その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

西田 宗千佳 『ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える』 (講談社現代新書 2015)

2016-02-15 07:00:00 | 


 昨年9月に日本上陸した米国のネット動画配信会社ネットフリックスをきっかけに、日本のTV業界、視聴者の楽しみ方、生活がどう変わってきているかをレポートする。キーコンセプトはSVOD(Subscription Video On Demand:月額固定料金での見放題映像配信サービス)。

 日本のテレビは、ここ60年余りの間に、地上波放送、衛星・CS放送、ケーブルテレビ、デジタルテレビと変化を遂げてきたが、このSVODはさらにその変化を加速させそうだ。書籍、物販、IT、通信、音楽・・・デジタル化の波は、大きく既存の産業構造を変えてきたが、TVの世界にもいよいよそれが本格化するかもしれない。これまで、テレビの世界は、デジタル化とは言っても既存秩序の中の技術革新に過ぎなかった面があるので、このネットフリックスの流れは、業界秩序そのものを揺るがしてくれるのではないかとの期待がある。

 本書はそう言った業界、視聴者の動きを、わかりやすく、フェアに記述しているので、入門書として優れている。私自身は、それほどTVを見ないので、良質なプログラムが見たい時に安価に見れれば良い。これからの動きが注目される。


【目次】
第一章 ネットフリックスの衝撃
第二章 迎え撃つ「ニッポンのSVOD」
第三章 「テレビを見ない」時代と「イッキ見」
第四章 音楽でなにが起こったか
第五章 データがテレビを変える
第六章 「イッキ見」と「放題」で変わるコンテンツ
コメント
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