「三つ子の魂百までも」という言葉があるが、20代の頃に心に決めたことが、60代を過ぎた今、ようやく私にも芽生え始めてきたのを感じた、二つの出来事が昨日あった。
そこで、今日のブログのタイトルは「二十歳の心いつまでも」とした。
私が20代始めの頃、好きなラジオ番組に、落語家の毒蝮三太夫さんと、現在は料理研究家で活躍されている平野レミさんが、東京下町の商店街に出向き、町のオバちゃんたちに声をかけ、その町の魅力を探るというのがあった。
毒蝮と名乗るだけあり、毒舌が売りの三太夫さんと、いつも朗らかで笑い声の素敵なレミさんのコンビは絶妙だった。
「ババア、まだ生きていやがったのかい」口は悪いが、人柄の良さが引き立つ毒蝮さんの軽妙な会話に、インタビューを受ける町内のオバちゃんたちの元気な笑い声が、ラジオから流れていた。
こんな軽妙であったかい会話が将来できたらいいなー、と、20代の私は感銘を受けたものだ。
昨日のことである。
私が会長をしている町内会での出来事だ。
私が車で走っていると、先日病院から復帰したばかりのおじいさんが歩いていた。車を止めて「とうさん、身体大丈夫かい」などとご機嫌を伺う。
「なんもさ、腰のあんばいが悪くて、病院に行くとこさ」という。もう長生きできないと、愚痴をこぼす。
「なに弱音を吐いているのさ、ほら桜だって今年も元気にきれいに咲いたよ、来年だって再来年だって、桜は元気に咲いて我々を楽しませてくれるんじゃないか、生きてりゃ来年も再来年も、きれいな桜を見れるんだよ、元気を出しなよ」というと「そうだね、ありがとうございます」と、手を合わせて頭を下げた。
※サーフサイドの庭の桜。

その夜、近所のおばさんがやってきた。
「明日、すまないけど、うちのとうさんを病院に車で連れて行ってください」というお願いだ。
三日ほど前、元気伺いにその家に顔を出した時、とうさんが歩けなくなったので、病院に連れて行ってと頼まれていたのだ。
一月に二度の通院である。
おばさんは、私が忘れていやしないかと確認に来たのだ。
「大丈夫だよ、家のカレンダーに大きく病院って書いてあるから、この次は25日の水曜だね」というと、おばさんは「ありがとうございます」と、手を合わせ深々と頭を下げた。
私は昨日、二度町内のお年寄りから手を合わされ、なんだかとてもうれしい気分になった。
妻に「銚子あと一本追加して」というと「あなた、隣のおじさんを病院に連れて行くのを、忘れていたでしょう」と鋭い突込みが入った。
あれから40年が過ぎたが、我が家にはまだまだ駆け出しの毒蝮三太夫と、突っ込み鋭い料理上手の平野レミのコンビが残っていたようだ。
そこで、今日のブログのタイトルは「二十歳の心いつまでも」とした。
私が20代始めの頃、好きなラジオ番組に、落語家の毒蝮三太夫さんと、現在は料理研究家で活躍されている平野レミさんが、東京下町の商店街に出向き、町のオバちゃんたちに声をかけ、その町の魅力を探るというのがあった。
毒蝮と名乗るだけあり、毒舌が売りの三太夫さんと、いつも朗らかで笑い声の素敵なレミさんのコンビは絶妙だった。
「ババア、まだ生きていやがったのかい」口は悪いが、人柄の良さが引き立つ毒蝮さんの軽妙な会話に、インタビューを受ける町内のオバちゃんたちの元気な笑い声が、ラジオから流れていた。
こんな軽妙であったかい会話が将来できたらいいなー、と、20代の私は感銘を受けたものだ。
昨日のことである。
私が会長をしている町内会での出来事だ。
私が車で走っていると、先日病院から復帰したばかりのおじいさんが歩いていた。車を止めて「とうさん、身体大丈夫かい」などとご機嫌を伺う。
「なんもさ、腰のあんばいが悪くて、病院に行くとこさ」という。もう長生きできないと、愚痴をこぼす。
「なに弱音を吐いているのさ、ほら桜だって今年も元気にきれいに咲いたよ、来年だって再来年だって、桜は元気に咲いて我々を楽しませてくれるんじゃないか、生きてりゃ来年も再来年も、きれいな桜を見れるんだよ、元気を出しなよ」というと「そうだね、ありがとうございます」と、手を合わせて頭を下げた。
※サーフサイドの庭の桜。

その夜、近所のおばさんがやってきた。
「明日、すまないけど、うちのとうさんを病院に車で連れて行ってください」というお願いだ。
三日ほど前、元気伺いにその家に顔を出した時、とうさんが歩けなくなったので、病院に連れて行ってと頼まれていたのだ。
一月に二度の通院である。
おばさんは、私が忘れていやしないかと確認に来たのだ。
「大丈夫だよ、家のカレンダーに大きく病院って書いてあるから、この次は25日の水曜だね」というと、おばさんは「ありがとうございます」と、手を合わせ深々と頭を下げた。
私は昨日、二度町内のお年寄りから手を合わされ、なんだかとてもうれしい気分になった。
妻に「銚子あと一本追加して」というと「あなた、隣のおじさんを病院に連れて行くのを、忘れていたでしょう」と鋭い突込みが入った。
あれから40年が過ぎたが、我が家にはまだまだ駆け出しの毒蝮三太夫と、突っ込み鋭い料理上手の平野レミのコンビが残っていたようだ。