Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

大阪高槻 ! 大阪高槻 !! 浦和レッズレディース 5-0 高槻FC  20th May 2012

2012-05-26 | Women's Football
久々に土日共に好天に恵まれた週末。土曜日はさいたまスタジアムに,日曜日のこの日は鴻巣競技場にまで脚を運んだ。
待ちに待ったこの日。しかしうっかり忘れるところであった。息子と Go Go Reds を見なかったらこの試合を見過ごすところであった…..
我が故郷、大阪府高槻市をホームにするフットボールクラブ、スペランツァ高槻FCが浦和レッズレディースと対戦する日をどれだけ心待ちにしていた事だろう。 昨年 FIFA Women’s World Cup でなでしこジャパンが優勝し、女子サッカーを取り巻く環境は劇的に向上した。テレビに雑誌に代表選手を見ない日は無いくらい。そしてなでしこリーグの観客動員数はどれだけ増えたのだろう。 そして我が故郷の高槻FCは昨シーズン、なでしこリーグの一つ下にあたるチャレンジリーグ WEST で2位に入り、プレナスなでしこリーグへの昇格を決めた。 

今シーズンのプレナスなでしこリーグは昨シーズン原発問題で頭部マリーゼが休部となった為9チームで行われたが、今シーズンは10チームでのホーム&アウェーの総当たりを行い総勝点数で優勝、順位を決める。

前になでしこリーグの試合を観戦したのは2006年9月24日に駒場競技場で行われた浦和レディース対高槻FC。
この試合は 1-0 で浦和Lが高槻FCを破った。このシーズンは8チーム中7位に終わり、 Division 2 2位の大原学園 JaSRA 女子に入れ替え戦で敗れて Division 2に陥落。2008年には Division2 で8チーム中2位になり Division 1 最下位の伊賀 FC を入れ替え戦で破り Division 1 に復帰したものの Division 1 の壁は厚く最下位に終わり1年で降格。2010年は チャレンジリーグ WEST で1位となったが今度は Division 1 10位の伊賀FCくの一に入れ替え戦で敗れ昇格を果たせず、昨シーズンはチャンレンジリーグ WEST で2位になったがこの時入れ替え戦出場規定条件を満たすチームが高槻FCしかなく、更に原発問題で東電マリーゼが休部となった為になでしこリーグに自動昇格となった。

今シーズン、開幕戦はテレビ中継もされた女王 INAC 神戸戦。多くの観客、視聴者の前で 0-7 で大敗してしまった。中継では澤をはじめ INAC の選手の事ばかりアナウンサーは連呼していた。我が高槻 FCは丸山桂里奈以外の選手の事は殆ど話題に上がらなかった。しかし6年前に購入したなでしこリーグのプログラムを紐解くと奥田亜希子、松田望そして伊丹絵美の3選手の顔写真があった。彼女達は6年も経った今も高槻でプレーしていると言う事に感激を憶えた。 
そして以降、浦和L戦の前迄5戦して2分3敗。前節、ホーム高槻萩谷で行われた ASエルフェン狭山FC戦では終了2分前に松田望のゴールで引分けた。なでしこリーグ残留を目標とするならばホームで開催される福岡、狭山戦は勝利を納めて貰いたいところであったのだけど、4月28日のホームでの福岡戦もロスタイムに柳田詩織に同点ゴールを決められ引き分けてしまった。

観客席には多くのレッズサポーターがこの日も。なでしこジャパンがワールドカップで優勝する前からレッズのサポーターは多く試合に駆けつけている。そのあたりはさすがと言うほかない。
高槻の方は…青いシャツを着た人が3人いるだけだった。6年前には旗を打ち振る人達もいたんだけど….しかしこの人達を見て俄然、自分がここに来て良かったと思った。そしてこの日自分が来ていたのは赤いシャツだったので青色のガンバのレプリカを持っていた人がいたので試合終了まで借りて着た。 
これまで高槻FCは対浦和L戦8戦7敗1分得点4失点23。しかもスタメンを見ると…浦和LはGK 山郷のぞみとCB矢野喬子がワールドカップ優勝メンバー。現役なでしこジャパン。更に右SB土橋優貴、ボランチ柳田美幸そしてFW 新川恵理子らが代表歴がある。柳田、新川は北京五輪メンバーだった。



