キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ベッペ

2023年04月21日 | Weblog
火曜日は天中殺ような日だったが、今日は嬉しいことがあった。
6年間音信が不通だったイタリアのベッペから連絡があったのだ。
15年前に江ノ島で夕日を全身で受け止め一緒に異次元に飛んだことがあり、お互いの片言英語では共感できなかったところまで踏み込んだ。

元有能な食品会社の営業部長だったが、ワインメーカーに転身して、素晴らしい白を造った。
20年前にトリノの展示会で会い、そのSolo Lunaを飲んで感銘を受け、イタリア嫌いだった僕をイタリア好きの秘書の女性が、嫌がる僕をひぱって連れて来てくれたのだが、こんなすごいワインがあるのかと一気にイタリア好きになった。
アルネーゼという品種で造られていたが、毎年ブルゴーニュへ行き世界最高峰と目される白を飲み、それに匹敵するワインを造ることに精魂を傾けた結果のワインだった。
アリエ産のオークを数年雨に晒して、最後は川で晒し、樽に仕立てなんとも絶妙なバニラのような風味をバターのようなワインに付けてルナティックなワインに仕上げた。
こんな繊細な舌を持った人間がイタリアにもいるんだなあと驚いた。
目がぎょろっとしたスキンヘッドのオアニイサンで、彼も何度も試飲をして席を離れなかった僕を特別なやつだと大きな目を見開いて見守っていた。
以来やけに気が合い、彼の眼にかなったピエモンテのワイン、バローロやバルバレスコやアスティの蔵を自ら運転して紹介してくれた。
元々バルベーラの造り手として10年以上連続してNO1の評価を大学から受けていたが、日本ではこのバルベーラという品種が受け入れられなかったように思う。
果実味がストレートに強く、味わいの襞や奥行きが感じられないこの品種の特徴が、比較的高い価格がワインに求める要素と合致しなかったのかもしれない。
ともあれ日本にやって来て販促活動もしてくれたが思ったように売り上げが伸びなかった。
まあ、当時は量販店へのワインの納品がメインだったから、彼のワインのようなミドルクラスの高品質のワインを売る能力が会社に無かったのが決定的だったのだろう。

彼が紹介してくれたバローロのメーカーとやって来て平塚に宿を取り、七夕見物をした。
その時観た神輿の発着の時に拍子木でやる手〆をやけに気に入り、その後の試飲会やディナーパーティの〆で三三七拍子をやらないと納まらなかった。

イナリヤト食文研のワインとビールはこちらからご覧になれます





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