてWBA/WBC王者フロイド メイウェザー(米)と王座統一戦に臨むも判定負け。実に3度目の正直、自身69戦目のリングでWBAのベルトを獲得したことになりました。


(WBA王座初獲得のパッキャオ)

パッキャオ、次は誰と対戦するのでしょうか。現在のウェルター級戦線、WBAのスーパー王者としてキース サーマン(米)が君臨。WBCは空位で、IBFには新スーパースター候補生のエロール スペンス(米)が、そしてWBO王者はこちらも超実力者のテレンス クロフォード(米)が王座に居座っており、どの王者との対戦も是非実現してほしいですね。
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ミニマム級の山中、早くも陥落(WBOミニマム級)

2018年07月15日 01時52分11秒 | 世界ボクシング
現地時間の一昨日(13日・金曜日)、神戸市立中央体育館で行われた試合結果です。
WBOミニマム級戦:
挑戦者ビック サルダール(比)判定3対0(116-111、117-110、115-112)王者山中 竜也(真正)

*序盤戦は中々の立ち上がりを見せていた山中ですが、7回にサルダールの右で逆転のダウンを奪われてしまいました。ダメージが深刻だった山中は、11回に左まぶたを負傷し大出血。必死に追い上げを図りましたが逆転至らず。昨年8月に熊本で獲得した王座の2度目の防衛に失敗してしまいました。

新王者となったサルダールは、2015年の大晦日に当時の同王座保持者だった田中 恒成(畑中)に6回KO負けして以来の2度目の世界挑戦で世界のベルトを腰に巻くことに成功しています。


WBOアジア太平洋ライトフライ級王座決定戦:
小西 伶弥(真正)KO12回1分2秒 オーリー シルベストレ(比)

*3月に世界王座挑戦以来の再起戦となった小西。少々もたついた感は否めませんが、対戦相手を最終回にKO。日本ミニマム級王座に続いて、自身2つ目のベルトを獲得しています。
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今週末の試合予定

2018年07月14日 00時26分55秒 | 世界ボクシング
2018年7月第2週末の試合予定です。

14日 土曜日
ドイツ
WBAスーパーミドル級戦(レギュラー王座):
王者タイロン ツォイゲ(独)対 挑戦者ロッキー フィールディング(英)

米国・ルイジアナ州
WBCスーパーライト級戦(暫定王座):
王者レジス プログレイス(米)対 挑戦者ファン ホセ ぺラスコ(亜)


15日 日曜日
マレーシア
WBAウェルター級戦(レギュラー王座):
王者ルーカス マッティーセ(亜)対 挑戦者マニー パッキャオ(比)

WBAライトフライ級戦(レギュラー王座):
王者カルロス カニザレス(ベネズエラ)対 挑戦者呂 斌(中国)

WBAフェザー級王座決定戦(暫定王座):
ジャック テポラ(比)対 エディバルト オルテガ(メキシコ)

IBFフライ級王座決定戦:
モルティ ムタラネ(南ア)対 モハマド ワシーム(パキスタン)


16日 月曜日
エディオンアリーナ大阪
日本ライトフライ級戦:
王者久田 哲也(ハラダ)対 挑戦者小野 晃輝(筑豊)
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この階級、この選手(フェリックス トリニダード:スーパーウェルター級③)

2018年07月13日 03時54分10秒 | ボクシングネタ、その他雑談
1990年代初頭からこれまでの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を各階級3人ずつ挙げていっています。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級の実力№1とは限りません。個人的に思い入れのある選手、または印象に残った選手が中心となります。

今回がスーパーウェルター級の第3弾、最終回となります。同級の第一弾で登場したのがテリー ノリス(米)でした。私(Corleone)がこの企画を始める時、「スーパーウェルター級では必ずノリスを登場させよう」と決めていました。今回の主人公はフェリックス トリニダード(プエルトリコ)。ウェルター級、このスーパーウェルター級、そしてミドル級の3階級で世界王座を獲得した選手です。


