▼戦後80年を経た世界の秩序は、米国トランプ大統領一人が揺さぶっている。戦後の世界観が、もう立ち行かないところに来ているのかと思わせる節もある。そんなところを突いた、トランプ流の「ショック療法」がまかり通る。
▼東京科学大教授の中島岳志は、一体トランプ政権は、どこに向かおうとしているのかと、疑問を呈する。
▼政府効率化省にイーロン・マスクを起用し、規制緩和や技術革新を推奨する。「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」運動では、過激なポピュリズムの扇動が見える。
▼生産より消費に陥ったアメリカの現状を変え、製造業を中心とした国内産業の保護と発展を進めるためのは「関税」は重要な手段となる。
▼だが世界各国に一斉に関税をかけるというのは、あまりにも突飛だ。その反対派に保守派のシンクタンク、オレン・キャシを上げる
▼オレンは自分たちにグループを「真正の保守派」と称する。彼にとってトランプは「過度的な人物」であり、異なる思想のグループを集結させるのは得意だが、対立をどのように解決するかを自分の頭で考えるのは、不得意な人物だという。
▼ここは異論がないが、オレンは「トランプ政権の「ショック療法が必要だ」と同調を見せる。極端な政策の中には必ず偏狭な思い上がりや思い込み、イデオロギーが入り込んでいる。
▼保守を標榜する人間は、知性の限界に対して謙虚でなければならない。トランプ政権の「相互関税政策」は、あまりにも急進的での平和的な秩序を脅かしかねない。
▼『保守は永遠の微調整を旨とすることを忘れてはならない』と中島は指摘する。
▼トランプの出現により、戦後の民主主義が崩壊し始めたのではないかという危惧にさらされたが、ちょっぴり安堵感を覚える。
▼ここまで書いていて、よく似た傾向にあると思ったのが、我が函館市長のことだ。前市長を圧倒的大差で打ち破った。
▼その結果は、前市長の市政に市民がNOを突きつけたと、勘違いしたのではないか。ちょっぴり保守的な雰囲気があり始めた前市長に対し、市民はちょっぴり新しめの市長を選んだだけだ。
▼そこを勘違いしている節がある。もともと函館は保守的な街だ。その保守の牙城みたい市役所から市長が出ている。
▼だが現市長は人口減に対し、新幹線の函館乗り入れを公約にした。しかし市民はもはや新幹線効果を期待していないのだ。
▼「ふるさと納税」を100億円にするともいう。24年度でわずか22億円なのにだ。さらに世界の観光都市を目指し、世界トップ10以内にランクインさせると意気込む。
▼トランプ流ポピリズムに過ぎない。地に足をつけていない政策だ。かつては関東以北最大の繁華街を誇り函館だった。北洋漁業の衰退でも、昔の栄華の頼り切っていた。
▼保守的な最も保守的な体質が市役所だ。そこのところの抜本的な、体質改善がなされなければ、新たな函館は見えてこない。
▼その市役所と言えば、議会との答弁調整が横行している。市長のパーティー券販売問題は、市長自ら幹部に聞いたらそんな事実はないといったので、この一見は落着したという。
▼誰もがそうは思っていない事件だ。そんな旧態依然とした市役所内で、大ぼらを吹いても市民の心には届かない。
▼もっと地道な改革を市民と語り合ってほしい。民意を得たといっても、トランプ流の民意では、先が見えてこないからだ。
▼函館は保守的なまちだといったが、函館は開港都市としてのプライドに満ち溢れたまちだ。住むものみんなが、このまちを心から愛しているまちだ。
▼保守は保守なりの意地とプライドを示してほしいものだ。軽々な発言は保守のまちには似合わないからだ。
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