キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

小室節に惹かれて

2024年05月21日 | Weblog
本というものは読み終ればいいってもんじゃないが、先ずは楽しいってことが重要で、そうでなければ最後まで読み通すことなんてできない。
読書に関しては若い頃から「水道管の水垢理論」で、兎に角ジャンジャン好きな本を読んでりゃ、その内、水道管に溜まる水垢のように、なにがしらが残り、無理やり覚えたもんじゃないから身に付いているだろうって考えだった。

一所懸命書いてあることを覚えようとか、理解しようなんて思わず読んで、4,5千冊くらい読んだところで、過去に読んだ本が有機的につながって来てさらに面白く読めるようになった気がする。
先ずは、教養だとか見識だとかよりは娯楽の意味合いが強く、系統立てた知識が身に着いたとも思えないが、少なくとも関連した事柄が頭にあるものだから、新たな事柄が出て来ても奥行きがあって楽しい。

今朝、小室直樹「これでも国家と呼べるのか」を読了したが、小室直樹は再読三読していて、赤青鉛筆で線を引き、書き込みをしながら楽しんでいる。
そんな事をするのもここ5年くらいのことで、それはジジイになり世の中がおかしいぞと思い、若いやつらのために少しは良くしてから死にたいからだ。
先ずは何がおかしくて、その原因は、その処方箋はあるのだろうかと思う時、小室直樹は原理的に物事を嚙み砕いて説明してくれるから、僕のような政治、経済、社会、歴史に疎い者に、明確にそれらを提示してくれ、腹の底から合点がいく説明をしてくれる。
数学、経済学、社会学、心理学、法学などを収めているから、専門家でありジェネラリストで、専門馬鹿にありがちな偏狭なところで論理が閉じない。
まあ、こういった天才が夫々の学界にいてもらっちゃ困るだろうから、疎んじられたのは良く分かるが、これほどのものを読まない手はない。
一般向けの啓蒙書が多く出ているが、入手困難なものもある。
詰まらねえ学者の全集なんか出さなくていいから、どこかの版元で小室直樹全集を編んでくれないものか。

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