キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

キャンティについて

2023年04月20日 | Weblog
狸穴の「キャンティ」は荒井由実が高校生時代に通ったイタリアンレストランとして高名だが、後年訪ねた時にはどうってことない昭和を感じさせるイタリアンで、ここが音楽やファッションや文化の発信地となったサロンだったことを思い起させるものは何もなかった。

それほど時代は早く過ぎ去り色々なものを置き去りにしたわけだが、キャンティワインはどうかと言うと、イタリアとして思い浮かべる言葉としていまだに上位に位置しているらしい。
日本では、かつて皆が知っているワイン故に価格競争に巻き込まれ、これがキャンティかと思われるような粗悪品が流通したせいで、どうもキャンティは低価格低品質のワインであるという認識が僕の同年代の女性にはあるようだ。
同じように推移したワインにムスカデ、ロゼダンジュ、シャブリ、リープフラウミルヒなどがある、シャブリだけは価格が高く品質管理が厳しかったせいで一定のレベルを保っているので、今もよく飲まれている白ワインのようだ。
きちんと統計を調べていないから断定はできないのでこのような物言いになっているが、ご容赦いただきたい。

17社メーカーが来日したが3時間で試飲商談が出来たのは8社だけであった。
ワインを試飲しながら、栽培方法や醸造方法、メーカーの来歴やワイン造りの方針などを聴きだしていると結構な時間が取られるもので、となるとワインの本数やラベルら担当者の顔つきなどからここぞと思うところを選んで商談に入ることになる。
イナリヤトは僕のポケットマネーでやっている小さな会社だから、大きな数量を期待している会社とはマッチングしない、家族経営であまり販売量をプッシュしない会社が望ましく、「カネを残すのは下、モノを残すのは中、ヒトを残すのが上」と云われるが、こんな考えを持った人は世界中にいるもので、類は友を呼ぶのか今まで付き合ってきたメーカーはこのタイプのところが多かった。
実際、商談をしていても栽培やワイン造りで話しが盛り上がるような人は、自作のワインを丁寧に日本に紹介してくれることを望んでいることが多く、お互い気持ちよく仕事が出来ることが多い。
やとわれのセールスマンで会社から大きなノルマを掛けられているような人とは当然話が合わないから去って行くことが多い。
ワインが良い悪いも重要だが、ここが一番のポイントになる。
今娘がやっているが、先方の担当者が同じ年ごろで、30年経ったときには次の世代が会社を切り盛りすることになるが、娘もその頃まで仕事が続けられたら楽しいんじゃないかな。
サン・テステフのシャトー・オー・マルビュゼの現当主は、30年前にオヤジの下で仕事にデヴューしたとき、初めて迎えた海外の客が僕だったとのことで忘れられないと、10年前くらいに尋ねた時に懐かしがって随分と良くしてくれた。
そういうのって昨日や今日で出来上がる関係じゃなくかけがいのないものだよなあ。

イナリヤト食文研のワインとビールはこちらからご覧になれます




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