道東のS町の町内会館で、財務省の職員による「財政難と我が国の今後」と題した講演会が開催された。
なぜこんな過疎の町に来たのだろうかと、遊び人のMは不思議に思いながらも暇なので参加した。
参加者はいつもの如く町幹部職員と、町側から頼まれ動員された各種団体の役員20数名の、計50名ほどである。一般参加は遊び人のMだけだった。
財務省のこの講演会は一見難しそうに思うが、パンフレットなども実にわかり易く出来ていて、意外と楽しい。
講演したO職員は、早口だが要領良く話してくれた。
以前このS町で運営していた第三セクターのホテルに妻と宿泊し、とても気に入った。全国各地で講演しても、このホテルの素晴らしさをピーアールしたと持ち上げる。
たぶん今夜はそのホテルに宿泊するのだろう。
講演内容は我が国の財政が、如何に厳しいかを理解させるものだった。
国家財政を家計に例えたら、
1世帯月収=40万円として (平成19年度の財政状況)
『家計費=33万円・田舎への仕送り(地方交付税)=10万円・ローンの元利払
=15万円』・・・40万円-58万円=マイナス18万円(不足分=借金)
その他にローンの残高が、ななんと!・・4,600万円も残っているという。
世界一の借金国であると弁舌あくまで滑らかである。
2時間に及ぶ熱弁もいよいよ最終章にたどり着く。
「歳出改革を断行しつつも、なお必要とされる社会共通の費用については、制度・執行両面の取組みを通じて、国民全体で広く公平に分かち合う必要がある。
今後、所得・消費・資産等の課税ベースを通じて、どの様な負担を求めることが適当かといった検討も含め、税体系全体の抜本的改革を総合的に討論したい。さらに我が国の消費税率は、主要国の中では最低水準にあります。今後、社会保障制度を初めとする公的サービスを、安定的に支える歳入構造を構築するためには、消費税の役割はますます重要になっています」と、満面笑みで終了した。(会場拍手)。
誰も質問者はいないと見た様だが、聞きたい事がありましたら何でもどうぞと言う。
「財政赤字を解消するためには、何と言っても無駄使いをしないことだ。道路特定財源にしても、国土省の特殊法人が、費用対効果を全く無視し、誰が見ても無駄だと思う税金の使い方をしている。国の台所を預かる財務省は予算執行調査で、使い道の評価や検証をきちんと行っているのか。もう一つ、先の岩国市長選で、庁舎の建設費用を出す出さないで、選挙を戦うなんて、こんな税金の使い方があってはならない。そんな使い方はダメだと、財務省は指導しているのか」と、遊び人のMが質問した。
「1つ目については、予算執行調査の出来るものと出来ないものがある。今国会で道路特定財源を討議しているので、それが決まればそれに則り適正に処理します。
2つ目は、よくその事は承知していませんので、ここで申し上げる事は控えさせていただきたい」・・・完全に官僚答弁に戻っていた。
さて講演も無事終了し、町幹部達が講師お気に入りの地元のホテルへとご招待する。
講師・今日の宿泊費は私共で支払いしますので、お気遣いないように。
町幹部・とんでも御座いません。私共のホテルを全国にピーアールしていただき、さらにこのような辺鄙な所までおいでいただき、貴重なお話を頂戴し恐縮しております。今夜は地元の山と海の幸と温泉で、日頃のお疲れを取っていただければ幸いです。
やがて町幹部は引き上げ、その後講師と付き添いの数人で酒を酌み交す。
講師・昔は接待も派手だったな。今は何処も財政が厳しく今日は上等の方だな。
(町幹部は今では接待費も無く、今日の分は割り勘で自腹を切るのである)
講師の提案で寝る前に露天風呂に入ることになる。
真夜中の露天風呂には誰もいない。夜空には星がきらめき、半欠けの月がとても奇麗だ。
「昔はよかったよな」と講師再びつぶやく。
「真っ裸で入浴だな。これが本当の、ノーパン・ジャブジャブだ」と、子供のように湯に飛び込んだ。 終わり
