▼首都東京から、百合子知事が満面の笑みを浮かべて「希望の党」を設立した。アベ一強に辟易した国民の心に、ささやかだけど、改革と希望を吹き込んだ感じだ。少しムチムチしてきた体躯の百合子さんに、フランス7月革命をモチーフにした、ドラクロワの絵画「民衆を導く自由の女神」を思い出した。国旗を掲げ、胸をあらわにしている姿に集まる民衆が印象的な絵だ。
▼希望と言えば、箱を開けて最後に残ったものが希望だったというパンドラの箱を思い出す。だが、別説に、パンドラの箱に最後に残ったものが「未来を全て分わかってしまう災(前兆)であり、それが解き放たれなかったことから、希望が残った」という説に興味をひかれる。ちなみにパンドラさんは女性です。
▼国会議員の多くは、国家・国民のために活躍する存在なので、保守系に属する人が多いような気がする。国民の多くも保守なのだ。国家や国が安定していることを望んでいるし、そんなに革新的なことを望んでいるわけではない。野党にも保守系がいるが、保守では既得権にしがみつき、革新的でないとみなされるから、対立軸の野党に属している人もいるようだ。
▼だが、平和が脅かされてくると、国家・国民を守る保守勢力が力を出してくる。「希望の党」は、そんな猫かぶりしていた野党系議員を、磁石に砂鉄がくっつくように、集合させる党名のようだ。「平和・新保守・改革」の三色旗をなびかせれば、隠れ保守も参加しやすいからだ。
▼パンドラの箱の残ったのは「希望」と言われているが、それは災いの元が解き放たれなかったからだとしたら、野党第一党の民進党に残るのは、果たして希望と言えるだろうか。「新保守」というのは、もしかして、最後に残った未来をすべてわかってしまう、災いなのかもしれない。
▼パンドラの箱を開けて世に放たれたのは「災い」だ。世の中は災いに満ち溢れているのだ。もしかして、百合子さんはジャン・ヌダルクと思っていたが、パンドラさんかもしれない。
▼希望というと、故岸洋子さんの歌を思い出す。
♪希望という名のあなたをたずねて
今日もあてなくまた汽車にのる♪
▼「あてのねえ旅に出るのだ」という、名月赤城山の、国定忠治のセリフも思い出す、ちょっぴり肌寒い秋雨が降る、衆議院解散の朝だ。