Mr.コンティのRising JAPAN

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Juninho 1-0 Newcastle Jets A-League 第6節

2007-10-01 | Aussie & Kiwi

3シーズン目を迎えた今シーズンの A League は第5節を終わって Central Cost Mariners が4勝1分け勝点13で首位を走っており、2位にはNewcastle Jets が勝点9で続き以降Melbourne Victory が勝点5そして最下位 Perth Gloryが勝点3と3位から最下位8位の までが勝点2の中に犇めいている。昨年覇者の Melbourne Victory は開幕から5戦連続引き分け、もう一つの Grand Finalist、Adelaide United は4分1敗で昨年度の Grand Finalist が共に勝星が無い。それに加えて新星 Wellington Phoenix が前節はAdelaide United を相手にShane Shmelz のゴールでしぶとく引き分け、その前はアウェーで Sydney FC を逆転で 2-1 と降しクラブ創設 A League 初勝利の美酒に酔った。昨年消滅した New Zealand Knights の様に開幕から連敗を記録するチームが無いので3位以下が混戦だ。(とはいってもまだ開幕5節しか終わっていないけど。)
9月29日、1勝2分2敗と5位にやや低迷している Sydney FC は2位の Newcastle Jets をホームの Aussie Stadium に迎えた。 Newcastle Jets と言えば昨シーズンは Minor Semi Final で対戦した相手。初戦を 1-0 でものにするもアウェーでの第二戦を 0-2 で落とし連覇を絶たれた相手だ。まぁその前にサラリーキャップを違反していた事がシーズン終盤に発覚し勝点3マイナスを果たされた事の方が痛かったか?そういう相手でもあり、また今後首位戦線に踏みとどまる為に、そして A League の興行を考えても Sydney FC にとっては負けられない試合であった。
ここ Aussie Stadium に来るのは3月のACLでの浦和戦以来だ。5月のさいたまスタジアムで出会ったシドニーからのサポーター達との再会を楽しみ、彼らと殿に COVE と呼ばれるサポーター席に入れて貰う。試合前の選手紹介から彼らのボルテージは上がりっぱなした。ブンデスリーがの様にスタメンの選手の名前がアナウンスされるとそれに続いてみんなが苗字を叫ぶ。



彼らの期待は今シーズンの Marquee Player である元ブラジル代表のジュニーニョだ。日本にも1995年にセレソンの1員として来日した事もある。当時22歳のジュニーニョ=パウリスタはセレソンの将来を担う選手と言われていたが、Middlesbrough に入団後は怪我やチームが降格したりする不運に見舞われワールドカップフランス大会には選出されなかった。以降はスペインの Atletico Madrid 再び Middlesbrough, そして故国に帰りVasco da Gama, でプレー。 ワールドカップ日韓大会にも選出された。
そのワールドカップでは1次リーグから先発出場を果たすも決勝トーナメント1回戦のベルギー戦で57分にベンチに下げられ以降は替わりに Kleberson , Edilson らが起用されようやく決勝戦の残り5分にロナウジーニョと交替でピッチに登場した。しかしセレソン優勝メンバーである事は違いない。ワールドカップ後は Flamengo でプレーした後三度 Middlesbrough のユニフォームに袖を通し、Glasgow Celtic でも1シーズンプレーしブラジルに帰った。その入れ替わりに Celtic に入団したのが中村俊輔だ。1995年に Middlesbrough で Premiership の Career をスタートさせたが、当時ブラジルの選手が England に渡るのは非常に珍しかった。
そのジュニーニョは初戦の Mariners 戦、第二戦の Adelaide United 戦に出場を果たすも以降肩の故障で戦列を離れ、この試合が3試合振りの出場となる。一方の Newcastle Jets は前節の Melbourne Victory 戦からメンバーを5人替えてきたが FW の Joel Griffiths が怪我で出場出来ないのが痛いところだ。それでなくても昨シーズンの中心選手、 Soceeroos でもある Nick Carle をはじめ Milton Rodriguez, Paul Okon らが抜けたのは厳しいはずだ。一方の Sydney も Socceroos の David Carney, Nikolai Topor Stonley といった ACL の浦和戦にも出場した馴染の選手がいないのが寂しいが。
それにしても Sydney サポ達の応援歌のバラエティーも増えたものだ。聖者の行進に加えて Beatles の Twist and Shout や KC & the Sunshine Band の That’s the Way そして Ringo Star の Hey Baby ( だけどオリジナルは誰なのだろう?) など私の好きな歌も出て来るので一緒に声を出す。試合はキックオフから一進一退の攻防が続く。そんな中で Jets は左サイドバックの Matt Thompson が時折鋭い上がりを見せてチャンスを作る。また左の2列目に起用されている DF選手 Adam Grifiths も左サイドを抉って来る。 Sydney FC の対峙する五輪チームのメンバーでもあるRuben Zadkovich の上がった後ろを狙っている様だ。現状をなかなか打破できずに徐々にフラストレーションがたまりつつあるサポーターを沸かせたのは30分過ぎに目の前をアップにやって来た Uful Talay や Patrick を見つけた時だった。私としては今年から Sydney FC に加入した元 Sooceroos の Tony Popovic が気になったけど。昨年のワールドカップではブラジル戦だけ出場を果たしたがその前から Socceroos を支えたベテラン選手だ。
Sydney FC サポの声援に後押しされたのか30分を過ぎると Sydney の攻勢が続く。31分には波状攻撃から最後は Brendon Santalab がそして33分には攻撃参加した Mark Rudan がそれぞれ惜しいシュートを放つがそれらは Juninho のスルーパスからであった。そして36分。 Sydney FC サポの狂喜乱舞するシーンが。またもジュニーニョのスルーパスが対角線上に走り込んだ Alex Brosque にぴったりと合う。そして Brosque は相手 DF 二人 Jade North と Stephan Laybutt をかわしてシュートを決めて先制ゴールを挙げた。サポーター席ではビールを放り投げて大喜び。私にも少しかかったけど。そしてその直後にも同じようなスルーパスがジュニーニョから Brosque に通ったがこれは決められなかった。 終了直前に Jets はロビングが Sydney ゴール前に入り、攻撃参加した Adam Griffiths が迫ったがその前に GK Bolton がキャッチし、前半が終わった。
ハーフタイムに席を移動する事にした。サポーター達の熱意は十分に伝わるが試合そのものが見難いので場所を替える事にした。そのハーフタイムには中国で行われている女子ワールドカップでベスト8に進出した女子代表チーム Matildas の3人の選手が紹介された。公開インタビューの後に多くの女の子達が彼女達にサインを求め、また彼女達の丁寧にサインをしていた。なでしこは1次リーグで敗退したが翌年には北京五輪がある。ベスト8に入った Matildas は北朝鮮に敗れて五輪出場はならなかった。今後のオーストラリア女子サッカーの将来も日本の様に前途洋々ではなさそうだ。
後半はメインスタンドに移動したので試合が非常に見易い。さすがは球技専用競技場だ。メモを取っている私の隣席の男性が日本から来たのか?とか声をかけて来る。そうだと答えると“あなたの前に座っているのは Mark= Miligan の母親だ。”と教えてくれた。彼女とも顔見知りらしい。母親に私の事を紹介してくれている。訊けばレッズ戦の観戦に日本に来たそうだ。非常に楽しかった、日本は良い街だとも言っていた。私もオーストラリアには仕事で良く来る、3月の浦和戦もここで観戦した、そして7月にはアジアカップ観戦でバンコックに行った事も言うと”私も見に行った。”とずいぶん驚いていた。3月のACLの試合の印象は?と訊かれたので " Thanks Bolton "と言ったので(永井の同点ゴールは GK Bolton のキャッチミスから。)大変受けた。
でもこんなところで選手の家族と話が出来るなんて日本では考えられないなぁ…..

