ハーフタイム中にどこかもっと見易いところは無いかと競技場内を徘徊する。結局ゴール裏のオーストラリアサポーター席に紛れて立ってみる事にした。もちろんここには立見席は無く、彼らとてそこの座席を指定しているのだろうが。 ここ MCG はサッカーではあの 1997 年のワールドカップ予選のイラン戦、MCGの悲劇と呼ばれた舞台でシドニー五輪の際も Olyroo がここでイタリア戦を行った。そして Aussie Football の Grand Final が行われる競技場としてでも有名だ。昨シーズンは A League の Melbourne Victory が優勝し、 Telstar Dome でさえ満員札止めになるのだからここで開催してはと言う案もあるらしいが、サッカー観戦には少し大きすぎると感じた。
さてエンドが替わって後半、ゴール裏に回ったこちらにアルゼンチンが攻めて来る。アルゼンチンの攻勢を見越しての席替えなのだけど。49分にあっさりとアルゼンチンに先制点が入ってしまった。 Messi がドリブルで突破し倒されてFKを貰うとやや右サイドから Manchester United の Carlos Tevez が入れたFKのクロスに Martine Demichelis が飛び込んで頭で合わしてゴールネットを揺すった。 Tevez のFKは本当に早かったがそれを合わせた Demichelis も見事だった。 潮が引く様にサポーター達が静かになってしまった。
しかし51分に拍手が沸く。ベテラン Skoko がベンチに下がるのだ。大歓声に拍手で応えピッチを去る前に Zanetti と抱き合いそしてオーストラリアの選手達と握手をする Skoko 。この出身地 Melbourne はそして MCG は本当に思い出のスタジアムになるであろう。2000年はシドニー五輪をこの競技場でプレーし、昨年のワールドカップ前の壮行試合試合のギリシア戦ではゴールを決めた。ワールドカップでは出番が無かったがアジアカップ予選のバーレーン戦でもゴールを決めた。代表試合出場数は10年間渡って50を数える。また1人 オーストラリアのサッカー史を支えた選手が去った。
この Skoko の交替を機に?オーストラリアが攻勢に出る。52分には Carl が53分には FK からBreschiano が強烈なショットを放ちそれぞれ GK Abbondanzieri のファインセーブを引き出す。 さすがワールドカップでもアルゼンチンゴールを死守したGK。
準々決勝ではクローゼと激突し交替を余儀なくされた。もしそれが無ければ・・・・・Breschiano はこの日2本目の惜しい直接FKだった。58分にはその Breschiano に替って Holman が投入される。アジアカップにも出場した Holman は Socceroos 期待のFWだ。18歳の時に当時小野伸二のいた Feyenoord と契約するもすぐにレンタルに出されるたがオランダ生活も6シーズン目の今は NEC Nijmegen のレギュラーだ。67分には地元の大歓声を後に Thompson が下がり昨シーズンまで Newcastle Jets でプレーをし今はトルコリーグの Gencelerbirgli に移籍した Nick Carle が入る。 Carle もアジアカップの日本戦に出場した。
若い攻撃陣の投入に刺激されたのか David Carney の左サイド攻撃がこの時間から目立つ様になって来た。そのサイド突破から見事なクロスが入ったが僅かに Kennedy に合わなかったが、1対1でも堂々と渡り合う様になった。そして前半の終盤から Messi に対しても身体を張って突破を食い止めるシーンが。77分にはインターセプトを見せ、 Holman のシュートを引き出す。
また Culina も負けじとアルゼンチンゴール前の右サイドでテクニックを見せDF二人をかわし観衆を喜ばす。
前半冴えに冴えた Messi のドリブルもやや陰りが。疲れが出てきたかな?何度か倒されてもファールを取ってもらえず主審に激しく抗議をする場面も。85分には Grella に倒されちょっとした小競り合いも。その直前には Tevez がアルゼンチンサポーターから大歓声を浴びながら Saviola と交替でベンチに下がる。その Saviola が90分に久々の Messi の左からの突破からシュートを打つがこれは力なく Shcwarzer が片手でキャッチ。そしてその直後に Messi が FIFA U-20 に出場した Sergio Agueroと替ってベンチに下がったがこの時ばかりはアルゼンチンサポーターだけでなく競技場全体から拍手が沸き起こる。 だが周りのサポーター達は何とか同点をと声援を送るが3分なったロスタイムも過ぎて 1-0 のままタイムアップとなった。
翌日の新聞はこの試合を非常に肯定的に評価しており、特に Messi, Tevez にゴールを許さなかった事と、 Carney や Breschiano, Kennedy ら攻撃陣を評価。 Viduka, Aloisi 無き後の新戦力となるだろうか?この試合が最後の指揮になるかもしれない Arnold 監督は A League の進化こそ Socceroos の底上げとコメントしていた。彼が指揮した13ヶ月間で起用した選手は延べ53人となるらしい……
アルゼンチン側には何か収穫はあったのか??ノルウェー戦には敗れたがこの試合後も“今は勝敗は度外視する”といったコメントを寄せていたけど…..
