Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

あぁ Knights

2006-12-08 | Aussie & Kiwi
“お荷物球団”の正しい使い方は判るだろうか? 東京六大学の東京大学。1980年代終盤から90年代の阪神タイガース。J リーグ発足直後の浦和レッズ。これらは負けても負けても所属するリーグから降格する事が無い。だから“お荷物”と呼ばれるのだ。Jリーグ発足直後のシーズン、鹿島アントラーズが大方の予想を裏切りステージ優勝したが、無知な解説者やマスコミはこぞって“日本リーグ時代はお荷物球団だった、住友金属を母体にした鹿島が優勝した。ジーコは素晴らしい。”とほざいていた。日本リーグの1部は降格も2部からの昇格もあるので、この場合“お荷物球団”とは言わない。また住友金属は当時木村和司や水沼、柱谷らのいた日産自動車が苦手にしており、けっこう面白い存在である時期もあった。 我が愛する京都パープルサンガ改め京都サンガFCは降格が決ってしまった。第33節のガンバ戦は意地を見せたもののロスタイムに決勝ゴールを決められ一貫の終わり。この試合に勝てば下位3チームが勝点2差の中に並ぶスリリングな最終節になるところだったのにそれは完全に後の祭り。来年、いや今からしっかり建て直し来年末には再々々昇格を決めて欲しい。さて昨年発足した8チームが集うHyundai A-League。上位4チームに入れば優勝の可能性があるだけに下位に低迷していてもまだまだチャンスはあるリーグ戦だ。首位を勝点37で快走するのは Melbourne Victory 。次いで昨シーズンの覇者 Sydney FCが勝点24, 3位勝点23 のNewcastle, そして4位の Adelaideは勝点22だが7位の Perth Glory が勝点17で残り6試合で勝点5の中に4チームがひしめく激戦。しかしながらその下の最下位に低迷するのは今年もニュージーランドから唯一参加の New Zealand Knights で2勝2分11敗勝点8のダントツ最下位だ。昨シーズンも11連敗を含む1勝3分け17敗の勝点5。今年は幸先良く開幕2連戦を1勝分けでスタートしたのだがその次の Melbourne Victory 戦から8連敗。しかもその Melbourne 戦から6試合連続で無得点。第10節の Adelaide 戦でようやく2得点を挙げたが4失点で連敗は止まらなかった。
オークランドのダウンタウンから車で橋を越えて約半時間。北部の North Harbor Stadium が彼等の本拠地だ。Perth Glory の Members Equity Stadium とは比較にならない立派な競技場。11月18日に Knights は Central Coast Mariners をここに迎えた。最下位を独走するとは言え熱心な観客が集る。公式入場者数 2139人の中でほんの10数人を除けば全て“地元” Knights のサポートだ。今年最初に England の Charlton と“技術提携”を交わし、同チームのコーチも務めたPaul Nevin新監督を迎えるもこの低迷振り。しかも中心選手であるかつて Leeds United でもプレーした GK Danny Milosevic はチームを去り、守備的MF Jonas Sally は怪我で戦線を離脱して守備陣の再整備が必要だ。それでも3バックの左サイド Che Bunce はAll Whites ことニュージーランド代表DF. センターバックの Sime Kovacevic は Dinamo Zagreb にも所属した。右サイドの Darren Bazeley は経験豊かなDF。そして攻撃陣にはカナダ国籍でかつてはギリシャの PAOKA サロニカに所属した Alen Marcina と ニュージーランド U-17, U-20 にも選ばれたDustin Wells の新加入選手を擁した。 開始9分には Marcina のシュート、17分には Wells のドリブルシュートがゴールを襲う。23分にはスルーを受けた Marcina がドリブルシュートを放つがGK Vukovic がナイスセーブ。 Vukovic はこれまでトンプソン( Melbourne ) ヨーク ( Sydney FC ) のPKをストップした実績がある。オーストラリア五輪代表候補でもあり来年の五輪予選で日本の前に立ちはだかるのか?35分にはMF White が DF Jedinek を交わしてスルーを送るとそれを受けた Wells がシュートを放つがGKの正面に。 Knights 攻勢の時間が続く。