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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い」

2009-01-16 06:35:39 | 映画の感想(ら行)
 (原題:Legend of the Fall)95年作品。20世紀初頭のモンタナ州。退役軍人のラドロー(アンソニー・ホプキンス)は牧場を経営しながら3人の息子を育てていた。堅実な長男アルフレッド(アイダン・クィン)、野生児の次男トリスタン(ブラッド・ピット)、理想主義者の三男サミュエル(ヘンリー・トーマス)。母は家出していたが、自然に囲まれたそれなりに幸せな生活は、サミュエルが東部の大学から連れてきた婚約者(ジュリア・オーモンド)の出現により、兄弟の間に微妙な確執を生むこととなる。やがて第一次大戦への参戦、禁酒法時代、大恐慌など、時代の流れは一家を翻弄させていく。ジム・ハリスンのベストセラーをエドワード・ズウィック監督が映画化。2時間を超える大作に仕上げた。

 さて、一見して堂々たる大河ドラマである。しかしそれは“大河ドラマのための大河ドラマ”であって、そうしなければならない必然性など少しもないのだ。はっきり言って、これは「エデンの東」と「リバー・ランズ・スルー・イット」を合わせたような映画で、題材に新しいものは何もない。

 頑固な父親と性格の異なる兄弟のキャラクター設定は、完全なステレオタイプだ。観客の誰もが次男のトリスタンに感情移入するように仕向ける手口も予想通りだ。反社会的でエゴが強い次男の性格を“反骨精神旺盛なとんがったキャラクター”と言ってはいけない。こういうヒーローは今までのアメリカ映画では腐るほどいた。伝統的ではあるが少しも革新的ではないのだ。ブラッド・ピットはモンゴメリー・クリフトあたりに端を発した“内向的で破滅型”の青春スターの末裔であろう。それ以上でもそれ以下でもない。同じく彼が主演した「リバー・ランズ・・・」のキャラクターとほとんど一緒であり、途中から映画を切り替えてもわからないのではないか?

 私など、序盤のドラマティックな展開はともかく、終盤近くの、トリスタンが世界中を放浪して傷心を表わす場面になってくると、ワザとらしさに失笑してしまった。なるほど舞台は幅広くなり、大河ドラマ的材料には事欠かなくなってくるが、求心力は確実に低下していく。映画を大作に見せよう見せようという強迫観念が、ドラマにすきま風を吹かせることになる。

 こういうのはテレビのミニ・シリーズでやればちょうどいいと思う。それとブラッド・ピットのファンや、映画をたまにしか観ない層にもそれなりの手ごたえは与えるだろう。だが、どうしようもなく古い題材と型通りの展開により、感銘の持続力は弱いと思う。少々破綻してもいいから、プラスアルファの現代にも通じるテーマをドラマの中に盛り込んでほしかった。

 キャスト面ではオーモンドの清楚な美しさが光った。ジェームズ・ホーナーの音楽は見事。ただ、アカデミー撮影賞を取ったジョン・トールのカメラはそれほどでもない。
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