五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

喪失の只中

2011年12月27日 | 第2章 五感と体感
先日、被災地の雇用事情について報道されていました。

「被災地の経営者が会社を復興させ、稼働するにあたり雇用をしようにも人が集まらない。生活保護で生活している方々が働こうと思っても、会社から支払われる給料が見合わない。それだったら生活保護を受けていた方が良いから働くことを躊躇する」という内容でした。

お金だけの問題なのでしょうか?
と、いう疑問が私の頭に浮かびました。

「事実は事実」として報道することは大切ですが、「個人的解釈を強調してほしくない」と不愉快な気分になりました。

確かにお金は大事です。生きていく上でなくてはならないものです。

でも、震災からまだ一年も経っていません。
心の中は、これから新年を迎えるにあたり、去年のことを思い出すと、あまりの落差に不安感が増して来られる方のほうが多いかもしれません。
今までの暮らしを思い出し、そこから湧き出してくる不安感は、私達が簡単に表現できるものではないはずです。

大きなショック体験を生きていくために前向きな解釈が出来るまで、まだまだ時間のかかる方が多いことを忘れてはならないと思います。

画家シャガールは、最愛の妻ベラを亡命先のニューヨークで亡くしました。あれだけ絵を描くことを空気のように感じていた画家であっても、その空気を吸う事ができなくなりました。画筆は止まり、一年間筆を持つこともできず、ようやく描くことができた作品は、私達がイメージしているシャガールとはかけ離れた暗く孤独で寂しく真っ暗な絵でした。

恐怖感、喪失感、孤独感、無気力感…

事あるごとに押し寄せてくる底なし沼のような不安感は、誰が何をケアーしようともまだまだ拭えるものではないはずです。

活動することで乗り越えようと必死になっている人も、
動くことができず、毎日が不安な人も、
「私は何のために生きているのか」「私の生き甲斐は何か」「私は魂と身体と心を大切にしているか」という「三つの思索」を心の中で自分に問うてみることが大事なようです。

大きなショックを受けている人々の乗り越え方はその人の個性そのものです。
画一的な解釈をするのではなく、それぞれの方々心の深さを配慮することは、私達の想像力にも繋がっていきます。

報道する側も一方的な情報を流すことに囚われず、観点を変えながら総合的に捉えて報道してほしい、と思いました。

まだまだ精神的なショックが大きく、動くことが出来ない方々も大ぜいいらっしゃることを心に留めていたいものです。

損だ、得だ、ということばかりを強調して報道するのは、胸が痛みます。

人を大切にしたいと思う一人の納税者の意見として、述べさせていただきました。

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