前節狭山戦と同じスタメンの高槻FCは丸山以外、代表歴のある選手はいない。MF浜田遥が2008年ニュージーランドで開催されたFIFA U-17に日テレに所属するマラドーナ岩渕と共に出場した。ここは何とか粘り強く守って最後は丸山に….と淡い期待を抱いた。



浦和Lのキックオフで始まった試合。 まずは高槻が浦和Lゴールに迫り我々を喜ばせる。
開始早々は左サイドから縦パスが丸山に通りそうになるがわずかにタイミング合わずGK山郷に。4分にはボランチ豊田奈夕葉から再び丸山にナイスパスが通るがここはオフサイド。 その直後にも左SBの虎尾直美からチャンスを作るがシュートには誰も持ち込めない。しかしこの時PA内で浦和L選手のDFの手にボールが当たった気がした。我々からいっせいに
“ハンドだ!ハンド!!”と叫ぶ。 開始からピッチに向かって“大阪高槻 !!”と声援を送るけど選手たちはそれに答えてくれているみたいだった。
10分には左サイド虎尾からMF伊丹絵美に縦パスが通りそこから入れられたクロスに173cmの浜田遥が飛び込むがわずかに合わない。 私たちも思わず天を仰ぐ。
“まだアウェーでゴールが決まっていないんですよねぇ~。”とサポーターの一人が教えてくれたけど、この時点では何だが得点の期待を感じた。
だけど我々の期待も一気にしぼんでしまう。12分に右SB和田奈央子からクロスが新川に渡りシュート体勢に入られる。ここはCB奥田がマークに入りクリアーするが14分中盤から浮きダマの縦パスが見事にフリーの吉良知夏に入りそのままシュートを高槻ゴールに蹴り込まれ先制ゴールを許してしまった。 吉良にパスを出したのは誰だろう?恐らく柳田美幸ではないだろうか?さすが元日本代表….と感心してしまった。



その後も浦和Lの攻勢は続き18分には右MFの新発田華絵がドリブルシュートを放つ。ここはゴール枠を外れてくれて安堵の嘆息を漏らす。
だがここから高槻DF陣、特にCBの奥田と平野聡子が必死に守りリズムを作ると次第に中盤で浦和Lのパスをカットし攻撃に繋げられる様に。2度中盤でボールを持った浜田からボランチ壷井綾子にボールが渡り惜しいシーンが演出された。
何とかここに丸山が絡めばなぁ…と思う。しかし浦和L攻撃を警戒しなかなかラインを高く上げられない。
36分にはまたも和田から新川にボールが通り新川がフリーでシュートを放つ。やられた!!と思ったけどここはポストの右に外れてくれた。 そしてまた浦和Lが攻勢に出てくる。ボランチが前の方に出てきて中盤で数的優位を作られ始めた。
42分には中盤で繋がれ、またも吉良にフリーで打たれたがポストの左に外れてくれた。
これで前半は 0-1 で終わるなぁと思ったロスタイムに吉良とワンツーで抜け出した新川にあっさり左サイドから押し込まれリードを広げられてしまった。 そしてそのまま前半が終わった。

