顔真卿展 東京国立博物館
2月24日までトーハクで開催中の顔真卿展を観てきました。
安禄山の戦いの真っ只中に生きた顔真卿は、
楷書の祖と云われています。
玄宗皇帝が楊貴妃に現(うつつ)を抜かし、
それゆえに起こった安禄山の戦いが起こります。
日本では奈良の平城京に都が移され、
聖武天皇が即位し、東大寺が出来たころのお話です。
この歴史の流れと、唐と日本、
そして、百済や新羅、高句麗との関係を
私なりに整理するにはもってこいの展覧会でもありました。
書と云えば、王義之と云われておりますが、
王義之「右軍」とは、明らかに違う書体を持ち、
しかも、正直な感情をそのまま字に表すことで、
ビンビンと読む者に響かせる顔真卿の書は、
1300年後に、私が読んでも、強く胸打つものでありました。
どこか空海と似たところがあり、
心技体を投影した書が、ヒトと
してみえてくることが、私の体感に伝わり、
私の身体のアドレナリンが沸々と湧きたつのを
感じたのでした。
久しぶりに鳥肌の立つものと対峙させていただきました。
ピカソの描いたゲルニカの前に立った時の衝撃も
私にとって大きなものでしたが、
改めて書の力を思い知らされた展覧会でした。
西安の地に立った空海は、
きっと、100年前の安禄山の戦いを知り、
顔真卿の書に触れ、
自分の志を受容された心持になったのでは
なかろうか、、、
と、
私自身も久しぶりに、
壮大な妄想を楽しむことができました。
顔真卿展の後、久しぶりに法隆寺の仏様にお会いしたくなり、
法隆寺館で空腹を満たし、心を鎮めて、
帰路に着いたのでした。
歴史好きとって、妄想力が一層発揮できる展覧会です。
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