



昭和62年、安アパートの自室でゴミの山に埋もれて孤高の死を遂げた作家森茉莉。父森鴎外に溺愛された贅沢な少女時代。結婚、渡仏、離婚などを経て自立。54歳で作家となり、独得の耽美な小説世界を発表した後半生の貧乏ぐらし―。「精神の贅沢」を希求し続けた84年の生涯の頑なで豊かな生き方を、人気作家群ようこが憧れとため息をもってたどっていく全く新しいタイプの人物エッセイ。

森鴎外の茉莉に対する親バカっぷりと、軍医であり、文豪である森鴎外という人物には関心がなく、自分だけを見ていてくれる、森林太郎に深い愛情を持っていた茉莉。
大人になっても父親の膝に乗っかる? えー!

家政婦さんがアパートの鍵を開けると、ベッドの上で死んでいた。電話に右手を伸ばしていたという。84歳。こういう死に方をすると遺族には迷惑かもしれないけれど・・・理想です。四の五の言わずに消えていく。うん、いい!
群さんのエッセイからシュルーっと・・・で、茉莉は・・・と入っていくからとても読みやすくすんなり読めて、惹かれた。読んでみよっかな? 森茉莉の「贅沢貧乏」 と思った。
