しばし目を疑いました……。倒立だと聞いていたのですが、一瞬、正立式に見えたからです(笑)。
アウターレッグカバーが非常に個性的なデザインです。
26インチ、27.5インチ共用だとか。
http://www.pinkbike.com/news/dvo-emerald-first-look-2012.html
http://www.bikerumor.com/2012/11/16/first-look-dvo-suspensions-new-inverted-fork/#more-51980
基本的には完全な倒立式で、ガードは剛性にも性能にも影響しないでしょう。でも遊び心にあふれるデザインです。
さて肝心のスペックですが……
■スペック
●形式 倒立式
●トラベル 203ミリ ネガティブスプリングコイル式
●スプリング エア式
●ダンパー ツインチューブオープンバスデザイン ロー&ハイコンプレッション、リバウンド調整可
●インナーチューブ 36ミリ 二硫化モリブデンコート(molybdenum disulphide coating)
●アウターチューブ 43~41ミリアウトバテッド 7000アルミ
●フォーククラウン アルミ鍛造後CNC加工
●ステアリングチューブ オーバーサイズ、テーパータイプあり
●ガードCTA: ワンピースカーボントーションアーチ(Carbon Torsion Arch acts)
●予定重量 2900~3000グラム
●価格 1600~1800ドルを予定
テキストで書いていたらすっかり上げるのを忘れていました(汗)。
さて! 行きましょうか。
まずは外形から。意外なまでにマッシブですね。部分によっては43ミリあるアウターはある意味フォックス・40に近い力強さです。さらにこのマグラのDADのように前後に張り出すブレーズもその印象を膨らませます。個人的に、なんとなくテックインに似たような印象を持っていたのですが、素材の違いか(エメラルドは7000系という比較的オーソドックスなもの、テックインはZC88)、ほぼ別物ですね。どちらかと言えばコーワちっくでしょうか。それでもなかなか軽量なのはスプリングをエア式としたからでしょう。
インナーチューブなんですが、二硫化モリブデンコートとなっています。ふむ、基本的にカシマコートとほぼ同じハズですが、いかんせん自転車業界ではフォックスの独占となっています(テックインとコーワが使えているのは謎です(笑)。しかもカシマコートは日本の本社でしか出来なかったはず。おそらくなにかしらの抜け道か、新技術なのでしょう。二硫化モリブデンは自己潤滑能力がありますから、フォークにはうってつけなのでしょう。
フォーククラウンは考えています。花丸あげても良いでしょう(笑)! チタンコレットと名付けられたクラウンは、他のもののようにねじ止めではなく、コンプレッションリングで締め付けていくようです。これは素晴らしい! 特に倒立フォークは剛性をアウターの外径に依存することが多いのですが、軽さと前後剛性の確保のために太く薄くするのが常です。そうするときっちりとトルク管理をしないとインナーチューブのスライドを阻害するばかりか、アウターチューブを変形させてしまいかねません。エメラルドにももちろんトルク管理はひつようですが、一カ所ではなく、全体で締め付けるコンプレッションリングの採用は、このフォークの隠れた美点と言っていいかと。
倒立なのは、メンバーのモーターサイクル好きもあるのでしょうが、マルゾッキ・シバーの影響も大きいのかと。あれは名作でしたから。私の一番好きなマルゾッキフォークです(笑)。
そしてガード。カーボントーションアーチとなっていますね。左右を繋ぎカーボンとすることで、ねじれ剛性が50%アップするとなっています。んーん。これはないかなあ……。
ガードを留めるところは各エンドの左右、計8箇所あります。何を持って50%としているのかはわかりませんが、上部の固定がないのにそれだけ向上するというのはにわかに信じられません。倒立フォークに乗った人間は分かると思いますが、この形式は前後剛性は高いのですがねじれ剛性は比較的弱めです。それゆえに懐が大きく、乗り手をカバーしてくれます。レーサー達はどちらかというと、剛性重視で狙ったラインに前輪を持って行ける正立式を好んでいました。ボスがMTBに復帰を決めたときも正立に戻しましたからね。