後半に入ってジュニーニョの個人技は更に冴える。それだけでなく MF の Steve Corica とのパス交換で中盤を完全に支配してしまった。 Corica はかつてサンフレッチェ広島でプレーした選手。今年のACLの浦和戦でも活躍した選手なので覚えている方も多いだろう。56分には右サイドバックの Milligan のあがりから Brosque に繋ぎ後ろに戻した所を MF Terry McFlyn がミドルを放つが枠を外れる。60分には波状攻撃から Corica が強烈なショットは相手DFに当たった。  その直後にも相手ボールを奪った Corica がジュニーニョに繋ぎ Laybutt を外して放ったシュートは惜しくもファーポストを外してしまった。
Jets は63分に MF のTarek Elrich を下げて18歳の長身選手 Jason Hoffman を入れるが彼の頭に合わすべくボールが出てこない。 74分には今度は Sydney が Coirca を下げて FW の Ufuk Talay を入れる。かつてはガラタサライイスタンブールでプレーした選手だと隣人の男性が言う。これでどうやら彼はトルコ系だと分かった。 Jets の Nick Carl も今シーズンからトルコに行った事をこちらから言ったそして昨年は日本のジュンイチ=イナモトがガラタサライでプレーをした事も言ったがそれは彼は知らなかったしかし前に座っていた Milligan の母親はそれを知っていた。なかなか話せるおかぁさんではないか。
75分に Jets ベンチは攻撃的MF Denni を入れる。この Denni はかつてモンテディオ山形でプレーした Denni だとおもう。プログラムには 1983 年8月21日生まれとなていたけど本当は 1982年生まれではないかな?? Adam D’Apuzzo の FK からバイシクルシュートを見せたがこれは GK Bolton の正面だった。Adam D' Apuzzo はその前にも同じ様な右サイドの位置から FKをゴール前にいれ Adam Griffiths の頭にあわせ惜しいチャンスを作った。しかし Jets の後半の目立った攻撃はこの2回だけ、中盤のが支配され続け終始劣勢であった。
観客はジュニーニョがボールを持つ度に沸き返り、また彼も何かをしてくれるので更に彼にボールが渡った時の期待度は上がっていく。そして86分にはお役目ごめんで大歓声を浴びて同じブラジル人選手 Patrick と交替でベンチに下がった。そしてホイッスル。これまで Sydney FC の試合を ACL を含めて4試合観戦したが勝ったのは初めてだった。
第6節の A League は上位2チームが敗れ Central Coast Mariners の勝点13での首位は変わらないものの2位 Newcastle Jets から6位 Adelaide United までの5チームが勝点2差の中に犇めく。そして翌週は A League の大一番 Sydney FC vs Melbourne Victory が Aussie Stadium で行われる。仕事の都合がうまくつけばいいのだけど……..





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