この試合の勝利を最も喜んだのはアルゼンチンからのオーストラリアに移り住んだ移民達だろう。試合後もしばらく競技場の外で彼らの Fiesta が続いていた。
この日私は Warren のユニフォームを着ていたけど、マラドーナのイラストの入った白と水色の縦じまのレアもののレプリカを着たらよかったかなぁ…….とも思った。
翌日私は朝6時の飛行機で再びニュージーランドに向かった……
Match Details Australia 0 Argentina 1 (Martin Demichelis 49’)
Australian line-up: GK 1 Mark Schwarzer ; 2 Lucas Neill (c), 4 David Carney,
5 Jason Culina, 6 Michael Beauchamp, 7 Luke Wilkshire, 8 Josip Skoko ( 17 Carl Valeri 51’), 9 Joshua Kennedy ( 22 Nik Mrdja 82’), 11 Archie Thompson ( 19 Nick Carle 62’), 13 Vince Grella, 23 Mark Bresciano (10 Brett Holman 58’)
Argentina line-up : GK 13 Roberto Abbondanzieri ; 2 Martin Demichels, 6 Gabriel Heinz, 8 Javier Zanetti, 11 Carlos Tevez ( 7 Javier Saviola 85’ ) 14 Javier Mascherano , 15 Gabriel Milton 17 Nicolas Burdisso, 18 Jonas Gutierrez
( 5 Fernando gago 72’ ) 19 Lionel Messi ( 2 Sergio Aguero 91’ ), 20 Federico Insua ( 16 Cristian Ledesma 82’ )
Referee: Michael Dean (England)
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いつも有難う御座います。
後半、特に60分過ぎからはほとんど Australia の攻撃が目立っていました。 Carney はこれから楽しみな選手です。 Breschiano も惜しいFK が2本ありました。主力抜きでここまで出来るのかと思いました。
しかしアルゼンチン相手なのに Kewell や Cahill が合流できなかったのは勿体無い気がしましたが、それもオーストラリア大陸の地理的な問題でしょうか?
五輪予選ではイラク戦が正念場ですね。私も北朝鮮が相手でなければ Newcatle には行かなかったでしょう。
ブレシアーノのFKといい、ほとんど決まってたのもありましたし。
大敗を予想したのは以下のことからです。
①アジア杯終了直後でモチベーションが低下していたこと。
②アルゼンチンがほぼベストなのに対し、ルー側はキューウェル、ケーヒルなどケガ人続出でベストメンバーではないこと。
③ビドゥカの穴が埋まっていない上、ポスト・ビドゥカの1番手として期待したマクドナルドが「ケガ」を理由に欠場したこと(その割には土曜のリーグ戦には出ていた)
特に、アジア杯が終わってこれから南アフリカ大会に向けて、新しい代表作りの第一歩になると期待した、この試合で新戦力の登用が一人もいなかったのには失望しました。
ついでにアジア杯で無能の烙印を押されたアーノルドがいまだに指揮を執っているのにも失望しました(ゼニトに違約金を払ってでもアドフォカートを就任させるべきでした)。
現在のルーのFWの力不足は深刻なものがありますね。
マクドナルドがどのくらいやれるか楽しみにしてたんですが、それもありませんでした。
オリルーからジテ、ヒューズ、ウィリアムズあたりを試してみたかったんですが、日程的に駄目でしたね。
しかし、オリルー2試合にアルゼンチン戦とは先週のオーストラリアはサッカーずくしでしたね。
僕もこの時期に夏休みを取っておけばと後悔しています。