シャガールはユダヤ教徒でしたが、ある時期を境にキリストの磔刑を絵画の中に取り入れていきます。
大きな二つの大戦に巻き込まれた人生は、ピカソがゲルニカを描いたように一見メルヘン的な絵画は、旧約聖書で育ったシャガールの愛の概念に新約聖書が加わっていくことで表現の視野をより広く深くしていくように見受けられます。
ひとつの宗教概念に囚われる表現に危険性を感じる時代であったとも云えるでしょう。第二次世界大戦後、シャガール制作のステンドグラスはカトリック大聖堂に射す光に色彩を加えていきます。
シャガールの絵画を商業的に扱う人々は彼を「愛と幻想の画家」と称していますが、実はシャガールの見える世界、つまりシャガールは自分自身のの内にある真実を描いているのです。
只今全国巡回中のシャガール展では、そのことについても焦点を当てています。
作品の中に実はふんだんにシャガールの生育史やユダヤ教の要素が散りばめられているのだということを知ると作品の見方も変わってきます。
シャガールの商業的作品、舞台芸術、そして旧約聖書を描いた大作の一連等、どれもシャガール自身のリアリティを描いていることを理解することで、私達見る側に「感ずること」が急に豊かに広がっていくようにも思います。
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東急セミナーBEたまプラーザにて10月19日(土)10時半~12時半「生き甲斐の心理学で自分の旅を考える」講座を行います。
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