今年は湘南にも雪の予報が多く、実際今朝今年二度目の雪を見ました。六時に窓の外を見たら、大型の牡丹雪のような白いものが盛んに屋根にあたり、七時前には庭の椿に白く綿菓子のように降り積もりました。しかし八時には雪が雨に変わり、折角の薄化粧が場末のキャバレーのホステス嬢の寝起きの斑化粧のごとく変わってしまいました。
昨夜からの雪の予想で、こんな時には部屋を暖かくして籠もっているにしくは無く、昨日購入した井上靖「あすなろ物語」を読みふけっておりました。子供の頃に読んだ記憶があるのですが、今回読んでみますと始めての小説のような気がいたしました。先日読んだ短編集に井上靖が一編編まれていて、流れるような文体に心地よさを感じ、何か別のもので再度心地よさを味わってみようと思っておりました。予想通り心地良く読了いたしましたが、昭和29年に発表されたこの小説の懐かしき時代背景と、井上靖が少年期過ごした湯ヶ島の家に、文学好きの友人に連れられて行った高校の頃の時間が重なり、虚実入り混じった時間と場所が複雑な入れ子構造になり、さらに心地良さが増幅したようです。
種村季弘さんに「雨の日はソファーで散歩」という本がありますが、「雪の日は炬燵で散歩」がよろしいようですね。
昨夜からの雪の予想で、こんな時には部屋を暖かくして籠もっているにしくは無く、昨日購入した井上靖「あすなろ物語」を読みふけっておりました。子供の頃に読んだ記憶があるのですが、今回読んでみますと始めての小説のような気がいたしました。先日読んだ短編集に井上靖が一編編まれていて、流れるような文体に心地よさを感じ、何か別のもので再度心地よさを味わってみようと思っておりました。予想通り心地良く読了いたしましたが、昭和29年に発表されたこの小説の懐かしき時代背景と、井上靖が少年期過ごした湯ヶ島の家に、文学好きの友人に連れられて行った高校の頃の時間が重なり、虚実入り混じった時間と場所が複雑な入れ子構造になり、さらに心地良さが増幅したようです。
種村季弘さんに「雨の日はソファーで散歩」という本がありますが、「雪の日は炬燵で散歩」がよろしいようですね。