▼私たちの世代は、防衛費の増大は戦争を誘発するのでGNP(国民総生産)の1%以内と、政府が制限を設けていたというのは知っている。
▼GNPからGDP(国内総生産)に変わったが、その数字の枠内を少しは超えていることは理解していたが、“丁寧総理”が27年度に2%越えを財務省と防衛相に指示したという。
▼明日をも知れないキシダ政権が、5年後の予算について言及するとは「遺言予算」?か。22年度の防衛予算は5兆4千億円だ。 5年後には10兆円となる。
▼IMFが発表した2018年度のGDPは、1位が米国・中国・日本の順だ。米国は日本の4倍の20兆5千億ドルだ。
▼そこから比較すれば、昨今の世界情勢から考え、日米軍事同盟下では、2%でも足りないという、米国からの指摘があるのではないかというのではないかと推測される。
▼周辺事態の悪化に備え、敵基地攻撃能力をも考え、ミサイルの増強などを真面目?に討論しているのが、現在の我が国の“国壊”と呼ぶにふさわしい現状だ。
▼与党ばかりではなく野党も乗り気だ。自衛のための戦争準備だ。「憲法第9条」は、もはや廃棄条項化している。
▼「9条の改正笑ひ言ふ議員このチンピラに負けてたまるか」。歌人・岩田正一
こばかにしたようにへらへら笑いながら憲法9条などもう変えたほうがよい、軍隊保持は世界の常識ですよ…とかなんとか若手議員がテレビか何かで揚言する。嗤笑しつつ、あるいは含み笑いしながら、いかにも分かったようなことを言う。辺見庸著「いまここに在ることの恥」発行・毎日新聞社。
▼この本は2006年に毎日新聞社が、辺見を招いての「憲法改悪をどこまでも反対する」という講演会の内容をまとめたものだ。
▼29日付北海道新聞「論壇」での、東工大教授中島岳志の発言だ。「テレビの討論会番組でも、相手の言葉を遮り、時に大きな声を出して威圧する論客が目立つ。そして彼ら・彼女らは、相手を見下し嘲笑する。議論への信頼を取り戻さなければならない」。
▼18年も前の議員以上に、今の我が国の国会議員は「憲法無視」をし、何ら反省の心もない
。「恥を知らない」国会議員が増えてきた。
▼こんな日本にしたのは、他ならぬ日本国民なのだ。私たち国民も恥を自覚し、国会の議論を注視しなければならない。それしか方法がないのではないかと、早朝の布団の中での読書で考えていた。