▼我が国が狂気に覆われ、地獄の戦争を引き起こした昭和の前半、その頂点にあったのは昭和天皇だった。敗戦後も引き続き我が国の頂点に君臨していたのも昭和天皇だ。
▼昭和天皇は戦前は「神」であり、戦後は「象徴」と崇めたてられた。「神=象徴」ではないが、どっちも我が国の「シンボル的存在」だったというのは間違いない。昭和という時代は、昭和天皇に日本国家や国民が抱擁された時代であった。
▼終戦直後は、昭和天皇を世界はヒットラー同様の独裁者と見ていたに違いない。だが、戦争責任は米国により回避された。その時点で昭和天皇と日本国家は、米国に大きな恩義を感じた。
▼それが我が国の【対米従属】の始まりだろうというのが、昭和→平成→令和へと移行する今にあって、国民として確認しておかなければならないことのように思う。
▼28日の北海道新聞朝刊に「象徴と憲法のすきま風」というテーマで、本紙の編集委員が解説している。間もなく元号が「平成」から「令和」に替わるが、何だかしっくりこないという感情があるという。
▼そういえば「元号」というものをじっくり考えたこともなかった。「元号」は天皇の代を表す、記号という意味のように思える。そうであればお祭りは皇室だけで行ってほしい。なぜ世の中は【元号祭り?】で盛り上がるのだろうか。
▼5月1日「元号」が替わり「天皇が代る」。国家最大のイベントの如く、メディアが得意の過剰報道をする。【令和】になることを国家の大イベントにしていいのだろうか。
▼しかし【令和】は、どうやらアベ総理が誘導したらしいという解説がもっぱらだ。もしそうであれば、アベ総理が描く【令和】という時代に、新天皇も国民も誘導されかねない。
▼つまりアベ総理は、新天皇の御代の【名付け親】という事なのか?。それを裏付けるのが新天皇最初の国賓に、米国トランプ大統領を招くということだ。これもどうやら新天皇の意志ではなく、アベ総理の意向のようだからだ。
▼新天皇にも天皇家が存続できるのも、米国のおかげだということを自覚してもらうためための、最初の国賓扱いのようだ。このようなアベ総理の身勝手な行為を、新天皇が断れないというのであれば、アベ総理は天皇を最大限政治利用する考えのように思う。
▼トランプ大統領になってから、アベ総理の【対米従属】が際立ってきた。憲法違反とされる「集団的自衛権行容認」などというのは、米国と一緒に戦争ができるという、とんでもない法律だ。
▼トランプ大統領とは運命共同体と豪語するアベ総理が、戦後から現在まで、米軍の核の傘下で守られてきたことに対し、本格的に恩返しをしようとする意志を、世界に知らしめるようにも感じる。
▼祖父である昭和天皇の戦争責任を帳消しにした米国に、その恩義を孫である新天皇にきちんとお礼を言わせるというのが、米大統領を最初の国賓扱いにするという、アベ総理の目論見なのだろう。
▼森友学園問題が発覚しなければ、トランプ大統領夫人を学園に招待し、園児たちに「ウエルカム・トランプ大統領の奥様」と言わせ、米国旗を振らせたに違いない。
▼町会の総会でお酒が入りすぎたせいで、トイレに行きたくてここで夢から覚めてしまったのだ。・・・アベ総理の音頭で「新元号令和並びに天皇陛下万歳」の唱和まで付き合っていたら、たぶん“御小水”を漏らしていたに違いない?。
▼30日、今上天皇が最後の「お言葉」を発する。父である昭和天皇から引き継ぎ、さらに皇太子にその席を譲る。練りに練っての国民へのメッセージに期待したい。
▼私の予想では「憲法改正に注意を促す内容」が秘められるような気がする。平成から令和への狭間で「平和への希求」こそが語られることを期待したい。
▼元号制定にまで手を染めるアベ総理に、ぜひ太い釘を刺してもらいたい。新天皇の「お言葉」が、為政者の横暴を防ぐ【御釘】という存在になることを期待したい。それしかないような【令和】への期待だ。