(今回の主人公、フェリックス “ティト” トリニダード)

トリニダードもノリスと同様に、この企画では必ず書こうと決めていた選手でした。しかしどの階級で登場させるかが少々悩みました。42勝(35KO)3敗(1KO負け)という素晴らしい終身戦績の持ち主であるトリニダード。彼の愛称はティト(Tito)と中々可愛らしいものでした。そのティトがプロデビューを果たしたのは彼がまだ17歳だった1990年3月10日。トリニダードの母国であるプエルトリコからは、よく早熟の天才児が誕生してきましたが、彼もその天才児の内の一人。しかしトリニダードは他の天才児たちと違う点は、そのピーク時を長く保ったということでしょうね。驚くなかれトリニダードは、プロ転向前にアマチュア経験があり、プエルトリコ国内王座に5度就くというまさに麒麟児でした。

とにかくパンチが切れましたよね、この選手は。特に変わった特徴的なボクシングをするわけではありませんでした。ガードをしっかりと構えて、常に小刻みに上半身を振りながらすり足気味のフットワーク、ステップを止めない。ていねいにジャブを放ちながら鋭い右、切れ味抜群の左フックで対戦相手にダメージを与え沈めていく。相手の顔面ばかり狙うヘッドハンター気味のきらいもありましたが、IBFウェルター級の14度目の防衛戦で見せたように、ボディーでKOする時もありました。

相手をバッタバッタと次から次へと倒しましたが、自身がコロコロとリングに転がる場面も多数演出しました。面白い事に、トリニダードが唯一KO負けを喫したバーナード ホプキンス(米)戦と、最終戦となったロイ ジョーンズ(米)との一戦以外に喫したダウンは、すべて2回に起こりました。トリニダードが現役時代の頃有名な話でしたが、ダウンはトリニダードにとって目覚まし時計の役割を果たしていたというのは興味深いですよね。

最終戦を2008年1月19日に行ったトリニダード。スーパーライト級で始まったそのキャリアですが、最後はライトヘビー級で戦っています。まあ、最後のロイ ジョーンズ(米)との一戦のみライトヘビー級(ほとんどスーパーミドル級の体重)で戦っており、実質はミドル級までと考えるべきでしょう。

トリニダードのキャリアを振り返ってみると、彼が行った全45戦がいかに充実していたかが分かります。何といってもそのキャリアの約半分の21戦を世界戦というひのき舞台に登場したのですから。トリニダードのキャリアは大きく4つに区切ることが出来るでのはないでしょうか。

第一期はプロデビューから19戦目、1993年5月8日に行った対コリン トムリンソン(セネガル)まで。トリニダードはこのトムリンソンとの戦いの次の試合で世界王座を獲得しています。スーパーライト級のリミットより若干軽い体重から、ウェルター級リミットを少し上回るウェートで戦ったこの間のティト。母国プエルトリコのリングを中心に、イタリア、フランス、米国(マイアミ州)、メキシコのリングにその雄姿を現しています。この間、KO/TKO出来なかった試合は僅か3。その間にトリニダードが戦いった著名選手には、2度世界王座に挑戦したアルベルト コルテス(亜)や、後のIBFスーパーライト級王者ジェイク ロドリゲス(米)が含まれています。

第二期はウェルター級での世界王者時代。1993年6月19日にモーリス ブロッカー(米)を僅か2回で仕留めた試合から、1999年9月18日に当時のスーパースター・オスカー デラホーヤ(米)を僅差の判定で破り、WBC王座を吸収した試合までになります。ブロッカー戦は上記のトムリンソンから僅か1ヵ月後に行った試合。それらの試合が僅か初回、2回で終わったからといっても驚異的な試合ペースですよね。ウェルター級での活躍のみに焦点を当てたとしても、トリニダードがプエルトリコ史上、いやボクシング史上有数の実力者だったといっていいでしょう。同級でトリニダードか重ねた防衛回数は何と15。これは凄い数字なんですが、なぜだかあまり話題にあがりません。ちなみにウェルター級での15連続防衛というのは、ヘンリー アームストロング(米)が築き上げた19に次ぐもの。トリニダードが世界ウェルター級王者として君臨した6年8ヶ月半というものは、同級史上最長となります。