このまま何とか先制点に結びつけばと思うが39分には Mariners が決定機を。スルーを受けた Hutchinson がフリーで撃たれるがポストの僅か左側に外れる。28分にも Knights DF Bunce のヘッドでのバックパスがあわやオウンゴールと思わせるようなシーンもあり、ゴールにより近いシーンは Mariners が演ずる。前半は無得点だったが失点も0に抑え、何とか後半に期待を持たせた。スタンドのサポーター達からも大きな歓声が送られる。 この競技場はゴール裏が芝生席になっており、子供達の格好の遊び場になっている。そして私は幸運にも?記者席に堂々と座っての取材。それだけ報道陣が少ないのだ。そしてもう1人日本人ではなさそうだがアジア系の人が熱心にメモを取っている。こちらは報道関係の様だ。あぁ中国語が話せればサッカーの話が出来たのに? 後半にはいっても両軍選手交替は無い。 Knights は地元サポーターの為にも先制点を奪い優位に進めたいところだ。しかし、後半は一転して地力に優る Mariners の攻勢が続く。51分には Brown の CK からかつての Leeds United のスター選手 McMaster にミドルを撃たれるがGK Turnbull がセーブ。55分には Kwansik から Jedlinka に渡り Hutchison にスルーが入るがまたも GK Turnbull がセーブ。その1分後にはまたもや Kwansik に左サイドを破られる。最後は Bunce がクリアーに入るがそれがCKになってしまい、Petrie からのCK Mori が頭で合わせるがわずかにポストの左に外れて命拾い。その直後にも Hutchinson からサイドチェンジのロングパスが Petrie に通り、上げられたロビングに走り込んだ Mori が頭で合わせられるがこれもGK Turnbull がキャッチ。DF陣にミスが増えて相手にボールを渡してしまい、マークもずれており容易にシュートを撃たせてしまう。前半効果的な上がりを見せた Buari, Wells の右からの攻撃陣が相手の攻撃に押さえ込まれてしまいチャンスが作れない。現状を打開すべく選手交替でも試みればと思った64分。 Hutchinson のスルーに反応した Mori が抜け出してフリーに。そのままドリブルで独走し難なく先制ゴールを献上してしまった。献上してはならない先制点を決められてしまった。その後も Knights はチャンスが作れない。ドリブルで持ちすぎて前に進まず、たまに前線にボールが入ってもそこには Vidmar ら屈強なDF陣が待ち構えており、サポートが遅く突破が出来ない。71分にはミスパスを Mori に拾われ逆サイドの Kwansnik に繋がれてシュートを撃たれるがサイドネットに。その1分後にはファールで得たFKのチャンスに Jedinak がクリアーミスであわや同点のオウンゴールかと思わせたがこれがこの試合地元サポーターがもっとも沸いたシーンだった。74分には途中出場の Nik Mrdja がDF2人をかわしてフリーで。83分にも Kovacevis を抜いてシュートを撃たれる。そして89分にはクリアボールをまたも Mrdja に拾われ撃たれるがゴールポストを直撃し何とか追加点を凌ぐ。Mrdja は188 cm の長身ストライカーで、2000年から4年間 Perth Gloryでプレーしその後1年スウェーデンの Solna でプレーした後に Mariners に入団したがこれまで怪我で満足にプレーできなかった選手だ。 ロスタイムは4分と表示された。同点のチャンスはあるはずだ。それにしても Knights ベンチは全く動かない。MF の Neil Emblen は私が見ていても後半開始早々から動きが悪い。これ以上ピッチにおいておくべきではないと思われた。 Wolverhampton Wanderers やCristal Palace を渡り歩いたベテランも、故障でもしているのか?そして93分。ゴール正面で Kovacevic が Mori を倒して与えたFKを Mori 自身が直接叩き込み万事休す。観客が帰り支度を始めると共にタイムアップのホイッスルが吹かれた。後半は全く良い所無く破れた Knights 。愛する京都サンガFCを見ているようであった。 All Blacks の欧州遠征で話題をさらっているニュージーランドだったが、今のところ降格の無い A-League 。彼等が“お荷物”にならないことを祈るよ。 Mariners の Tony Vidmar がまだまだ元気なところを見せてくれたのが嬉しかった……


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