ここでは懐かしいハルソンデザインを例に取っていますが、MTBのサイズ、重量内でねじれ剛性を高めようとすれば素直に正立が正解だと思います。いくらカーボンで作りDADデザインにしようと、上部の固定なしでは(百歩譲ってスライドガイドのような構造になっていたら違っていたかも……)、ダウンヒルで生じるあの力を50%近く抑えるというのは厳しいかと。……間違っていたら素直に謝りますよ(笑)。
ダンパーはカートリッジに納めたツインチューブ式です。中身はピストンとシムです。これはとことんいじれるでしょうね。はっきり言って素人さんお断り状態かと(笑)。自分でちゃんといじれる人や、いいショップさんに恵まれればかなりの戦闘力を引き出すことが出来るでしょう。一応オープンバス形式なのですが、過剰な重量を避けるため、あえてカートリッジにすることで、オイル量を少なくしているようです。ツインチューブは行きと帰りがちゃんと別ルートになっています。ここを完全に分けられるのは……、ケンクリのダブルバレルだけでしょう。フォックスもほぼ分かれているのですが、ダンパーをいじるときにちょっと反対側に干渉してしまった記憶があります。
さて、日本に入ってくるのでしょうか? サンツアーで作らせると明言していることから、超ハイエンドパーツでほとんどの人に手が届かないということはなさそうです。あるサイトだと1600~1800ドルとか。
なにはともあれ、ものは使ってみなければわかりません。エア式のスプリングはちょっと気になりますが、他社のように2段階式になっているかもしれませんしね。なによりマルゾッキを愛した人達の処女作です。私は力一杯期待していますよ!
アウターレッグカバーが非常に個性的なデザインです。
26インチ、27.5インチ共用だとか。
http://www.pinkbike.com/news/dvo-emerald-first-look-2012.html
http://www.bikerumor.com/2012/11/16/first-look-dvo-suspensions-new-inverted-fork/#more-51980
基本的には完全な倒立式で、ガードは剛性にも性能にも影響しないでしょう。でも遊び心にあふれるデザインです。
さて肝心のスペックですが……
■スペック
●形式 倒立式
●トラベル 203ミリ ネガティブスプリングコイル式
●スプリング エア式
●ダンパー ツインチューブオープンバスデザイン ロー&ハイコンプレッション、リバウンド調整可
●インナーチューブ 36ミリ 二硫化モリブデンコート(molybdenum disulphide coating)
●アウターチューブ 43~41ミリアウトバテッド 7000アルミ
●フォーククラウン アルミ鍛造後CNC加工
●ステアリングチューブ オーバーサイズ、テーパータイプあり
●ガードCTA: ワンピースカーボントーションアーチ(Carbon Torsion Arch acts)
●予定重量 2900~3000グラム
●価格 1600~1800ドルを予定
テキストで書いていたらすっかり上げるのを忘れていました(汗)。
さて! 行きましょうか。
まずは外形から。意外なまでにマッシブですね。部分によっては43ミリあるアウターはある意味フォックス・40に近い力強さです。さらにこのマグラのDADのように前後に張り出すブレーズもその印象を膨らませます。個人的に、なんとなくテックインに似たような印象を持っていたのですが、素材の違いか(エメラルドは7000系という比較的オーソドックスなもの、テックインはZC88)、ほぼ別物ですね。どちらかと言えばコーワちっくでしょうか。それでもなかなか軽量なのはスプリングをエア式としたからでしょう。