      
(デラホーヤを破り、WBC王座を吸収)

トリニダードがウェルター級王者時代に打ち破った選手たちの中には、3階級を制覇したプエルトリコの先輩で、スピードスターだったヘクター カマチョ。後にIBFスーパーウェルター級王座を獲得する百戦錬磨のメキシカン、ヨリ ボーイ カンパス。トリニダード、アイク クォーティー(ガーナ)、デラホーヤと当時のウェルター級の超一級を苦しめた無冠の帝王オーバー カー(米)。IBFライト級の王座に就いたしぶといフレディー ペンドルトン(米)。ボクシング史上屈指のテクニシャン、パーネル ウィテカー(米)。まあ、トリニダードと対戦した時のウィテカーは全盛期をかなり過ぎてはいましたが。そして最後は6階級を制覇したデラホーヤ。こう並べてみると、ウェルター級時のトリニダードがいかに凄かったかは一目瞭然です。

   
(歴戦の雄、カマチョ、ウィテカーを寄せつけず)

第三期は最初の2期に比べて非常に短い期間になります。その期間は2000年に行った僅か3試合のみ。ウェルター級王座獲得前や、ウェルター級王者時代にスーパーウェルター級の無冠戦に登場しましたが、あくまでここでの焦点は、スーパーウェルター級で行った3つの世界戦のみに限定します。

デラホーヤ戦前から減量苦に直面していたトリニダード。147ポンドのウェルター級から154ポンドのスーパーウェルター級に階級を上げたプエルトリカンは、まさに水を得た魚。強豪選手を達を見事なパフォーマンスで破っていきました。まずは2000年3月。アトランタ五輪で米国に唯一の金メダルもたらしたデビット リードをバッタバッタとフロアに送りまくりWBAスーパーウェルター級王座を獲得。同年7月、欧州で敵なし状態だったママドゥ チャム(仏)を相手に会心のパフォーマンスを見せ初防衛に成功。そして最後はその年の師走、暴れん坊フェルナンド バルガス(米)を劇的な最終回TKOに破りIBF王座の吸収に成功。この年のトリニダードはまさに怒涛の快進撃。デラホーヤが持っていたスーパースターの称号を強奪するとともに、自身の勢いに歯車をつけていきました。2000年という年はまったくもって、トリニダードのためにあった一年と言っていいでしょうね。

  
(リードを下し、2階級制覇に成功)

      
(大激戦だったバルガスとの統一戦)

トリニダードが獲得した王座(獲得した順):
IBFウェルター級:1993年6月19日獲得(防衛回数15)
WBCウェルター級:1999年9月18日(0)
(*2団体ウェルター級王座の統一に成功)
WBAスーパーウェルター級:2000年3月3日(2)
IBFスーパーウェルター級:2000年12月2日(0)
(*2団体スーパーウェルター級王座の統一に成功)
WBAミドル級:2001年5月21日(0)

(*トリニダードはキャリアの後半に下部組織王座をいくつか獲得しましたが、明確な情報/タイトル名が分からないため割愛させていただきます。)

スーパーウェルター級での活躍に満足することなく、ミドル級に進出を図ったトリニダード。2001年の5月には、日本でもお馴染みのウィリアム ジョッピー(米)を豪快に破りWBAミドル級王座を獲得。楽々と世界3階級制覇を達成してしまいました。後々考えてみると、ミドル級進出はかなり急ぎすぎていた感があります。ジョッピーが予想以上に早く終わり(5回)、パンチの切れもウェルター級、スーパーウェルター級時に劣らず。しかしここらで先を急がずに、数度の防衛戦を重ねていたらそれ以後のキャリアもかなり違っていたのではないでしょうか。まあそんなことを言ったらきりがないですが。


(ミドル級のジョッピーすらよせつけず)

