Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

REDS 強さは本物….    19th May 浦和 1-0 清水

2012-05-28 | 京都サンガ J-League
後半44分になろうとしていた。FC東京ゴール前の右サイド宇賀神がスローインを入れるとマルシオ=リシャルデスがDFを背負い身体を張ってボールを前に落とすと走り込んだ柏木が拾って椋原, 谷澤 をかわして中に入れると原口が徳永と競りながらワンタッチで戻しマルシオがダイレクトで放ったショットが東京ゴールに突き刺さる。 これでこの試合もレッズが手堅く 1-0 で勝利….と思った。
しかしロスタイムに入った直後FC東京はCKのチャンスを得る。そして石川の上げたCKに森重が槙野と競りながら放ったヘッドが浦和ゴールネットを揺らしホームの FC 東京が同点に追いつく。 
しかしロスタイムは5分ある。まだまだ勝敗がつけられるだけの時間が残っている。 そして95分、東京ゴール前でボールを回した浦和は右サイドの宇賀神にボールを送りそこから上げられたクロスに原口のヘッドが炸裂する。 しかしボールはポストを叩き…そしてタイムアップのホイッスルが鳴った。 この勝点1。両チームにどういう意味を齎したのだろう? J League はこれからワールドカップ予選の為に約2週間ブレークとなる。 FC東京はACLで優勝候補、広州恒大と対戦する。この試合が良いイメージなればいいなぁと思った…..

5月19日、埼玉県地方の早朝は快晴だった。さいたまスタジアム2002で開催される浦和対清水戦。どうしようかなぁ~。観に行こうかなぁ~。テレビ中継もあるしなぁ….翌日はなでしこリーグの高槻FC戦があるしなぁ…..
息子は既に友人とこの試合を観戦に行く事になっていた。結局….好天気と相手がエスパルスと云う事でさいたまスタジアムに行く事にした。見たかった選手は何と言っても今や Socceroos には欠かせない選手となったアレックスこと Alex Brosque。
あとは….土日連ちゃんでサッカー観戦に出掛ける事を何て嫁ハンに説明すればよいか・・・・

競技場に向かう途中のコンビニでこの日のチケットを購入した。@\2,000 プラス手数料。しかし競技場では当日券も¥2,000円で販売されていた。だったらここで買うべきだったなぁ~と後悔する。 普通“前売り券”は“当日券”よりも額面は安いんだけど。
JSL時代は1000円でどの試合でも見られる共通券が販売されていた。

天気の良いのでこの日はゴール裏のエスパルスサポーターのすぐ近くに座った。 エスパルスの応援は統率もよくとれており見ているだけで楽しい。この試合を観戦しに来たのもそれが理由の一つだった。 2002年安貞桓のJリーグデビュー戦、そして翌年に続いて3度目のエスパルス戦観戦だったけどアウェーのサポーターゾーンとの間に設けられた緩衝地帯が広げられたみたいだったので柵越しに聞こえる彼らの声援は前に来た時よりも少し迫力が…



この日のエスパルスは3日前のナビスコカップ神戸戦から右SB吉田、CBヨン・ア・ピン、アンカーの村松以外メンバーを8人替えて臨んで来た。出場停止のCB岩下敬輔に替って平岡と組むCBはヨン・ア・ピン。だからナビスコカップ戦で起用されたのか?お目当てのアレックス、そして久々五輪代表候補に選出されたアンカーの村松、そして吉田。更に専門紙では伊藤のワントップと予想されていたがかつて浦和でもプレーした高原がスタメンに。彼の名前がスタメン紹介されるとレッズサポーターからは一斉にブーイングが。あと小野伸二の負傷欠場が残念でならなかった。



一方のレッズはトップにポポが入り柏木とマルシオが2列目と云った予想通りのスタメン。3日前のナビスコカップ川崎F戦で2得点を挙げた宇賀神のスタメン入りを予想したけど、息子によれば“宇賀神は今はスーパーサブ的選手。”、スピラノビッチは“3バックだからベンチにも入らないと思う。”と息子の予想の方が当たった。
第8節で名古屋を2-1 で破り続く横浜FM戦に 1-2 で敗れ磐田( A 2-2 ) 新潟( H 1-1) と引き分けたが息子によれば試合内容は“安定して来た。”との事であった。
従って第11節を終えて勝点4差で2位を行く清水を破り、そして続くFC東京戦に連勝すれば2008年以来下降線をたどる浦和が久々優勝戦線に長期に亘り参戦出来ると言うきっかけになる、とは息子の分析であった。お前も大きくなったなぁ~。

