夏目漱石の草枕
夏目漱石の墓
草枕 2021年1月9日
「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。
情に掉させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。
~~
越すことのならぬ世が住みにくければ、
住みにくい所をどれほどか、
寛げて、
束の間の命を、
つかのまでもすみよくせねばならぬ。
ここに詩人という天職が出来て、
ここに画家という使命がくだる。
あらゆる芸術の土は人の世を長閑にし、
人の心を豊かにするが故に尊い。」
草枕 夏目漱石
岩波文庫より抜粋
漱石先生の仰る通りだと、
一昨日あたりから、百回ぐらい
このページを繰り返し読みました。
最初の一ページから二ページかけて、
「とかくに人の世はすみにくいけれど、
向こう三軒両隣の人と繋がることが
人というもの」であることも書いています。
人との繋がりが幸福感を生みますが、
災いを生むのも、また人であり、
だったら、人でなしの国へいけ、と
漱石先生は言っていますが、
人でなしの国へ行ったら、ろくなことはない、
と括っています。
自分の置かれた場所が
窮屈であろうが、それであるからこそ
芸術が生まれる事を、
漱石先生は仰っています。
確かに、この一年間、
窮屈な思いをしてはいますが、
それに伴い表現されるもので
素晴らしいカルチャーにも
出合うようになってきました。
人でなしの国へ行く事よりも、
この条件で、生み出されるものを
生み出していくと、
新たに何かへと繋がっていくのです。
私が社会で何の役に立っているかは
わかりませんが、
自分の個性の美と関わる人々との
関係性が尊い事だけは、
しみじみと感じています。
この一年も
「できることをやる」に
務めれば、それで良し。
漱石先生に感謝です。
雑司ヶ谷霊園入り口
;;;
雑司ヶ谷方面に用事があったので、
一昨日夏目漱石のお墓参りをし、
雑司ヶ谷霊園を散策していたら、
漱石がファンだったと言われている
詩人の大塚楠緒子のお墓を発見しました。
「あるだけの菊投げ入れよ棺の中」
と詠んだ漱石先生の
楠緒子への思いを改めて
想像しながら手を合わせると、
急に突風が吹いて、空が轟と鳴りました。
江戸時代から明治にかけての
表現者の営みから
令和三年の私達が
何ら変わらない普遍性を見、
人として生まれてよかったと、
漱石先生と同じ思いと至りました。
詩人の大塚楠緒子の墓
1月12日から紅葉坂勉強会が始まります。
会場も普段通りの運営ですので、予定通り行います。
皆様にお会いするのを楽しみにしています。
①
目黒カルチャースクール
第1金曜日
2021年2月5日
13:00~15:00
②
目黒カルチャースクール
第3金曜日
2021 1月15日
13:00~15:00
11月はNPOキュール15周年記念展のためお休みです。
ご注意ください。
②
綾子塾「生き甲斐の心理学」
場所:横浜桜木町 婦人会館
時間:13時~15時半
日程:2021年1月12日第4回(第2火曜日)
(綾子塾は、限定メンバー制)
③越乃生き甲斐の心理学
場所:横浜桜木町 婦人会館
(公開講座)
時間:13時~15時半
日程:2021 1月28日第2回(第4木曜日)
紅葉坂植村勉強会
場所:横浜桜木町婦人会館
日程:2021年2月2日火曜日