今から30年前の昨日となる1995年8月23日、フランスで行われた試合結果です。
WBAウェルター級戦:
王者アイク クォーティー(ガーナ)TKO4回44秒 アンドリュー マレー(ガイアナ)
*世界王座を獲得する前から非常に評価が高かったクォーティー。世界タイトル獲得後も、一戦ごとにその評価を盤石とする安定したボクシングを披露し続けています。
クォーティーが3度目の防衛戦に迎えたマレーは、名伯楽エマヌエル スチュワート氏の指導を受ける長身サウスポー(左構え)。挑戦者はクォーティーのプレッシャーに飲み込まれないようにするためか、試合開始直後から必死で左右のパンチを振るい続けます。それに対し王者は、持ち前の固いガードからストレートのような左ジャブでマレーに迫っていきます。
(真夏のフランスで行われたWBAウェルター級戦)/ Photo: JO Sports Inc.
挑戦者が中々の好スタートを切ったこの試合でしたが、初回終了のゴングと同時にガーナ人の右がものの見事に挑戦者の顎を捕えダウンを奪います。マレーは、もしあと数秒あれば、そこで試合は終わっていたであろうほどの大ダメージを被ってしまいました。
(左ジャブで多大なダメージを与え、右で追い打ちをかけるクォーティー(背中))/ Photo: Youtube
サウスポー相手に左ジャブで追い詰めていくクォーティー。時折放つ右パンチは、一発で相手を沈める事が出来るほどの威力のあるもの。マレーも頑張っているのですが、両者のパンチの的中率と威力が違いすぎるため、秒を追う毎に挑戦者にとり不利の場面が増えていってしまいます。マレーからしてみれば自分のパンチが当たらず、しかしどの距離からもガーナ人のパンチが飛んでくるため、どうしようもなかったでしょうね。
最後は4回、クォーティーの右が好打したところでレフィリーは、マレーが左右の目尻を切っていたためにドクターにチェックを要請。少々早いストップに思えましたが、そこで試合は終わっています。
好選手相手にまたまた盤石な強さを見せつけたクォーティー。この時期、対抗王者としてWBCにはパーネル ウィテカー(米)、IBFにはフェリックス トリニダード(プエルトリコ)が君臨していました。安定では、クォーティーがウィテカーとトリニダードを既に凌いでいたと言って過言ではないでしょう。