同年9月、当初は同月の15日に予定されていた試合でしたが、試合地であった米国・ニューヨーク州で起こったテロ事件のために2週間延期となった3団体ミドル級の王座統一戦。WBA王者トリニダードは、自身キャリア最強の相手と対戦することになりました。トリニダードが拳を交えたのは、IBFとWBCの2冠を保持していたバーナード ホプキンス(米)。ホプキンスは今でこそミドル級史上最高の選手の一人として数えられていますが、当時はまだ、実力がある地味な選手程度にしか認知されていませんでした。「トリニダードが3団体王座統一に成功するのでは?」という期待的予想もあったのですが、この試合での主役はあくまで苦労人ホプキンスでした。トリニダードは最終回にTKO負けを喫してしまいますが、11回終了時までの公式採点でもホプキンスに大きく後れをといっていました。また、試合内容もトリニダードの逆転が予感出来るものではなく、ホプキンスが徐々に、徐々にとライバルを追い込んでいくものでした。この試合後からですよね、ホプキンスがその実力を本当に評価され始めたのは。そういえばリカルド ロペス(メキシコ)の最終戦、対ゾラニ ペテロ(南ア)との一戦はこの試合と同じ興行で行われました(ロペスの8回KO勝利)。

   
(ホプキンスには完敗)

41戦目にして、初の黒星を喫してしまったトリニダードですが、一言でいえば相手が悪かったです。ホプキンスはこの後、デラホーヤすらもKOしてしまうんですから。このホプキンス戦も含め、トリニダードにとっての第四期はミドル級から引退まで。彼のキャリアにとっておまけのようなものでしょう。翌年5月、元WBCミドル級王者アッシン シェリフィー(仏)との再起戦に臨んだトリニダード。この試合のトリニダードは、ウェルター級やスーパーウェルター級時を彷彿させる切れ味鋭い素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。それはまさしく、「トリニダードもミドル級の体に慣れてきたな」と思わせるものでした。しかしシェリフィー戦後、ホプキンスとの再戦交渉が難航したため、トリニダードは現役からの引退を発表してしまいました。

その後2004年10月にリング復帰を果たしたトリニダード。問題児リカルド マヨルガ(ニカラグア)をドタバタの打撃戦でTKOしました。再起には成功しましたが、それは全盛期からは程遠いいボクシング内容でした。案の定翌年5月に行ったロナルド ライト(米)との一戦では、ピーク時のトリニダードなら勝利することは難しくなかった相手に大差の判定負け。ここで再び引退を表明しています。ここで潔く現役から身を引いていればよかったのですが、2008年1月にもう一度リングに登場。トリニダード同様、全盛期から程遠いいパフォーマンスしか見せられないロイ ジョーンズに完敗し、3度目の引退を表明。ようやく完全なる現役からの徹底をすることになりました。


(ライトにいいところなく敗れたトリニダード)

トリニダードが現役から引退した後、ウェルター級、スーパーウェルター級には幾人もの優れた選手が登場しました。しかし最高時のトリニダードに対抗できるのは、フロイド メイウェザー(米)とマニー パッキャオ(比)ぐらいなものでしょう。トリニダードの後輩であるミゲル コット、ケガさえなければ現役ウェルター級トップであろうキース サーマン(米)、スーパーウェルター級で世界王座を同時制覇したチャーロ双生児(米)らは明らかに格が落ちるでしょう。

トリニダードがウェルター級王者時代の対抗馬だったアイク クォーティ(ガーナ)や、スーパーライト級で活躍したコンスタンチン チュー(露/豪)との一戦も見てみたかったですね。カマチョやウィテカーが全盛の時に戦っていたら、どのような結果になっていたのでしょうか。そういえば一時、トリニダードがウェルター級王者だった時、スーパーウェルター級のテリー ノリス(米)との対戦話も出ていました。この試合も見てみたかったです。

書きながら思ったんですがこのトリニダード、全階級を通じても思い入れ、または印象に残った選手のトップ陣の一角を担いそうな感じがします。
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