▼学問とは真理を発見しようとすることを目的とするものだ。学問は既存の価値や真理とされるものを疑い批判して、新たな価値や真理を生み出すものだ。しかし既存の価値や考えに疑問を抱いたり、批判を行たりすることに対しては、支配権力からすれば危険なものと意識されることもある。
▼「表現の自由」とは国家の干渉を排除することによって、思想・言論の発達を促進するということにある。『国家からの自由』という点に表現の自由の本質がある。・・・東京リーガルマインド(憲法解釈)による。
▼菅元総理が学術会議の6名の任命を拒否した。その中には政府の改憲を批判する学者がいる。中でも東大教授の加藤陽子は徹底して批判する。
▼日本学術会議は、戦前科学者たちが戦争に加担したことを踏まえ、二度と再びそんなんことをしてはならないと、戦後につくられた
「国の特別機関」だ。
▼改憲を党是とする自民党は、それに反対する候補者の任命拒否をした。拒否の理由は話さない。任命拒否の理由を言えば、憲法に保障された「検閲」行為になるからだろう。
▼理由なき拒否は問題外だ。後々自由に拒否できるという事実を意味するからだ。さらに政府は「特殊法人化」する法案を衆議院で通過させた。
▼そこには業務を監視する「監事」や「評価委員会」を設置し、政府の関与を強めるというものだ。
▼「学問の自由」や「表現の自由」を著しく制限するものだ。ましてや学者の最高峰の学術会議が、政府の言いなりになってはならない。
▼そうであれば末端の地方自治体など、政府の意のままになるからだ。最近も地方自治法の改正を来ない「国の指示権」を強めたばかりだ。国と地方自治体は、対等関係にあるというのにだ。
▼トランプ政権になり、日米安保条約も双務的な動きが要求されている。一朝有事には日米軍が共に戦うという姿勢だ。
▼この機にイシバ総理が、独自の防衛論を掲げ、改憲を強行する恐れが出てきている。それの一環が、日本学術会議の口封じ作戦にちがいない。
▼改憲は着々と外堀を固めているようだ。学術会議の次は「緊急事態条項」の成立に向け、国民に国防の必要性を、熱心に丁寧に説くに違いない。
▼国防費の増額には、消費税の減額など絶対にあってはならないからだ。防衛費確保のための消費税の維持だからだ。
▼軍備拡張のための学術会議の「特殊法人化」だ。そんな言論に自由を封殺する政府は、もはや「軍国主義国家」への歩みを始めていると言っても過言ではない。
▼もしこの法案が参議院を通過するなら、野党も「解散総選挙」に打って出なければならない問題だ。
▼学問の最高機関が政府に言いなりになるということは、戦前回帰にも匹敵する事項だ。マスコミも注意喚起を怠ってはならない。
▼「学問の自由」が侵されて「表現の自由」が制限されれば、これほど息苦しい国家はないからだ。
▼「トランプ関税」は、日本を軍事大国にしようとする米国の目論見かもしれない。極東の最大の軍事拠点化だ。
▼日本は自分の力で国を守れという「米国第一主義」のメッセージなのかもしれない。