インナーチューブなんですが、二硫化モリブデンコートとなっています。ふむ、基本的にカシマコートとほぼ同じハズですが、いかんせん自転車業界ではフォックスの独占となっています(テックインとコーワが使えているのは謎です(笑)。しかもカシマコートは日本の本社でしか出来なかったはず。おそらくなにかしらの抜け道か、新技術なのでしょう。二硫化モリブデンは自己潤滑能力がありますから、フォークにはうってつけなのでしょう。
フォーククラウンは考えています。花丸あげても良いでしょう(笑)! チタンコレットと名付けられたクラウンは、他のもののようにねじ止めではなく、コンプレッションリングで締め付けていくようです。これは素晴らしい! 特に倒立フォークは剛性をアウターの外径に依存することが多いのですが、軽さと前後剛性の確保のために太く薄くするのが常です。そうするときっちりとトルク管理をしないとインナーチューブのスライドを阻害するばかりか、アウターチューブを変形させてしまいかねません。エメラルドにももちろんトルク管理はひつようですが、一カ所ではなく、全体で締め付けるコンプレッションリングの採用は、このフォークの隠れた美点と言っていいかと。
倒立なのは、メンバーのモーターサイクル好きもあるのでしょうが、マルゾッキ・シバーの影響も大きいのかと。あれは名作でしたから。私の一番好きなマルゾッキフォークです(笑)。
そしてガード。カーボントーションアーチとなっていますね。左右を繋ぎカーボンとすることで、ねじれ剛性が50%アップするとなっています。んーん。これはないかなあ……。
ガードを留めるところは各エンドの左右、計8箇所あります。何を持って50%としているのかはわかりませんが、上部の固定がないのにそれだけ向上するというのはにわかに信じられません。倒立フォークに乗った人間は分かると思いますが、この形式は前後剛性は高いのですがねじれ剛性は比較的弱めです。それゆえに懐が大きく、乗り手をカバーしてくれます。レーサー達はどちらかというと、剛性重視で狙ったラインに前輪を持って行ける正立式を好んでいました。ボスがMTBに復帰を決めたときも正立に戻しましたからね。
ここでは懐かしいハルソンデザインを例に取っていますが、MTBのサイズ、重量内でねじれ剛性を高めようとすれば素直に正立が正解だと思います。いくらカーボンで作りDADデザインにしようと、上部の固定なしでは(百歩譲ってスライドガイドのような構造になっていたら違っていたかも……)、ダウンヒルで生じるあの力を50%近く抑えるというのは厳しいかと。……間違っていたら素直に謝りますよ(笑)。
ダンパーはカートリッジに納めたツインチューブ式です。中身はピストンとシムです。これはとことんいじれるでしょうね。はっきり言って素人さんお断り状態かと(笑)。自分でちゃんといじれる人や、いいショップさんに恵まれればかなりの戦闘力を引き出すことが出来るでしょう。一応オープンバス形式なのですが、過剰な重量を避けるため、あえてカートリッジにすることで、オイル量を少なくしているようです。ツインチューブは行きと帰りがちゃんと別ルートになっています。ここを完全に分けられるのは……、ケンクリのダブルバレルだけでしょう。フォックスもほぼ分かれているのですが、ダンパーをいじるときにちょっと反対側に干渉してしまった記憶があります。
さて、日本に入ってくるのでしょうか? サンツアーで作らせると明言していることから、超ハイエンドパーツでほとんどの人に手が届かないということはなさそうです。あるサイトだと1600~1800ドルとか。
なにはともあれ、ものは使ってみなければわかりません。エア式のスプリングはちょっと気になりますが、他社のように2段階式になっているかもしれませんしね。なによりマルゾッキを愛した人達の処女作です。私は力一杯期待していますよ!
CTAと省略されていますが、これがあるのと無いのではねじり剛性が50パーセント変わってくると書かれていますよ。
さらに、剛性は高ければいいというわけではなく、バランスが大事なのでこうした、とも書かれています。
決して無駄ではないようです。
自転車の世界はねじり剛性に、こんなアプローチも有効なのかと面白く感じていましたが、実際はどうなんでしょうね。
次はどんな製品を投入してくるのか、楽しみでたまらないメーカーですね。
FOXのカシマコートもすべて日本の工場で処理をされていますよ。