エスパルスサポーター達の声援とレッズサポーターの声援がシンクロナイズドする雰囲気を楽しみながら清水のキックオフで始まった試合、開始早々35秒浦和がCKを得る。柏木が入れたCKに槙野がCB平岡と競りながら飛び込むがここは槙野のファールを取られた。 槙野は開始から積極的に上がって来ていた。そして槙野が上がると阿部が後方に下がり守備に備える。
7分34秒リシャルデスが相手パスをインターセプトすると前線のポポにスルーパスを通す。ポポは村松、ヨン・ア・ピンがマークを受けながらもシュートに持ち込むがクロスバーを越える。15分には阿部が起点となりポポにボールが渡り今度はポポが柏木が阿部にスルーパスを送るが右SB吉田がマークに入る。 結構中盤でもボールが回っている気がした。
18分19秒には後方からのロビングをリシャルデスが上手く身体を入れ替えて左サイドに流れてボールを持ち込み入れたクロスに柏木がヨ・アン・ピンのマークを振り切り放りヘッドの態勢に入る。周囲の人達が一斉に立ち上がるが柏木のヘッドは惜しくも外れる。
前半はレッズがこちらのゴール側に攻めて来る。その迫力はさすが球技専用競技場さいたまスタジアムと思わされる。
清水は前評判通り両サイド、これまで5得点の右の大前、4得点の左の高木のドリブル突破を含めたサイド攻撃が何度も試みられる。左SB李記帝も比較的高い位置を取っていたがこれは平川対策か?本当はここに宇賀神かと思っていたんだけど。
両サイドが上がるとサポーター達から選手名が連呼される。しかしなかなか前線の高原にボールが入らない。“日本で”タカハラを見るのは久し振りだ、というか初めてか? Die Bundesliga でプレーする時の高原は 181cm FW , 体格よりも瞬時の早さで相手DF陣の間に割って入るプレーが目立ち、ドイツ人達から Schnell !! (早い)と何度も賞賛の声が漏れていた。 30歳になった事もあるがJリーグではスピードよりもゴール前で体格を生かすプレーが。それが日独間の違いだろう。
高原だけではなく、これまで4得点のアレックスもなかなか良い位置でボールを持てない。23分には鈴木啓太を倒してFKを与えてしまいポポにあわやの直接FKを撃たれる。アレックスは20分にもイエローカードを受けるファールを。



浦和はボランチの啓太と阿部が攻守の切り替え早く前後に動き平川、梅崎の両サイドが相手のサイド攻撃をしっかりとケアーし中にボールをいれささない。 ボールが入らねば高原でもアレックスでもシュートを撃てない。
そして41分、平川から前線にフィードされリシャルデスが上手くトラップしてシュートを放つがGK林がブロックしてCKに。そのCKはリシャルデスとヨン・ア・ピンと競り合う上を越えて阿部がフリーで飛び込みヘッドを試みるがボールはジャストミートせず右に流れ身体に当たり清水ゴールに飛ばずに阿倍の足元に。だがその“落ちた位置”が良くそのまま清水ゴールに蹴り込み浦和が先制ゴールを挙げた。ヨンア・ビンは阿部のハンドをアピールしていたけど。帰ってビデオを見てみると手に当たった様にも。



43分中央から柏木のダイレクトパスを右サイドに回ったリシャルデスが受け前線のポポに送るが今度はヨン・ア・ピンの激しいマークでシュートを撃てず。柏木は山本主審のバックチャージをアピールするがここはノーホイッスル。先ほどの“ハンド”が効いていたのか?そしてロスタイム1分も過ぎ浦和リードで前半を終えた。



