五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

育まれている

2014年10月19日 | 第2章 五感と体感
身体の成長は目に見えますが、人の考え方や解釈の仕方について成長したことを感じるのは、関わる人と継続的に付き合って行かない限り見えてきません。自分自身についても過去の事と比較できる事象が起きて初めて気付いたりするものです。

自分の考え方、行動の仕方、湧き出す感情の取り扱い方に何らかの問題を自分自身が感じ、そこで何かを変えようとしても、自分自身が育まれてきた環境の中で自然に身についてきたことを劇的に変えることは難しいかもしれません。

いろいろな体験を通して、自分自身を比較考察しながら自分が育まれていることに気付くのは、随分人生を歩んできてからのほうが意識化しやすいようにも思います。

自分だけが頑張っていても、見守る他者が評価して初めて喜びや口惜しさを感じるものであり、誰も評価してくれなければ、徐々に虚しさが自分の考え方や感情にに投影されて、孤独の淵に追いやられてしまいます。
その孤独感を他者にまき散らしても、大人になれば、他者は上手にその人を交わし、ますます孤独感が増していくようです。

大人になると、成果については評価はあるでしょうが、自分の成りについて他者から評価させることはなかなかありません。

そんな中でも、「自分が育てられている」と、感じながら、日々を送る人とそうでない人では、器の大きさに随分差異が出てくるようにも思います。

自分が誰かに育まれていることを感じていると、自ずから謙虚な気持も湧くでしょうし、礼儀も正しくなるでしょうし、人を思いやる気持ちも育ってきます。

心の器にしても、技術的な技量にしても、人の成りは留まることは無いようです。

育まれている自分を大切にすることは大人の嗜みであることを肝に置きたいと思うのです。


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