なんだか目の前でパス交換の練習を見ているみたいなシュートだった。我々高槻サポーターは一気に消沈してしまった。 



あぁぁぁ、痛い時間ですね….. 本当に痛い2点目ですね…. 口々にこんなことを話した。

ハーフタイム中にプログラムを見ながら選手を確認していると、ある人が“庭田亜樹子っているでしょ。もうそろそろ高槻に帰ってきなさいって言わなあかんなぁっておもてるんです。”と教えてくれた。 6年前は高槻FCでプレーしていた。当時jは高槻の主将じゃなかったかな? その翌年、2007年に浦和レディスに移籍した。
“それどこで言うんですか?試合後のサイン会ですか?”
“へぇ?サイン会あるんですか?そりゃ楽しみやなぁ…. “ まぁ実際は無かったんだけど。
庭田ばかりではない、ワールドカップのヒロインの1人GK海堀あゆみもかつては高槻でプレーしていた。

“事務所はグリーンプラザにあるんですか?まだグリーンプラザあるんですね。” と私が訊くと
“グリーンプラザありますよ。”とまたローカルな話題に花が咲いた。 私の他の3人のうち高槻からわざわざ見に来られた方が二人おられた。 私は故郷を後にして何年経ったのだろう….
“高槻歩いていたら丸山とすれ違いますか?”ってな不謹慎な質問もした。そして“選手の顔写真は何度も撮り直して一番良いのを採用しているんじゃないですか?” と言うと一同それには納得していた…まぁそういう目だけで彼女達を見ているのではないが。

後半に入り、リードしている浦和Lの方が選手を替えて来た。室園彩乃に替えて岸川奈津希が投入された。共に20歳、166cm(プログラムによると)の選手。岸川はCBに入って来たけど前半は向こう側に浦和Lゴールがあったので土橋は前半も右SBにいたのかは解らなかった。
何とか2失点目の事は切り替えて…と願うも49分30秒にあっさりと3点目を決められてしまった。奥田の新川へのチャージがファールに取られFKを与えると早いリスタートから吉良にスルーパスを通されそのままゴールを割られてしまった。
あぁやはり2失点目が….と溜息が出てしまった。
高槻ベンチは53分CB平野を下げてMF亀岡夏美を投入する。プログラムには彼女の名前が無かった。帰って調べると東京電力マリーゼに所属し、2010年ルネサンス熊本に移籍し、今シーズンから高槻に入って来た選手。彼女も2008年 FIFA U-17 ニュージーランド大会のメンバー。マリーゼ時代は恐らく丸山や浜田らと一緒にプレーしたのかなぁ….



しかし次にゴールを決めたのも浦和L. 。亀岡が投入されて2分も市内うちにまたも吉良に決められてしまった。これで吉良はこの試合3点目。ハットトリックを達成されてしまった….そして58分には御役目御免とばかりに後藤三和と交替でベンチに下がった。
こうなると試合の希望は高槻がアウェー初ゴールを挙げてくれる事に絞られる。4点差がついてから前に出て来るシーンが増えた気がした。 55分には右サイドで松田が相手DFに囲まれでも粘り、58分には浜田が中央からドリブルで突破してくる。最後にシュートタイミングが合わずGK山郷の手中に。 浜田は60分にもドリブルで切れ込み矢野をかわしてクロスを上げ、中に亀岡、伊丹、丸山が雪崩れ込むがGK山郷がキャッチ。 



62分、虎尾から縦パスを受けた浜田が入れたクロスはわずかに丸山が被ってしまう。 後半は高槻がこちら側に攻めて来るので目の前に選手達が迫ってくる度に思わず声が上がる。
しかし流石に浦和LのDF陣も堅い。丸山がボールを持つと矢野、土橋ら代表経験組がタイトにマークに着いてくる。
そして63分新川からボールを受けた柴田のシュートが決まり 5-0 とされてしまった。



5点差とされてもアウェー初ゴールを目指し高槻は攻撃を試みる。 特に左サイドから突破を試みるシーンが何度か。丸山もサイドによりドリブル突破を見せる。また両SBも上がってくる。84分には伊丹のパスを受けた浜田が惜しいシュートを放つ…