浦和キックオフで始まった後半46分30秒柏木が中央から左前方に大きく前に出すとポポが走り込む。GK林が釣りだされポポが上手く中へ折り返すが無人のゴールにシュートをする為に走り込んだ柏木に僅かに合わない。
49分村松からミドルパスを左サイドで受けたアレックスが高木に縦パスを通し中に折り返すがここは槙野がコーナーに逃れる。51分には李記帝が素晴らしいミドルを放つがクロスバーの上。しかしそれまでの繋ぎが良く、そろそろ清水にリズムが出るかと思われた。
そしてこの時間帯、少し試合が荒れ出す。52分に村松からのパスを受けた高木が前線にロビングを送るとそこにアレックスが坪井と競りないながら走り込み最後はPA内で転倒するがホイッスルは鳴らない。アレックスは両手を広げて主審にPKをアピールするが帰宅後録画を見てみると坪井は触れてはいなかった。 その直後柏木が右サイドから大きく逆サイドの梅崎に振ると吉田を振り切り入れたクロスに平川が走り込んでダイレクトで合わせ清水ゴールネットを揺らすがオフサイドの判定でノーゴール。
そしてその直後のリスタートから左サイドで高木がドリブルで突破、柏木をかわすが坪井、平川がマークに囲む。そして後ろに戻したところアレックスとリシャルデスが競り合いリシャルデスが交錯して倒れるとホイッスルが鳴り山本主審はすぐにこの日2枚目のイエローを出しレッドカードを示す。 このプレーでイエローは厳しいと思ったがこの前にもアレックスは阿部を倒し、その時山本主審はアドヴァンテージを取った。アレックス今シーズン2度目の退場となってしまった。そして私のこの試合の興味もかなり薄れてしまった。



1人少なくなった清水相手に浦和は59分阿倍が大前のミドルパスをカットし左サイドの柏木に送りそこから前線にロングフィードを。そこにヨン・ア・ピンの背後に上手く回ったリシャルデスがシュートを放つがクロスバーを越えた。 

攻勢を続ける浦和は60分、ポポを下げて原口を入れトップに置く。そして61分30秒、坪井のインターセプトと右サイド突破をきっかけに浦和が波状攻撃を見せ、最後は右サイド高木がファールで梅崎を止めイエローが出された。
劣勢の清水ベンチは63分、高原を下げ187cmの長身ジミー・フランサ。更に李記帝を下げて小林大悟を入れる。これでフランサの1トップとなり小林がトップ下に入り河井が李記帝のいた左SBに入った。
昨シーズンは浦和相手にさいたまスタジアムでゴールを決めた高原だったがこの日は2列目からボールが来ない上にセットプレー時には坪井のタイトなマークを受け見せ場が無かった。 



だが替って投入されたフランサが全く機能しなかった。 FKのチャンスを掴んでも阿部や槙野にマークを着かれることを嫌ってかずっとサイドにサイドにと動きっぱなしでターゲットにならない。しまいには浦和ゴール付近でスローインを得ると自ら投げるべくボールを拾い上げる始末。 
反対に冴えたのが原口。 77分には相手DF3人に囲まれてもシュートに持ち込み、80分にはドリブルで中に切れ込み存在を見せつける。 原口は何故か五輪候補チームのトゥーロン国際大会に選出されず日本代表に選ばれながらアゼルバイジャン戦には起用されず、ワールドカップ予選メンバーにも入れなかった。 彼の立場を考えれば気の毒な1週間であったが五輪代表にはなくてはならない存在だと思う。 浦和ベンチは75分に宇賀神が梅崎に替って、79分にデスポトビッチがリシャルデスに替ってそれぞれ投入されるがこうして見ると選手層が厚くなった気がする。と云うよりも選手の質が上がり層が厚くなったのか?
それでもエスパルスは退場者を出した試合は全部勝っている、そして前節セレッソ大阪戦ではロスタイムに同点に追い付いた。この試合も何かあるか?と思う。 86分には吉田豊が下がってFW伊藤翔が投入される。
しかしこの日のDF陣を含めた守備は安定しており4月14日の神戸戦以来の完封勝ちを収めた。 

浦和の勝利を観戦するのは久し振りだなぁ~、と思った。そして何だか強さが安定してきた様に思った。

5月24日、ワールドカップ予選に臨む代表選手25人が発表された。浦和からは槙野だけが選出され阿部、原口そして柏木の名前は無かった。 柏木は入ると思ったんだけど。 しかし息子に言わせると“レッズの為に頑張ってくれればそれでいい。”と。

あぁ~お前も大きくなったなぁ、身長も考え方も。 



さいたまスタジアムから帰途に着く途中、私は家内に何か買ってくる物はないか?とメールを送った。

そしてすぐに返事が来た。 ビールとおつまみ。 帰りはイオン経由にしたのだった。