▼昨年10月、沖縄県知事が国に辺野古基地阻止の訴訟を起こしたが、福岡高裁は県の請求を却下した。沖縄県民がダメといっているものを、国が無理やり工事を行い、それを裁判所までが容認するというのは、もはや我が国の民主国家は、終末期に来ているようだ。
▼「権力分立」という言葉がある。権力が単一の機関に集中することによる権力の乱用を抑止し、国民の権利・自由を保障するシステムだというが、これでは司法・立法・行政の「権力混同」ではないか。
▼沖縄では、すでに最高裁判所のことを「最低裁判所」と呼んでいる。司法はもはや【死法】と呼ばれているに違いない。沖縄県の県歌は、鶴田浩二が歌う「傷だらけの人生」と全く変わりがない。
▼♪何から何まで真っ暗闇よ すじの通らぬことばかり右を向いても左を見ても ばか(アベ)と阿呆(トランプ)のからみあい どこに男(沖縄)の夢がある♪
▼一度県が承認したのを、新たに玉城知事が却下したとして、訴えたのは沖縄防衛局だ。行政不服審査法に基づく訴えだというから、あきれてしまう。行政不服審査法は国民が訴える権利だ。いくら何でも、行政機関が「私人」であるというのは無理というものだ。
▼福岡高裁は、移設をめぐる埋め立ては始め県が承認し、民間業者も担う事業であるとし、防衛局にも民間人と同じ権利があると判断したらしい。反対する県民には、防衛局の職員が機関銃で、撃ち殺しそうな勢いだ。
▼そこで私が注目するのは、函館市が国に提訴している「大間原発建設中止」の裁判だ。初回は「自治体には人格権がない」、【原告不適格】という門前払いのような対応だった。
▼函館市は約26万人と市民が住んでいる。世界初のフルモックス燃料(ウラニウム+プルトニウム)を使用する大間原発は、事故が起きれば素人が考えても、福島第一原発事故の比ではない。
▼市民の生命・身体・財産の保全が自治体の使命だ。それを門前払いする裁判所は、犯罪を起こすものを擁護するという場所ではないかと、函館市民は多いに憤慨した。
▼もし福岡高裁の判決が認められるなら、函館市の裁判も27万市民が後ろについているので「行政不服審査法」で訴えれば、当然函館市が勝訴ということになりそうだ。
▼というわけで、福岡高裁での辺野古基地移設反対訴訟の裁判は、大間原発訴訟に大きな希望を与えてくれた。だが、アベ総理が任命した最高裁裁判長は「沖縄県は元琉球王国だし、北海道はアイヌ民族の土地だから、憲法解釈は違って当たり前!?」などと、意味不明の判決を出すかもしれない。
▼来年の教科書からは【三権分立】は、姿を消すかもしれない。大きな災害が発生する昨今だが、裁判所までも床上浸水しているような日本だ。いや「ジャポン」だ。
▼正義の味方「月光仮面のおじさん」は、函館市生まれだ。
必ず出没してくれるに違いない。私は、今は東京地裁だが、最後の最高裁に出てくると思う。必ず「後半・公判」に出る。なぜなら作者は川内康範(こうはん)だからだ。
▼このジョークを分かるのは、昭和20年代生まれだと思うけど。11月9日。函館市は市民向けに、初の大間原発裁判の経緯説明会を設ける。そこで、沖縄の判決と絡めた質問をしたいと思う。
▼担当は、海渡雄一弁護士だ。弁護士でもあり参議員でもある、福島瑞穂さんのご主人で、とてもやさしいく優秀な人だからだ。