私立探偵・佐久間公シリーズのひとつらしいが、他のは読んだことがない(爆)。失踪した人気漫画家の行方を追う佐久間の前に、渋谷の覇権を争うヤクザ連中やカリスマ的な謎の女子高生など、濃い面子が次々と現れて彼の邪魔をしてどうのこうのという話だ。
当シリーズに初めて接する身としては主人公の“過去”がどうなのか知る由もないが、随分と老成したキャラクターだと思った。たぶんこの年齢(40代)になる前に紆余曲折があり、物事を達観するに至るバックグラウンドがあるのだとは思いつつ、やはり違和感がある。もうちょっと破天荒な部分が欲しい。
とはいえ、大沢在昌の文章は流麗で、最後までスラスラと読める。脇のキャラクターが“立って”いて、佐久間に仕事を依頼する自閉症的な好事家をはじめ、物腰が垢抜けた暴力団の二代目若親分、佐久間をフォローする“仲間”たちも出番が少ないながら印象は強烈だ。
カリスマ女子高生の造型は、いかにも作者が頭の中だけで考えたような“(中年男御用達の)萌えタイプ”なのは御愛敬として(笑)、それより彼女の“奴隷”に身をやつしている若い男の屈折度が印象的。この描写が物語に影と重さを加え、単純なハードボイルド篇と一線を画している。
さて、このシリーズの次作はたぶん佐久間の助手になるであろうカリスマ女子高生がクローズアップされ、“萌え”度が増すのかもしれないね(笑)。とにかく、読んで損はしない本だった。
当シリーズに初めて接する身としては主人公の“過去”がどうなのか知る由もないが、随分と老成したキャラクターだと思った。たぶんこの年齢(40代)になる前に紆余曲折があり、物事を達観するに至るバックグラウンドがあるのだとは思いつつ、やはり違和感がある。もうちょっと破天荒な部分が欲しい。
とはいえ、大沢在昌の文章は流麗で、最後までスラスラと読める。脇のキャラクターが“立って”いて、佐久間に仕事を依頼する自閉症的な好事家をはじめ、物腰が垢抜けた暴力団の二代目若親分、佐久間をフォローする“仲間”たちも出番が少ないながら印象は強烈だ。
カリスマ女子高生の造型は、いかにも作者が頭の中だけで考えたような“(中年男御用達の)萌えタイプ”なのは御愛敬として(笑)、それより彼女の“奴隷”に身をやつしている若い男の屈折度が印象的。この描写が物語に影と重さを加え、単純なハードボイルド篇と一線を画している。
さて、このシリーズの次作はたぶん佐久間の助手になるであろうカリスマ女子高生がクローズアップされ、“萌え”度が増すのかもしれないね(笑)。とにかく、読んで損はしない本だった。