今年は、初めて都響の<作曲家の肖像シリーズ>というプログラムの会員に申し込んでみました。すると、新会員向けに定期演奏会に抽選でご招待という企画があり、手を挙げてみれば、なんと運よく当選。会員になったのは私一人なのに、ペアのチケットまで頂き、母を誘って東京文化会館に足を運びました。東京文化会館は10年ぶりぐらいです。
≪招待席なのになんと1階≫
プログラムは、ベートーベンとブルックナーの交響曲第一番という珍しい取り合わせです。ブルックナーの一番は生演奏も録音も聴いたことが無く、全く初めてです。
颯爽とステージに現れた指揮者の小泉和裕さん。小泉さんは文化会館以上に久しぶりで、きっと20年ぐらい前に新日フィルとのホルスト「惑星」以来かな。軽快な足取りと、背筋が伸びて大きく棒を振る指揮ぶりは記憶のままでしたが、以前に比べて随分と風格が漂っている印象を受けました。
ベートーベンもブルックナーも堂々たるストロングスタイルの演奏でした。ベートーベンの1番は指揮者によって演奏の仕方がかなり異なると思いますが、小泉さんは弦も人数を揃え、力強く重厚な(かといって重すぎることは無い)音楽を作っていました。ベートーベンらしい構造の美しさが明確に浮かび出るような演奏で、個人的にもとっても好みです。
休憩を挟んでのブルックナーは人数を更に増やしたオケの爆音が冒頭から炸裂。ただ、初めてかつ予習なしで臨んだ私には、ちょっとこの曲は難しすぎ。時折、ブルックナーらしいリズムやメロディが入りますが、全体像をつかむには至らず、ただただオケの迫力に圧倒されるばかりでした。都響の音が、聴き慣れているN響と比べ、太く野性味あふれるように聞こえたのは、オケのせいか、ホールのせいかは良く分かりませんが、新鮮でした。小泉さんは、ベートーベンに続きここでも暗譜で、オケに正面対峙しながら、音楽をがっちりまとめている印象で、しっかり予習しておけば良かったと後悔。都響の聴衆はN響に劣らず平均年齢は高めですが、終演後の拍手はとても熱いものでした。
こんな素晴らしいコンサートにご招待いただき、都響事務局には感謝感謝です。母も楽しんでいたようです。会員特典としてこんな嬉しい企画は無く、できれば他のオーケストラも見倣ってほしいです(N響にはないけど、他にはある?)。都響会員になって良かった~としみじみ思った終演後でした。
東京都交響楽団 第767回 定期演奏会Aシリーズ
日時:2014年3月24日(月)19:00開演(18:20開場)
場所:東京文化会館
指揮:小泉和裕
東京都交響楽団
曲目
ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調
ブルックナー:交響曲第1番 ハ短調(リンツ稿)
Subscription Concert No.767 A Series
Date: Mon. 24. March 2014, 19:00 (18:20)
Hall: Tokyo Bunka Kaikan Artists
Conductor: KOIZUMI Kazuhiro
Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra
Program
Beethoven: Symphony No. 1 in C Major
Bruckner: Symphony No. 1 in c Minor
こんにちは。母とはちょくちょく一緒にコンサートに出かけています。親孝行と言うよりは、同好の者どおしと言うかんじです。