なぜこんな過疎の町に来たのだろうかと、遊び人のMは不思議に思いながらも暇なので参加した。
参加者はいつもの如く町幹部職員と、町側から頼まれ動員された各種団体の役員20数名の、計50名ほどである。一般参加は遊び人のMだけだった。
財務省のこの講演会は一見難しそうに思うが、パンフレットなども実にわかり易く出来ていて、意外と楽しい。
講演したO職員は、早口だが要領良く話してくれた。
以前このS町で運営していた第三セクターのホテルに妻と宿泊し、とても気に入った。全国各地で講演しても、このホテルの素晴らしさをピーアールしたと持ち上げる。
たぶん今夜はそのホテルに宿泊するのだろう。
講演内容は我が国の財政が、如何に厳しいかを理解させるものだった。
国家財政を家計に例えたら、
1世帯月収=40万円として (平成19年度の財政状況)
『家計費=33万円・田舎への仕送り(地方交付税)=10万円・ローンの元利払
=15万円』・・・40万円-58万円=マイナス18万円(不足分=借金)
その他にローンの残高が、ななんと!・・4,600万円も残っているという。
世界一の借金国であると弁舌あくまで滑らかである。
2時間に及ぶ熱弁もいよいよ最終章にたどり着く。
「歳出改革を断行しつつも、なお必要とされる社会共通の費用については、制度・執行両面の取組みを通じて、国民全体で広く公平に分かち合う必要がある。
今後、所得・消費・資産等の課税ベースを通じて、どの様な負担を求めることが適当かといった検討も含め、税体系全体の抜本的改革を総合的に討論したい。さらに我が国の消費税率は、主要国の中では最低水準にあります。今後、社会保障制度を初めとする公的サービスを、安定的に支える歳入構造を構築するためには、消費税の役割はますます重要になっています」と、満面笑みで終了した。(会場拍手)。
誰も質問者はいないと見た様だが、聞きたい事がありましたら何でもどうぞと言う。
「財政赤字を解消するためには、何と言っても無駄使いをしないことだ。道路特定財源にしても、国土省の特殊法人が、費用対効果を全く無視し、誰が見ても無駄だと思う税金の使い方をしている。国の台所を預かる財務省は予算執行調査で、使い道の評価や検証をきちんと行っているのか。もう一つ、先の岩国市長選で、庁舎の建設費用を出す出さないで、選挙を戦うなんて、こんな税金の使い方があってはならない。そんな使い方はダメだと、財務省は指導しているのか」と、遊び人のMが質問した。
「1つ目については、予算執行調査の出来るものと出来ないものがある。今国会で道路特定財源を討議しているので、それが決まればそれに則り適正に処理します。
2つ目は、よくその事は承知していませんので、ここで申し上げる事は控えさせていただきたい」・・・完全に官僚答弁に戻っていた。
さて講演も無事終了し、町幹部達が講師お気に入りの地元のホテルへとご招待する。
講師・今日の宿泊費は私共で支払いしますので、お気遣いないように。
町幹部・とんでも御座いません。私共のホテルを全国にピーアールしていただき、さらにこのような辺鄙な所までおいでいただき、貴重なお話を頂戴し恐縮しております。今夜は地元の山と海の幸と温泉で、日頃のお疲れを取っていただければ幸いです。
やがて町幹部は引き上げ、その後講師と付き添いの数人で酒を酌み交す。
講師・昔は接待も派手だったな。今は何処も財政が厳しく今日は上等の方だな。
(町幹部は今では接待費も無く、今日の分は割り勘で自腹を切るのである)
講師の提案で寝る前に露天風呂に入ることになる。
真夜中の露天風呂には誰もいない。夜空には星がきらめき、半欠けの月がとても奇麗だ。
「昔はよかったよな」と講師再びつぶやく。
「真っ裸で入浴だな。これが本当の、ノーパン・ジャブジャブだ」と、子供のように湯に飛び込んだ。 終わり