マキシス・ロードです。
一応記しておきますが、これら全てが
日本に輸入されるかはわかりません。では参りましょう。
ラジアル
今回の最大の目玉はなんと言っても『ラジアル』でしょう! 文字通り
ラジアルタイヤです。
ラジアル22と
ラジアル23が用意されています。マキシスも謳っていますが、これは自転車界ではおそらく初めての製品です。以前書いた大石さんがテストしていたのは、これだったんですね。ま、クールシュベルなどのテストもしていましたから、ブランドを当てるのは簡単でしたか?
でも解説図を見てみると……
え?
75度っスか?
び、微妙だなあ。
確かに放射線状ということは出来ますが……、うーん????
基本的に
自転車のタイヤは全てバイアスタイヤです。これはラジアル構造よりも生産コストが安く上がり、サイドのケーシングが丈夫に出来、そしてなにより快適性に優れているからです。
今自転車以外の車輪を使用する乗り物には、基本的にサスペンションが搭載されています。この役割の分担により軽くて剛性があり、タイヤ自体の摩擦抵抗が少ないラジアルタイヤが使用できるのです。コストは大量生産によって克服したようです。実用化したのは
ミシュランです。これにより空気タイヤを作った
ダンロップと共にタイヤ歴史に名を刻むことになりました。
このタイヤでチューブレスを作ることが出来たら……、とんでもない化け物タイヤが出来るかも知れません。
そしてクールシュベルにも使われた
トリプルコンパウンドも使用しています。
今マキシスは紛れもなく世界でトップレベルの自転車タイヤメーカーです。しかしほんのわずか前までただの無名メーカーにしか過ぎませんでした。その第一歩はMTBからです。今にも続く低反発コンパウンドの流れをいち早く掴み、他社が二の足を踏むような柔らかいコンパウンドを使って一気にのし上がっていきました。
そのためか、
マキシスのタイヤはコンパウンドで高性能を発生させる傾向が強いです。今まで最高級クラスだったコーメットもカーカスには170TPIという比較的太めな糸を使っていました。ちなみにヴィットリア・コルサCXエボ2は320TPIです。全てを一列で比較することは出来ませんが、糸は密度が高い方がしなやかと言われています。シルクコードが生み出す軽さ、しなやかさはこの密度のためです。
ラジアルは、その不得意とも考えられた領域に果敢に挑んだ結果とも言えます。
二つのテクノロジーが合わさった最新タイヤ『ラジアル』は、2010年のロードバイクタイヤにおいて
最大の注目作と言えるでしょう。
クールシュベル
各方面で大絶賛を受けたタイヤです。これによりマキシスもロード界で完全に認められるようになりました。たしかロードタイヤでは世界初となるトリプルコンパウンドタイヤです。
50a、58a、62a
という異なる反発力のタイヤを組み合わせ、軽く走れてグリップ力もあるタイヤに仕上がっています。しかし……、海外値段が65ドルって……、日本は倍ですか。いくらなんでもぼったくりですねー。やだやだ。
コーメット
マキシスで唯一
ONE70テクノロジーを使用したモデルです。その驚きの機能は……、ただ単に170TPIの糸を使っただけです(苦笑)。そりゃあなた、ヴィットリア・ディアマンテ以下じゃないですか! まあ糸だけで全てが決まる訳ではないですが……。
しかし2009年に発売してますが、あまり感想を聞きません。というかどこにも取り上げられていないですね。値段が値段ですから失敗したら嫌ですし、傾向もわかりませんしね。それならミシュランを買ってしまいますなあ。
ゼニス・
エキップ・レジェーラ
日本名はゼニス・プロ・ライトです。160グラムという
山岳用決戦兵器ですね。普段履きでは財布が一ヶ月で破綻するでしょう(笑)。いや1週間かな?
でも用途を間違えなければ良いタイヤです。あくまで特殊なタイヤであることを忘れてはいけません。
ゼニス・
ホース・カテゴリー
こっちも日本名ゼニス・プロ・レベルという二つ名を持っています。
元の名前でもまったく問題ないと思いますが。
デュアルコンパウンドのベーシックモデルです。
コロンビエール
これもベーシックモデルです。ゼニス・プロ・レベルとはこっちがグルーブがはいった全天候で、ゼニスがスリックの晴天用といったところでしょう。
リフューズ
練習タイヤですね。太めのサイズもありますから、長距離用にしてもいいでしょう。
デトネイター
カジュアル的な位置づけでしょう。サイズ、カラー共に豊富です。ちゃんと耐パンクベルトも入っています。
という感じです。
各用途に応じたラインナップがきちんと出来上がっています。できればロード用チューブレスタイヤも作って欲しいのですが……、
ラジアルタイヤってのは文字通り、糸(カーカス)がホイールの車軸から放射線状にでています。ということはサイドウオールが地面に対して垂直であるということなんです。斜めではなく垂直であることで、ラジアルタイヤの特徴であるグリップ力と走りの軽さを出すことが出来ます。モーターサイクルではラジアルタイヤの出現により、レーススピードが劇的に上がりました。それほど革新的な性能を誇ったのです。しかしラジアルタイヤもベースの糸だけでは完成しません。タイヤの周回の部分にタイヤを押さえつける役割を果たすベルトが存在します。これも糸と直角の製品と斜めを2枚重ねた製品の2種類があります。マキシスは後者です。
ここら辺はまた後日。
さて何処がラジアルに気がついて試してみますかね?
http://www.maxxis.com/Bicycle.aspx
追記
あ、書き残していました。
ラジアルタイヤはですね、今回マキシスが自転車用では世界初と言っていますが、
実は他社の製品が先んじています。とてもメジャーなタイヤです。
シュワルベ・アルトレモR
です。こっちはちゃんと
90度ですね(笑)。このタイヤの高性能と軽さは
ラジアル構造だからだったのですね。糸は127TPIです。そこまで細いわけではありません。そしてこっちもトリプルコンパウンドです。名前は
トリプルナノコンパウンド。スペック的に非常に似通っているのがわかります。
まあ、去年はリコールなどもありましたが、一流タイヤであることは間違いありません。今年はバージョンアップしていますし。
ちなみに専用のチューブもあるんですよ。その名も
アルトレモチューブ。そのまんまです。非常に軽く、49グラムです。
乗り比べれば面白そうです。