元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「センターステージ」

2009-12-25 06:27:00 | 映画の感想(さ行)
 (原題:Center Stage)2000年作品。ニューヨークの名門バレエ団、アメリカン・バレエ・カンパニーへの登龍門である学校に入学したヒロイン(アマンダ・シュール)を中心に、ダンサーたちの挫折と栄光を描く。監督は「私の愛情の対象」などのニコラス・ハイトナー。

 さて、本作はバレエ映画だ。でも、その題材を現時点で扱うこと自体が辛い。なぜならバレエ映画には過去に「赤い靴」だの「愛と喝采の日々」だの「愛と哀しみのボレロ」だのといった秀作・佳作が目白押し。よほど目新しいネタを振らない限りアドバンテージは取れないと思うが、この映画ではどうだったか。正直言ってあまり気勢のあがらない結果になってしまったようだ。

 舞台となるバレエ学校を丁度アラン・パーカーの「フェーム」の芸能学校みたいに描いて青春群像を捉えようとしたのはわかるが、登場人物の設定・配置や扱われるエピソードがメチャクチャ陳腐。しかも腹芸を見せられるような達者なキャストも少ないし、演出も演技指導も表面的。あらずもがなの結末にはタメ息が出た。

 ならばバレエ場面で大量得点を狙いたいところだが、ヒロインが好意を寄せるクーパー役のイーサン・スティーフェルの名人芸を除けば、過去の作品群に比べて技巧や振り付けに特筆すべきものはない。せめて舞台監督役のピーター・ギャラガーが踊る場面でも出してウケを狙ってほしかった(笑)。
コメント
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