▼今日にも引退会見があるという日馬富士。朝青龍に続きモンゴル横綱が暴力事件で首になるというのは、単純にモンゴル人を横綱にしてはいけないということだろう。40回優勝の白鵬の取り口も、思い出してみれば「張り手」で相手をひるませるという、横綱としてあまりにもみっともない相撲だからだ。
▼理事長の顔を踏みつけるような行き過ぎた発言や、万歳三唱などはもっての他の行為だ。今上天皇の最後の天覧試合に、白鵬が音頭を取り、万歳が行われる夢を見そうで、早く、引退させる算段をした方が、角界というより我が国の国益に適うような気がする。
▼森友学園問題の籠池理事長の土地値引き交渉。それに応じる近畿財務局職員の「可能な限りゼロに近い金額に努力します」という会話は、バックに昭恵夫人がいるというのを実証している。
▼さらに「理財局長も財務局長も、妻が森友名誉校長だったとは知らなかった」と述べるアベ総理には、妻が名誉校長に就任する前に、なぜ阻止できなかったのか、それを野党は総理に質問しなければならない。
▼【森友学園→教育勅語→総理夫人の名誉校長→強引な値引き】。これが、森友学園問題の単純な流れだ。
【加計学園→総理の親友→ゴルフ仲間】これが国有地払い下げの、単純な仕組みだ。
▼つまり、森友と家計問題は、アベ総理夫妻がその原因を作った「税金詐欺問題」なのだ。野党の質問は、ここに集中しなければ、アベ総理を退陣にはできない。
▼角界と政界のこの問題。マスコミも必要以上に騒ぎ立て、分母と分子の数字だけを膨らませ、複雑に見せているが、1000分1000は、1という単純な問題なのだ。
▼先日、財務省の函館事務所の「我が国の財政」というテーマの講演会が、我が村であった。我が村からの一般参加は、私とある会社の社長さんの二人だ。
▼他の参加者に尋ねると、隣町の老人クラブの一団だという。「なぜ年寄りの俺たちに、日本経済の話など」と、不満気だった。この参加者の顔ぶれでは、今問題が山積している財務省に忖度して、質問が出ないレベルを動員したのかと、勘ぐってしまう。
▼下衆の勘繰りはこのぐらいにして、講演内容だ。「今回の衆議院選挙で、消費税の2%アップを、教育費の無料化に充当させることを憲法に明記すると、国民に呼びかけたアベ内閣を支持してくれた。ということは、皆さんが無償化を容認したと考えている」と繰り返したのだ。財務省が、地方の隅々までそう言わせるということは、絶対実施する決意なのかと、私は単純に考えていた。
▼だが、憲法には無償化を明記せず、憲法第27条に3項を付け加え「国は教育環境の整備に努めなければならない」とするらしい。「無償化は改憲の口実だったのか」との声がわき起っている。
▼今日は単純に考えるので、その方向で進むが、アベ総理の長期政権の秘訣は「嘘も方便」という手法を会得したからなのか。
▼「嘘も方便」とは、嘘をつくのは悪いことだが、時と場合によっては必要なこともある、という意味だ。しかし「方便」とは、仏教語で、仏が衆生を教え導くための、便宜的な方法という意味があるそうだ。
▼そういえば、我々は仏教のことをほとんど知らないので、住職の話は、すべて間違いのないものだと思っている。他にも、原子力の知識など全くない国民に「安全・安心なクリーンエネルギー」と国が宣伝したため、福島原発事故という、生存の危機に遭遇させられた大惨事もある。
▼ある科学者が「一方だけが知っているのは騙されやすい」と言った。いや、こんな単純な言葉ではなく、もっと学問的だったと思っているが、単純な私は、そう記憶している。
▼騙しの中に「霊感商法」などというのもある。よく知らないと不安になって、騙されやすいというのだ。もしかして「騙されない国民」にするため、アベ総理は高等教育までの無償化を図ろうとしたのではないかと、ふと思ったりもするが・・・ほんの、ふとだけど。
▼財務省の講演に戻るが「今日の参加者は高齢者が多いので、財務省から詐欺にあわない注意事項を教えます」と、30分も話した。「実は2%上げても財源がたりません。それは皆さんが選挙で支持したのだから、仕方がないでしょう」という、講演内容だったのかもしれない。
▼私の単純な頭では、今日の新聞を見て「財源が足りなければ無償化を憲法に書き込むのは無理だな」と、思ってしまう。だが、財源不足は初めから承知で、選挙期間だけ本当のことを言わなかったということなのだろう。
▼つまり国民は、アベ総理の「後の祭り」に参加させられてしまったようだ。そういえば、国の借金が1000兆億円を超えているのに、なんだかこの大判振る舞いは、変だなと感じていた国民は多かったと思うが。
▼財務省は、東大でも優秀な人間が,入省しているといわれている。国有財産の評価や消費税率の計算を、間違うだろうか。私の単純な考えだが、たぶん「間違ったふり」をして、国民を欺き、財務大臣や総理を喜ばせているのではないだろうか。
▼今気が付いたのだが、単純すぎる考えをしていたら、随分文章が長くなってしまった。そこで気が付いたのだが、アベ総理の国会答弁は、単純なことを言っているのだが、それを言葉を変えて、同じようなことを長たらしく答弁し話しているだけだ。
▼自分では雄弁と思っているようだが、実は内容が薄く、雄弁ではなく、多弁なのだ。多弁を弄し、野党を煙に巻いて、憲法改正をおこなおうとしているのだ。
▼という私も多弁になってしまったので、おしまいにする。アベ総理の国会討論から、私が得た単純な格言は「人の振り見て我が振り直せ」のようだ。