▼北海道民はプーチン大統領が統治する、ロシアがすぐ近くにあるのに、軍事的脅威をあまり感じていない人が多いようだ。
▼第二次大戦終了時点、当時のソビエトが北海道を半分に分割し、北部をソビエトが統治するといった案があったのも、知らないのか忘れているのか、あまり話題にしたのを聞いたことがない。
▼もしそうであれば、北海道は東西ドイツや南北朝鮮半島と同様分裂国家となって、北と南でいがみ合っていたのかもしれない。
▼そしてロシアの南下作戦を常に意識した、緊張だらけの生活を、道民は余儀なくされていたに違いない。
▼ロシアのウクライナ侵攻に対しては、日米安保条約の関係で日本は米国に同調し、ウクライナ支援を行っている。
▼プーチンはクリミヤ半島を占領し、ウクライナを占領している。西部戦線が収まれば、プーチンは極東に目を向ける可能性はある。となれば一番危険地帯が北海道だ。
▼台湾をめぐる中国軍の動きが活発化している。その対応で沖縄諸島の軍事基地強化が行われている。
▼中国やロシアの極東侵攻に対処するためか、最近の北海道は日米の軍事訓練が拡大している。実弾での訓練も行われているようだ。
▼道民も北海道は広い大地というイメージがあるので、演習拡大への反応は、すこぶる鈍い。鈴木道知事も関東出身者なので、演習拡大に対する反応は敏感さを欠く。
▼9月27日の北海道新聞は【道内4港・日米演習で使用】とある。だがそれに対し知事の談話も聞こえてこない。
▼沖縄は南方地域の最大基地、北海道は日本北方地域の、最大の軍事基地になるのではないかと心配する。
▼4港とは「釧路港・苫小牧港・江差港・奥尻港」だ。函館市民の私としては「江差港と奥尻港」というのが、喉にぐさりととげが引っかかる思いがする。
▼本来は津軽海峡の出入り口の函館港が、指定されるべきだ。一朝有事には『津軽海峡封鎖』という作戦があると言われているからだ。
▼素人が見ても江差や奥尻が軍港として、十全な体制ができるとは思われない。陸・海の自衛隊基地、さらに函館空港、軍艦の修理ができるドックや、大きな病院を有している函館が、軍事基地としては最適だからだ。
▼さらに函館港湾内には、米空母(10万トンクラス)が接岸できる埠頭も整備されているからだ。函館港を指定しないというのが、函館市民を欺いているような気がする。
▼1997年8月29日付「朝日新聞」報道では、日米新ガイドライン(軍事協定)協議中に、日本に対し有事使用の可能性がある民間空港・港湾として、北海道では空港は新千歳、港湾は苫小牧と“函館”を挙げている。
▼苫小牧があらためて指定されたのに、函館が指定されないということに注視しなければならない。
▼函館市(道8区)からは、立憲民主の逢坂誠二衆議院議員が長年議席を保っている。だが次の選挙には共産党も擁立を決めた。
▼共産党には2万の票があるという。その票を逢坂は失うことになる。次期衆議員選挙には、自民党は女性の向山淳を擁立し盛り上がりを見せている。
▼使用港に函館の名を明記すると、市民は軍港化を意識し、選挙に影響する。そこであえて函館港を外し、江差と奥尻にしたのではないか。
▼これは私の過剰な憶測に過ぎないかもしれないが、この函館港が外れたことで、函館市議会が‟安堵”して、議会で取り上げないのだろうか。
▼取り上げなければ、函館市民は函館港が軍港化するなどと、夢にも思わないだろう。だが2015年の函館市議会は「集団的自衛権行使容認」を可決している。
▼近年大型クルーズ船が入港するたびに、観光函館の未来を夢に見る市民が、多くなるような気がする。
▼さて石破茂が自民党総裁に選ばれ、人事が発表された。私が常日頃「北海道新改造計画」を持っているという菅元総理が副総裁だ。
▼菅は鈴木道知事誕生の立役者と言われ、道内空港の民営化やアイヌ民族のウポポイの設立に尽力した。
▼政界きっての軍事オタクと呼ばれる石破だが、防衛大臣に元防衛相の中谷元、さらに元防衛大臣の岩谷毅を、外務大臣として起用した。憲法改正への強力な布陣に見える。
▼さらに驚いたのは、沖縄北方担当相に、北海道選出の伊東良孝が選ばれた。石破・菅・中谷・岩谷・伊藤の顔ぶれから『北海道大軍事演習基地』の構想が、鮮明化されるのではないかと思う。
▼そして私が住む函館市。次期衆議員選挙で、自民が勝利すれば『観光都市』から『軍港都市』へ、大きくシフトしそうな気がする。
▼大泉潤函館市長は「ライドシェアー」つながりで、小泉進次郎と菅義偉と親しいと報道されている。
▼さらに北海道8区の自民党候補は、ハーバード大出の女性候補、向山淳だ。若者の間では「潤&淳」などといわれているようだ。
▼選挙戦にシンジロウ・菅・石破の応援があり、三原じゅん子(こども政策担当相)などの応援があったら、現職逢坂も相当な苦戦を強いられるだろう。
▼私は今まで何度か、米空母の函館港入港の夢を見ている。米艦隊から祝砲が聞こえ、函館山山麓に起立している、ペリー総督の像に向かい、一斉に敬礼する。そして函館に米国国歌が流れるというシーンだ。
▼夢は夢で終わってほしいというのが、石破茂自民党新総裁誕生で思う、一函館市民の願いだ。