(原題:GREASE)78年作品。私は“午前十時の映画祭”にて今回初めてスクリーン上映に接することが出来た。当時は大ヒットした作品だが、それも頷けるほどのキラキラした楽しさに溢れており、観ている間はこの世の憂さも忘れてしまう(笑)。もしも若い頃に、リアルタイムに近い時期に観ることが出来ていたならば、生涯忘れられない一本になったことだろう。
1950年代。夏休みに海浜リゾート地で知り合った高校生のダニーとサンディは、甘い日々を過ごした後、夏の終わりに泣く泣く別れる。新学期が始まって登校したダニーだが、何とサンディが父親の転勤で同じ高校に転校してきたではないか。サンディは思いがけない再会に大喜びだが、実はダニーは“T・バーズ”という不良グループのリーダーであり、仲間の前でデレデレした態度を取るわけにはいかず、無愛想な素振りをする。

怒ったサンディは、女子グループの“ピンク・レディーズ”に参加する一方、ダニーへの当てつけ気味にアメフト部のキャプテンと付き合い出す。そんな中、“T・バーズ”に敵対する“スコーピオンズ”のリーダーが改造車でのレースを挑んでくる。
避暑地で知り合った女の子が、偶然に同じ学校に転入してくるという、超御都合主義的な設定。片田舎の高校が、TV局の主催する全米高校ダンス・コンテストの会場に指名されるのも、随分と強引な筋書きだ。しかし、この映画のような明朗学園ミュージカルならば、そんなことは笑って済ませられる。小難しいことは考えずに、ひたすら脳天気に楽しむ一手だ。
この作品がデビューのランダル・クレイザーの演出は、とにかくテンポが良くソツがない。時代設定に相応しいキュートなファッションやカラフルな大道具・小道具。バリー・ギブによるお馴染みのナンバーと、シャ・ナ・ナの歌と演奏による既成曲の数々が、お祭り気分を盛り上げる。

主演はジョン・トラヴォルタとオリヴィア・ニュートン=ジョンで、言うまでも無く“夢のスター共演”である。当時は人気絶頂だったトラヴォルタは、ここでは得意のダンスと歌声を賑々しく披露。オリヴィアはこの頃すでに30歳に達していたはずだが、凄く可愛い。この2人を見ているだけで、ウキウキとした気分になってしまう。ストッカード・チャニングやジェフ・コナウェイ、ディディ・コンといった脇のキャストも万全だ。
なお、この映画が製作された70年代後半は、アメリカでは経済とエネルギーの危機が起こり、混迷の度を増していた時期だ。そんな状況で、ヴェトナム戦争もウォーターゲート事件も起きていなかった50年代に題材を求めた企画は、とても優れていたと言えるかもしれない。
1950年代。夏休みに海浜リゾート地で知り合った高校生のダニーとサンディは、甘い日々を過ごした後、夏の終わりに泣く泣く別れる。新学期が始まって登校したダニーだが、何とサンディが父親の転勤で同じ高校に転校してきたではないか。サンディは思いがけない再会に大喜びだが、実はダニーは“T・バーズ”という不良グループのリーダーであり、仲間の前でデレデレした態度を取るわけにはいかず、無愛想な素振りをする。

怒ったサンディは、女子グループの“ピンク・レディーズ”に参加する一方、ダニーへの当てつけ気味にアメフト部のキャプテンと付き合い出す。そんな中、“T・バーズ”に敵対する“スコーピオンズ”のリーダーが改造車でのレースを挑んでくる。
避暑地で知り合った女の子が、偶然に同じ学校に転入してくるという、超御都合主義的な設定。片田舎の高校が、TV局の主催する全米高校ダンス・コンテストの会場に指名されるのも、随分と強引な筋書きだ。しかし、この映画のような明朗学園ミュージカルならば、そんなことは笑って済ませられる。小難しいことは考えずに、ひたすら脳天気に楽しむ一手だ。
この作品がデビューのランダル・クレイザーの演出は、とにかくテンポが良くソツがない。時代設定に相応しいキュートなファッションやカラフルな大道具・小道具。バリー・ギブによるお馴染みのナンバーと、シャ・ナ・ナの歌と演奏による既成曲の数々が、お祭り気分を盛り上げる。

主演はジョン・トラヴォルタとオリヴィア・ニュートン=ジョンで、言うまでも無く“夢のスター共演”である。当時は人気絶頂だったトラヴォルタは、ここでは得意のダンスと歌声を賑々しく披露。オリヴィアはこの頃すでに30歳に達していたはずだが、凄く可愛い。この2人を見ているだけで、ウキウキとした気分になってしまう。ストッカード・チャニングやジェフ・コナウェイ、ディディ・コンといった脇のキャストも万全だ。
なお、この映画が製作された70年代後半は、アメリカでは経済とエネルギーの危機が起こり、混迷の度を増していた時期だ。そんな状況で、ヴェトナム戦争もウォーターゲート事件も起きていなかった50年代に題材を求めた企画は、とても優れていたと言えるかもしれない。