鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

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お気に入りその1012~日本高山植物図譜

2015-02-04 12:27:51 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、日本高山植物図譜第二巻です。

牧野富太郎著「日本高山植物図譜 第二巻」をようやく購入しました。
1年以上前に第一巻を購入したときに石版の美しい原色図版に魅せられ、すぐにでも第二巻を購入したかったのですが、高価なのでオークションに出品されるの待っていました。
先日、本の見返しが表表紙側と裏表紙側の両方とも破れている傷物が出品されました。
表紙や本文、図版は良好なのに格安・・・これはチャンス!
早速入札参加したところ、他に入札する人もなく楽々落札できました。

「牧野富太郎博士」
「原色石版図版 200余を載録」
「明治41年(1908年)初版、明治42年再版」

こういうキーワードが並んでいるので、多少高値になることを覚悟していたのですから実に幸運でした。

牧野博士は第一巻で次のようにコメントしています。
「高山植物の大部分を収録したが、もし重要な種類が遺漏していた場合や、石版色彩が実物と異なる場合は後の版で補正する」
さすがは牧野博士、解説文や線画、色彩の正確さに自信を持っていたことがうかがわれます。

今回入手した第二巻は明治42年の再版。
冒頭に正誤表のページがあり、第二巻初版の4種の名称を訂正しています。
図版の訂正については触れていません。
全種類の標本を所有し、石版の技術まで修得している牧野博士が監修しては図版に誤りなどあるわけがなかったようです。
画工や印刷業者は牧野との仕事を嫌ったという逸話が残っています。
正確さにとことんこだわったからだそうです。

なお残念ながら第三巻の発行は中止になり「高山植物の大部分を収録」することはできませんでした。
牧野博士がまだ世に認められていなかったこの時代、博士が取り組んだ図鑑は他でも中断しています。
伝記を読むと不遇の時代が長く続いており、よくも乗り切り初志貫徹したものと感心させられます。
本書発行時すでに47歳になっていましたが、博士号を得るのはなんと65歳。
18年も先のことです。

・・・余計なことを書き過ぎました。
自らを植物の精と呼んだ牧野博士が丹精込めて制作した原色図鑑。
細密な植物図と正確かつ味わいのある多色石版による彩色。
可憐な高山植物の画集としてゆっくり堪能しています。
今は前半部を終えるころ。
黄色い花ばかりが続いています。
後半部こそいろんな色の美しい花が紹介されていることを願いつつ、ゆっくりじっくり鑑賞したいと思います。


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