
(原題:Spider-Man 3)主人公ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)の恋人メリー・ジェーン(MJ)がブロードウェイのステージを短期間で降ろされてしまう理由が劇中では“声量が不足しているため”と説明されているが、実はルックスに難があったからじゃないの?・・・・と、いらぬ突っ込みをするぐらいしか楽しみがない映画だ(爆)。
MJに扮するキルスティン・ダンストといい、今回ピーターにちょっかいを出すグウェン役のブライス・ダラス・ハワードといい、サム・ライミ監督は本当に女優の趣味が悪い。別に正統派美人を使っていなくても撮り方を工夫してチャーミングに見せる方法もあるはずだが、この演出家にはそういう考えはないらしい。
さて、この3作目ではスパイダーマンは3つの敵と戦うことになる。まずはピーターへの復讐に燃える2代目グリーン・ゴブリンのハリー(ジェームズ・フランコ)、ピーターの伯父を殺した(と思われている)サンドマン、そして宇宙から来た謎の生命体だ。三色アイスみたいな“お徳用感”を出そうとしたのだろうが、欲張りすぎて脚本が破綻している。
ハリーのピーターに対する“誤解”を解くモチーフが最初から存在しているのに、それをラスト近くまで出さない不用意さをはじめ、サンドマン“誕生”のきっかけとなる危険な実験施設に一般人が簡単に侵入できる不思議、宇宙からの招かれざる客に至っては、ニューヨークの真ん中に“大きな音も振動もなく”落下する隕石に乗って簡単にやってくる(笑)。
主人公の回りの人物は、都合の良いようにさしたる伏線もなく“改心”したり“敵対”したりするし、謎の生命体の行動規範は最後まで文字通り“謎”のまんまだ。敵役を一つに絞ってタイトに進めた方が良かったし、その方が登場人物のバックグラウンドまでも十分描き込めたはずである。
史上最高額に達したという製作費のおかげでさすがにVFXは良くできている。だが、心底驚くような映像は少ない。強いてあげればサンドマンの造型ぐらいだ。スパイダーマンがビル群の間を飛び回るお馴染みのシーンも、前二作とコンセプトが同じ。正直言って、飽きた。
たぶん4作目も撮られると思うが、次はもっと新機軸を出して欲しい。個人的にはライミ監督には降板してもらい、別の演出家による新味を打ち出しても良いと思う。そしてライミ監督には“本業”の“あっち路線”(どういう路線だよ ^^;)に邁進してもらいたい。「死霊のはらわた」シリーズのような怪作をもう一回観たいものだが・・・・(笑)。
この度はわざわざコメントありがとうございました。
「サム・ライミ監督は本当に女優の趣味が悪い」
ホント、同感です・・・
キルスティン・ダンストは美形ではないですね。
ただ、表情というか笑顔は素敵かなと思ってます。この方はインタビュー・ウィズ・バンパイアの時に売れたんでしたよね。
それにしても第2作・3作は前回を越えられないというのが定説みたいなものですがまさに証明してしまった作品のように思えてしまいます。
キルスティン・ダンストは----子役の時代はさておいて(^^;)----唯一魅力的に見える映画は「チアーズ!」ですね。明るく、元気、前向き、愛嬌たっぷりetc. 彼女にぴったりのキャラクターでした。こういう役柄を中心に選んで仕事をしてもらいたいものです。
「スパイダーマン3」は出来はアレですが、興行収入と各種グッズの売れ行きから考えて次作もあるのでしょう。今回ブライス・ダラス・ハワードが演じた役柄は、原作では主人公と結婚するとかいう話を聞いたことがあります。そのへんが映画ではどうなるかは・・・・まあ興味の持てるところではあります(爆)。
それでは、今後とも宜しくお願いします。