そして85分丸山が島村裕子と替ってベンチに下がる。 昨年五輪予選で負傷してからロンドン五輪出場を目指して必死のリハビリ、プレーを続けるがメンバー入り出来るだろうか….ワールドカップメンバーよりも狭き門なんだよなぁ。



そして同時に伊丹も下がりMF浅野美希が入った。これで前線は浜田、島村の2トップとなった。2列目は右が松田、左には浅野が入った。それより後ろはちょっと遠くて確認出来なかった。 メインスタンドで見れば解っただろうに…
残り5分、高槻は何度も浦和Lゴールに迫る。 87分には浜田のFKに島村が岸川と競りながらシュートを撃つがGK山郷が掴む。 90分には浅野から浜田に縦パスが入るがオフサイドフラッグが上がる。 そしてロスタイムも過ぎ主審のホイッスルが鳴った。 前半高槻のシュート数は1本だったけど後半は浦和L5本に対して4本のシュートを撃ったんだけどなぁ…



試合が終わり選手達はそのまま控室に向かおうとした。
“あぁ、こっち来てくれないんかなぁ~。”と言うというとこちらに向かい出してくれた。そしてベンチの選手達や井上監督、チームスタッフもこちらに向かって来た。そして我々の掛け声と共に一礼をしてベンチに…と思ったらGK鈴木理沙をはじめ数人の選手がこちらの観客席で観戦していた人達のところに、きっと身内の人達だろうなぁ…



“それじゃぁエールの交換しますか?“
“アウェーの方からせなあかんねやろ?”…. と話すがヒーローならぬヒロインインタビューが始まり、
“インタビュー終わってからしよか?” と話すもなかなかインタビューが終わらない。 だから先に横断幕を片づける事にした。
そして借りていたユニフォームを返し何度も御礼を言った。今度は青色のシャツを着て来ます…ってな事を言いながら。
しかしインタビューはなかなか終わらない。新川、吉良は2度もインタビューされ、2度とも“ここに来て頂いたサポーターの方達に一言お願いします。”と言われていた。2人とも困っていたンとちゃうか?
すっかりタイミングを失してしまった私達は“さっきもおんなじこと訊いていたやないか?”って横断幕を片付けながらぶつぶつと…



そしてレッズサポーター達から選手達のコールが始まり、最後に “高槻FC!高槻FC!!”とコールが始まった。
“ほら、コール始まりましたよ。私達もエールかえしましょう!”と私は声を掛け、3人だけであるが精一杯に“うらぁ~わレッズ !! うらぁ~わレッズ!!“ とありったけの声を張り上げた。
すると浦和Lサポーター達から拍手が返って来て“ありがとうございまぁ~す!”と言う声援も聞こえた。

あぁ良かった。無事にエール交換が出来ましたねぇ~、と皆で話した。 
また今シーズン中に再会しましょう。何とか残留を果たして欲しいですね、萩谷にも見に来ぃやぁ~、っと挨拶をかわし、高槻まで気を付けて…と頭を下げて帰途に着いた。

そしてレッズサポーターの方に向かい、自分は高槻のサポーターと自己紹介し、インタビューがなかなか終わらずこちらからせねばならないエールをなかなか送れませんでした。と説明をした。 
“そうですね、本当に延々とやっていましたね。”と答えてくれ、試合の事や活動等色々話をしてくれた。女子サッカーを盛り上げたいという気がひしひしと伝わる。
“昨日はさいたまスタジアムに行ったんですよ。”と話し、 “連勝ですね。羨ましい。”と云い、丁寧に挨拶をして歩いて鴻巣駅まで向かった。来年も浦和レッズレディスと試合が出来るように高槻が残留する事を願いながら。
そして週末2日間ともサッカー観戦に出掛けた私を嫁はんはどうおもってるかなぁ~と思いながら….

そしてあと今年何回高槻FC戦を観戦出来るかなぁ..と思いながら。 それにしても良い天気の週末だった。.